アマゾンなどの熱帯林(ねったいりん)の研究では、1種の植物が絶滅(ぜつめつ)すれば、それに依存(いぞん)してきた昆虫(こんちゅう)や他の動物などを10種から30種も道連れにすることが分かっています。ある植物の葉だけを食べて生きているチョウ、ある特定の樹木のウロ(木の幹や根元にできた穴のこと)に溜まった雨水にしか住めないカエルなど、熱帯地方(ねったいちほう)の特殊化(とくしゅか)した環境に適応してしまった生物は、頼りにしていた樹木がなくなれば死に絶えるしかないからです。
逆に、ある動物がいなくなると植物にも致命的(ちめいてき)な影響(えいきょう)がでます。西アフリカでは密猟(みつりょう)によってゾウが激減(げきげん)すると同時に、約20種の樹木の若木も見られなくなりました。この樹木の実はゾウに食べられて排せつされないと発芽(はつが)できないからです。 |