最大級の大自然で遊ぶ
海沿いには南北400kmにもおよぶ長い海岸線が続き、
内陸には九州脊梁山地を中心に緑の山々が連なる宮崎県は、
黒潮の恵みと照葉樹林の文化に抱かれて、今日を築いてきた。
海と山、宮崎の豊かな自然が育んだ宝物を紹介しよう。
日本一のオオスリバチ珊瑚礁
世界でも最大規模、島野浦島の巨大な珊瑚群

写真提供:延岡マリンサービス
延岡市の海岸沿いに広がる南北浦海岸は、日豊海岸国定公園に指定され、県内屈指のダイビングポイントとして知られる。この海岸エリアにある島野浦島の北東部では、日本一の規模を誇るオオスリバチ珊瑚礁群を見ることができる。
オオスリバチ珊瑚は通常、皿のように横に大きく成長するのだが、島野浦島のそれはバラの花びらのような特質な形状で成長しており、貴重な存在といえる。
またある程度の大きさに成長すると一気に大きくなる他の珊瑚類と比べ、オオスリバチ珊瑚は1年に1cmほどしか大きくならず、3mある島野浦島の珊瑚は300年以上かけて成長したものと推測される。まさに宮崎の自然が育てた大作といえるだろう。
九州最大級、9ヘクタールのテーブル珊瑚群
串間市・都井岬沖のテーブル珊瑚

写真提供:深見裕伸さん
延岡市沖がオオスリバチ珊瑚の群生地なら串間市の都井岬沖はテーブル珊瑚の群生地だ。テーブル珊瑚は、ミドリイシ科の珊瑚のうちテーブル状の群体をつくるもの。熱帯性海域の外洋に面してサンゴ礁をつくり、魚やエビの棲み家となる。
都井岬沖でテーブル珊瑚が見つかったのは2012年の3月。宮崎大学海洋生物環境学科准教授らの調査によると、深さ3〜5mの海底約300m四方に重なり合って密生しており、面積は約9ヘクタール。
海底が隙間なくサンゴで埋め尽くされた群生地としては国内有数の規模という。地域の貴重な宝として今後の研究、活用が期待される。

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