宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ
田毎の月

取材協力/ホテル神田橋
宮崎市橘通東1-14-27
TEL 0985(25)5511

夏を元気に乗り切る
地どれの逸品を楽しむ。


冷や汁

冷や汁。地鶏と並ぶ郷土料理の代表格。
するすると食べられる夏の味わいを楽しむ。

暑い夏でも食欲をそそる冷や汁は、宮崎の代表的な郷土料理。ご飯に味噌汁をかけて食べる汁かけご飯は、日本人の主食といえるほど古くから親しまれてきたものだが、冷や汁はちょっと贅沢にアジやいりこでだしをとり、きゅうり、大葉、豆腐などを添えるのが特徴。保存食としての「干ぼかし」や「塩干し」を生かす料理として伝わってきたものといわれている。

大分の山間部ではオイカワなどの川魚の干ぼかしで作る冷や汁があり、その料理は「サツマ」と呼ばれていたというが、これも宮崎から伝わったものだろう。家庭料理なので作り方もシンプルだ。焼いたアジの身をほぐし、ゴマを加えてすり鉢であたり、麦味噌を加えてすりつぶす。味噌はオーブンなどで焦げ目がつくほど焼いておくと風味がいい。それを氷水でのばしたものに、薄切りのきゅうり、手でちぎった豆腐を混ぜ、熱いご飯にかけると出来上がり。大葉やミョウガなどを添えると、味わいも引き立つ。家族で囲むゆうげにはもちろん、夜食やお酒の後の膳にも向く。素朴ながら深い味わいの夏の味覚を楽しみたい。

ハモの日の出蒸し

ハモの日の出蒸し

ハモの淡白な味わいを生かした日の出蒸し。
和食の料理を洋風にアレンジ。

日向灘は年間を通してハモの水揚げが多い。宮崎のブランド魚「かどがわ金鱧(きんはも)」は高品質で知られ、関西方面では高値で取り引きされるようになった。日の出蒸しは祝いの膳の料理。エビとハモのすり身を合わせ、卵を巻いて蒸し上げる。洋風のアレンジも楽しい。

トビウオの造り

トビウオの造り

夏の夜にふさわしいさっぱりとした味わい。
「大トビ」の造りは、焼酎の肴にもよく合う。

初夏から秋にかけて日向灘沿岸にはトビウオが回遊してくる。トビウオ、ホソトビ、アヤトビウオ、ツクシトビウオなど数種いるのだが、大型のハマトビウオは刺身もおいしい。夏の夜によく合う、さっぱりとした味わいを楽しみたい。

うなぎの蒲焼き

うなぎの蒲焼き

宮崎は国内第3位のウナギ県。
シラスウナギ漁も盛んなウナギの本場だ。

大淀川などの河口でシラスウナギが獲れる宮崎は、ウナギの出荷量国内第3位のウナギ県。新富町や佐土原町で盛んに養殖されており、質の高さでも知られている。特に栄養状態の良いものは背が青みがかってみえることから、「青うなぎ」として珍重される。

アサヒガニの蒸しもの

アサヒガニの蒸しもの

濃厚な風味がうれしい黒潮のカニ。
地物は殻が柔らかく、味わいも深い。

北は静岡あたりから南は沖縄まで、西日本の太平洋岸で獲れるアサヒガニは、いかにも黒潮のカニらしい濃厚な味わいが特徴。最近は輸入ものも増えているが、地物の方が殻も柔らかくおいしいといわれる。南国のカニだけに南に行くほど大型が獲れる。