4. 非 金 属 鉱 床

(1) 石灰岩・ドロマイト (2) 長石・珪石 (3) 蛇紋岩・かんらん岩
(4) 粘土・陶石 (5) 石材・工業原料・骨材

(1) 石灰岩・ドロマイト

  秩父帯中には石灰岩が多く介在し、特に椎葉村から高千穂町にかけては、秩父帯の南縁に沿って厚い層をなして連続的に発達している。本県の石灰岩はほとんど無尽蔵と言ってよいが、山間奥地にあるために本格的な採掘が行われることなく温存されてきた。ただ、五ヶ瀬町鞍岡の祇園山などに露出するシルル−デボン系の石灰岩は、やや結晶質でかつ桃色の斑紋を有するため、大理石として装飾用建築材に用いられたことがある。石灰岩地帯は一般に水文地質的、地形的、植生的に特異な景観を示すことが多いので、環境資源としての価値が期待される。

  なお、高千穂町岩戸北西の小芹−皿糸−塩井の宇曽へ続く三畳系の灰白色石灰岩中にはドロマイト質になっているものがある。ドロマイト質部の厚さは皿糸付近で最大7mで、石灰岩層のみかけ上の最上部及び最下部に帯状に分布し、尖滅的に低品位鉱に移化している。鉱石は灰白−白色でMgO品位は良質部で13〜17%である。