
宮崎県感染症発生動向調査2025年第21号
第27巻第21号 [宮崎県第21週(5/19〜5/25) 全国第20週(5/12〜5/18)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和7年第21週(ARIのみ第20週)の発生動向
全数報告の感染症(21週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核1例。
- 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
- 4類感染症:報告なし。
- 5類感染症:劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例、梅毒4例、百日咳82例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第21週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・第21週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は249人(定点当たり16.9)で、前週比84%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患は伝染性紅斑で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎であった。また、第20週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,501人(定点あたり53.6)で、前週比125%と増加した。
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は21人(1.4)で、前週比62%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(3.2)の約0.4倍であった。年齢群別は4歳から8歳が全体の約8割を占めた。
【感染性胃腸炎】
報告数は151人(10.1)で、前週比83%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(9.7)の約1.0倍であった。年齢群別は1歳から2歳が全体の約2割を占めた。
【伝染性紅斑】
報告数は20人(1.3)で、前週比143%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.4)の約3.8倍であった。年齢群別は1歳から9歳が全体の9割を占めた。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:報告数は1例(定点当たり0.1)で、高鍋保健所から報告があった。年齢は5〜9歳であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)
(2025年第20週:5月12日〜5月18日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。
※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上
(細菌・ウイルスについては2025年5月26日までに検出分)
細菌
ウイルス

※ ARI病原体定点から検出されたウイルスのうち、分離されたウイルスも再掲
全国2025年第20週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比134%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎及び伝染性紅斑で、減少した主な疾患は特になかった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比127%と増加した。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は7,520人(3.2)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(2.8)の約1.1倍であった。茨城県(5.9)、栃木県(5.8)、愛媛県(5.6)からの報告が多く、年齢群別では4歳から7歳が全体の約半数を占めた。
感染性胃腸炎の報告数は18,117人(7.7)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(6.6)の約1.2倍であった。愛媛県(14.6)、大分県(13.1)、岡山県(12.8)からの報告が多く、年齢群別では1歳から2歳が全体の約2割を占めた。
伝染性紅斑の報告数は4,834人(2.1)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.4)の4.9倍であった。栃木県(7.6)、群馬県(6.5)、山形県(6.3)からの報告が多く、年齢群別では3歳から7歳が全体の約7割を占めた。
* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値
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