県内の伝染性紅斑の発生が流行警報レベル開始基準値に達しました
本県における2025年第25週(2025年6月16日~22日)の感染症発生動向調査で、定点医療機関からの伝染性紅斑の報告数が36人(定点あたり2.4)となり、伝染性紅斑流行警報レベル開始基準値である定点あたり報告数「2」を超えました。
伝染性紅斑は妊婦が感染すると流産などのリスクとなる可能性があるため、注意が必要です。
また、今後大きな流行が継続することが予想されますので、手洗いや咳エチケット等の感染予防対策の徹底をお願いします。
1.県内の伝染性紅斑発生状況
2025年第25週(6月16日~22日)で、県内の定点医療機関からのインフルエンザ患者報告数が36人(定点当たり2.4)となり、伝染性紅斑流行警報レベル開始基準値である定点あたり報告数「2」を超えました。
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第21週 |
第22週 |
第23週 |
第24週 |
第25週 |
報告数 |
20 |
16 |
24 |
28 |
36 |
定点当たり患者報告数 |
1.33 |
1.07 |
1.60 |
1.87 |
2.4 |
定点医療機関とは、感染症の発生状況を知るため、一定の基準に従って県が各地区に定めた医療機関のことです。
県内の伝染性紅斑の定点医療機関数は15であり、定点当たり患者報告数は、全患者報告数を定点医療機関数(15)で割った値となります。
発生状況の詳細は別紙(1)を参照ください。
流行警報レベル開始基準値とは
- 流行警報レベル開始基準値:県全体の定点あたり報告数「2」(大きな流行の発生または継続しつつあることが疑われることを示す。)
- 流行警報レベル終息基準値:県全体の定点あたり報告数が「1」未満になるまで。
2.伝染性紅斑とは
- ヒトパルボウイルスB19による感染症です。子どもを中心に見られる流行性の発しん性の病気です。両頬がリンゴのように赤くなることから、「リンゴ病」と呼ばれることもあります。
症状
潜伏期間
10~20日
症状
- 両頬に境界鮮明な紅い発しんが現れます。続いて体や手・足に網目状の発しんが拡がりますが、これらの発しんは、通常1週間程度で消失します。多くの場合、頬に発しんが出現する7~10日前に、微熱や風邪のような症状がみられ、この時期にウイルスの排出が最も多くなります。発しんが現れる時期にはウイルスの排出量は低下し、感染力もほぼ消失します。
- 妊娠中(特に妊娠初期)に感染した場合、胎児の異常(胎児水腫)や流産が生じることがあります。
感染経路
- 咳、くしゃみ時の飛沫の中に含まれるウイルスによる飛沫感染
- 患者との接触による接触感染
治療
対症療法が基本です。
予防
手洗いや咳エチケットなどの一般的な予防対策が効果的です。
手洗い
- こまめな手洗いや石けんを使い、丁寧にこすり洗いをし、水で洗い流しましょう。
- 手洗い後はペーパータオル等を使って手を拭きます。タオルを使用する場合は、毎回タオルを交換するか、清潔な個人用タオルを使用しましょう。水道の蛇口は、手と一緒に洗うか、ペーパータオルを利用して締めると、手の再汚染を防げます。
マスクの着用、咳エチケット
- 咳やくしゃみなどの症状がある方は、周囲への感染予防のためにマスクを着用し、咳エチケットに配慮しましょう。
- 感染者との密接な接触を避けましょう。
妊娠中または妊娠の可能性がある方へ
- 熱や倦怠感が出現した後に発しんが出るなど、伝染性紅斑を疑う症状がある場合は、医療機関に相談しましょう。また、感染しても症状が無い場合(不顕性感染)もあるため、周囲に伝染性紅斑の人がいる場合は、妊婦健診の際に、医師に伝えてください。
- 伝染性紅斑の家族がいる場合や、流行している地域で多くの小児と接する機会がある職業の方などは特に注意が必要です。かぜ症状がある方との接触をできる限り避け、手洗いやマスク着用などの基本的な感染予防を行なってください。