4. 非 金 属 鉱 床

(1) 石灰岩・ドロマイト (2) 長石・珪石 (3) 蛇紋岩・かんらん岩
(4) 粘土・陶石 (5) 石材・工業原料・骨材

(5) 石材・工業原料・骨材

  石材としては石灰岩、玄武岩火砕岩、赤白珪石がそれぞれ建築用材、硯材、装身具・美術工芸品の原料として利用されていることがあるが、現在はほとんど利用されていない。姶良火砕流や阿蘇火砕流の溶結凝灰岩は採石・加工が容易で、かつ適度の支持力を有するので、土台石、石垣石などに利用されている。

  えびの市付近のシラスの中には軽量骨材、断熱材および窯業等の原料として利用可能なものがある。

  河川等に賦存する砂利は環境資源として重要視されており、骨材資源としては、もっぱら山・陸砂利、採石が対象となってきている。採石の対象としては尾鈴山酸性岩類、砂岩(主に四万十累層群)、安山岩類などがある。尾鈴山酸性岩類を対象とする採石場をみると、溶結凝灰岩はコンクリート骨材として、また花崗閃緑斑岩は港湾捨石・鉄道バラスなどとして採取されている。両者を比較すると、溶結凝灰岩の方が割れ口がシャープであり、このような岩質の違いが用途の違いとなって表れているのかもしれない。また四万十累層群の砂岩のうち、白亜系のものと古第三系のものを比較すると、比重では大差ないものの、すりへり減量・吸水率などの点で白亜系の方がまさっており、また同じ古第三系内では北部のものの方が南部のものに比べてややまさっているなど、今後の利用に際し考慮すべき傾向が認められる(第14表)。

第14表 骨材試験結果

試料採取場所 岩石名 比 重
JIS規格値
2.50以上
吸水率(%)
JIS規格値
3%以下
すりへり減量
(%)
JIS規格値
40%以下
備 考
北川町葛葉 砂 岩
(四万十累層群)
2.70 0.38 8.3 四万十累層群下部
(白亜系)
北川町替崎 2.68 0.47 7.8
えびの市鉱山 2.69 0.26 7.0
延岡市野別谷 2.58 0.94 13.7 四万十累層群上部
(古第三系)
門川町火切地 2.65 0.47 10.2
東郷町大内原 2.65 0.76 11.9
綾町綾北川 2.66 0.48 9.1
須木村綾南川 2.64 0.50 11.5
須木村桑俣 2.63 0.95 10.3
高城町有水 2.65 0.87 11.5
山之口町青井岳 2.57 1.62 15.5
北郷町板谷 2.54 2.14 25.1
串間市大矢取 2.57 1.69 19.0
日向市馬溝川 花崗閃緑斑岩
(尾鈴山酸性岩類)
2.58 1.78 14.0 一般に石英斑岩と
呼ばれている
川南町青鹿 2.66 0.60 9.3
川南町細 溶結凝灰岩
(尾鈴山酸性岩類)
2.67 0.11 11.9
えびの市国見山 安山岩 2.61 1.23 18.8  
山田町長尾山 2.78 1.53 6.2  

(宮崎県(1973)より抜粋・一部加筆)