
宮崎県感染症発生動向調査2025年第38号
第27巻第38号 [宮崎県第38週(9/15〜9/21) 全国第37週(9/8〜9/14)]
宮崎県感染症週報
宮崎県感染症情報センター
宮崎県薬務感染症対策課
宮崎県衛生環境研究所
令和7年第38週(ARIのみ第37週)の発生動向
トピックス
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)(全数報告の感染症)
高千穂保健所管内から報告があった。患者は70歳代の男性で、刺し口があった。県内での報告は、累計122例となった。

全数報告の感染症(38週までに新たに届出のあったもの)
- 1類感染症:報告なし。
- 2類感染症:結核3例。
- 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症1例。
- 4類感染症:重症熱性血小板減少症候群1例、レジオネラ症1例。
- 5類感染症:百日咳5例。

全数把握対象疾患累積報告数(2025年 第1週〜第38週 保健所受理分)

( )内は今週届出分、再掲
定点把握の対象となる5類感染症
・第38週の定点医療機関からの報告総数(急性呼吸器感染症除く)は709人(定点当たり37.2)で、前週比94%と減少した。なお、前週に比べ増加した主な疾患はRSウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、伝染性紅斑で、減少した主な疾患は新型コロナウイルス感染症、感染性胃腸炎であった。また、第37週の急性呼吸器感染症の報告総数は1,496人(定点当たり53.4)で、前週比96%とほぼ横ばいであった。
【新型コロナウイルス感染症】
報告数は384人(13.7)で、前週比76%と減少した。年齢群別は20歳未満が全体の半数、60歳以上が全体の約2割を占めた。
【伝染性紅斑】
報告数は64人(4.3)で、前週比139%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.4)の約10.0倍であった。年齢群別は3歳から7歳が全体の約8割を占めた。
【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
報告数は44人(2.9)で、前週比142%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(1.4)の約2.1倍であった。年齢群別は5歳から7歳が全体の約3割を占めた。
*新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告
○マイコプラズマ肺炎:報告数は3例(定点当たり0.4)で、宮崎市(2例)、高鍋(1例)保健所から報告があった。年齢は5〜9歳が2例、10〜14歳が1例であった。
保健所別 流行警報・注意報レベル基準値以上の疾患
病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部)
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)
(2025年第37週:9月8日〜9月14日搬入分)

○急性呼吸器感染症(ARI)※1サーベイランス検体について、急性呼吸器感染症サーベイランス遺伝子検査マニュアルに従い、検査を実施した。
※1 急性呼吸器感染症(ARI):咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか 1 つ以上の症状を呈し、発症から 10 日以内の急性的な症状であり、かつ医師が感染症を疑う外来症例
※2 左記のいずれのウイルスも検出されなかった検体数を計上
全国2025年第37週の発生動向
全数報告の感染症
定点把握の対象となる5類感染症
定点医療機関当たりの患者報告総数(急性呼吸器感染症除く)は前週比103%とほぼ横ばいであった。なお、前週と比較して増加した主な疾患はインフルエンザ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、マイコプラズマ肺炎で、減少した主な疾患は伝染性紅斑、ヘルパンギーナであった。また、急性呼吸器感染症の報告数は前週比111%と増加した。
新型コロナウイルス感染症の報告数は31,831人(8.4)で前週比104%とほぼ横ばいであった。宮崎県(17.9)、愛媛県(14.9)、長崎県(14.6)からの報告が多く、年齢群別では20歳未満が全体の約半数を占めた。
伝染性紅斑の報告数は3,846人(1.7)で前週比91%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.3)の約5.0倍であった。山形県(5.1)、佐賀県(4.8)、大分県(4.3)からの報告が多く、年齢群別では3歳から6歳が全体の約6割を占めた。
* 新型コロナウイルス感染症流行前5年間(2015−2019)の
当該週、前週、後週(計15週)の平均値
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