
宮崎県感染症発生動向調査2025年第24号
第27巻第24号 [宮崎県第24週(6/9〜6/15) 全国第23週(6/2〜6/8)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和7年第24週(ARIのみ第23週)の発生動向
全数報告の感染症(24週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核6例。
- 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症2例。
- 4類感染症:レジオネラ症1例。
- 5類感染症:梅毒2例、百日咳55例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第24週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・第24週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は264人(定点当たり16.3)で、前週比99%とほぼ横ばいであった。なお、前週に比べ増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、水痘、伝染性紅斑で、減少した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎であった。また、第23週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,344人(定点あたり48.0)で、前週比93%と減少した。
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は41人(2.7)で、前週比85%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(3.1)の約0.9倍であった。年齢群別は3歳から6歳が全体の約半数を占めた。
【感染性胃腸炎】
報告数は106人(7.1)で、前週比91%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(8.3)の約0.9倍であった。年齢群別は1歳から3歳が全体の約3割を占めた。
【伝染性紅斑】
報告数は28人(1.9)で、前週比117%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約4.2倍であった。年齢群別は5歳から8歳が全体の約7割を占めた。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:報告数は1例(定点当たり0.1)であった。宮崎市(1例)保健所から報告があった。年齢は5〜9歳が1例であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)
(2025年第23週:6月2日〜6月8日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。
※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上
全国2025年第23週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比107%と増加した。なお、前週と比較して増加した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎及び伝染性紅斑で、減少した主な疾患はインフルエンザ、水痘であった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比103%とほぼ横ばいであった。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は7,684人(3.3)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(3.1)の約1.0倍であった。茨城県(6.6)、愛媛県(6.6)、埼玉県(5.7)からの報告が多く、年齢群別では4歳から7歳が全体の約半数を占めた。
感染性胃腸炎の報告数は15,247人(6.5)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(6.5)の約1.0倍であった。島根県(13.7)、岐阜県(11.3)、愛媛県(11.0)からの報告が多く、年齢群別では1歳から2歳が全体の約2割を占めた。
伝染性紅斑の報告数は5,370人(2.3)であった。例年同時期の定点当たり平均値*(0.5)の約5.1倍であった。栃木県(7.2)、群馬県(6.7)、山形県(6.4)からの報告が多く、年齢群別では3歳から7歳が全体の約7割を占めた。
* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値
月報告対象疾患の発生動向 <2025年5月>
性感染症
【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は37人(2.9)で、前月比109%と増加した。また、昨年5月(2.7)の約1.1倍であった。
《疾患別》
- 性器クラミジア感染症:報告数21人(1.6)で、前月の約1.0倍、昨年5月の約0.9倍であった。20歳代が全体の約半数を占めた。(男性3人・女性18人)
- 性器ヘルペスウイルス感染症:報告数9人(0.69)で、前月の1.8倍、昨年5月の3.0倍であった。(男性4人・女性5人)
- 尖圭コンジローマ:報告数4人(0.31)で、前月の2.0倍、昨年5月の1.0倍であった。(男性1人・女性3人)
- 淋菌感染症:報告数3人(0.23)で、前月及び昨年5月の0.6倍であった。(男性2人・女性1人)

【全国】
定点医療機関からの報告総数は4,524人(4.6)で、前月比104%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,413人(2.5)で前月比103%、性器ヘルペスウイルス感染症884人(0.90)で前月比100%、尖圭コンジローマ523人(0.53)で前月比98%、淋菌感染症704人(0.72)で前月比114%であった。
薬剤耐性菌
【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は18人(2.6)で、前月比90%と減少した。また、昨年5月(2.4)の約1.1倍であった。
《疾患別》
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数18人(2.6)で、前月の0.9倍、昨年5月の約1.1倍であった。70歳以上が全体の半数を占めた。
- ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
- 薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。
【全国】
定点医療機関からの報告総数は1,303人(2.7)で、前月比95%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,258人(2.6)で前月比96%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症40人(0.08)で前月比89%、薬剤耐性緑膿菌感染症5人(0.01)で前月比50%であった。
PDFファイルダウンロード
バックナンバーはこちら