天然のままで人手の加えられていない原生林(げんせいりん)は、かつて、世界の広大な面積を占めていました。しかし、このわずか30年間で、およそ80%が、すでに破壊されるか、その姿を大きく変えられてしまいました。
大切な森林がなくなっていくその主な原因は、大規模な商業的伐採(しょうぎょうてきばっさい)によるものです。先進国(せんしんこく)に住む私たちは、無意識のうちに大量の紙や木材をたくさん使いすぎています。コピー機やファックスを使うことが増え、紙を使用する量も急速に増加、私たちが建物を建てるときに使用するコンクリート枠は、熱帯木材(ねったいもくざい)を使い捨てしてきました。
そして、私たちの便利で快適な生活のために森林が焼き払われています。熱帯雨林(ねったいうりん)が減少する原因の一つに「焼畑(やきはた)」があります。先進国(せんしんこく)の企業(きぎょう)が大規模に行う焼畑(やきはた)では、森林が土の養分(ようぶん)を根こそぎ奪われてしまうので再生できずに砂漠化(さばくか)してしまいます。焼き払われた森林のあとに、巨大な放牧場(ほうぼくじょう)やコーヒー、ゴム、たばこ、果実の大規模農園(だいきぼのうえん)が作られます。ここで作られている製品はすべて先進国(せんしんこく)の私たちが消費しています。
私たちは「森林をまもろう」と訴えている一方で、どんどん樹木を減らしているのです。 |