フォントサイズ
本県は森林面積が約59万ヘクタールで、県の面積の約76%を占めており、スギ素材(丸太)生産量が28年連続で日本一になるなど、全国有数の林業県となっています。
しかし、将来にわたって持続的に林業の振興を図るためには、林業を支える人材を確保・育成する必要があります。
このため、県では将来の林業を担う効果的な人材育成の仕組みづくりとして、研修の質・量をより充実し、実践的な人材を育成するため「みやざき林業大学校」を今年の4月に開講しました。
みやざき林業大学校の研修拠点である宮崎県林業技術センター(美郷町)
8月末に鎌原(かんばら)副知事(前列中央)がみやざき林業大学校を視察し、山林での下刈り体験や、長期課程研修生との意見交換を行いました。(美郷町)
みやざき林業大学校では、林業・木材産業に精通した即戦力となる未来のリーダーを育成するための新規就業者を対象にした「長期課程」のほか、現場技能者のさらなる専門技術などの習得を目指す「短期課程」や林業経営者の能力アップにつながる「経営高度化課程」の受講により各段階でキャリアアップが可能となっています。
また、林業振興や地域活性化のための「リーダー養成課程」、青少年、一般県民を対象にした森林・林業教育の「公開講座」により人材を総合的に育成します。
コース | 育成する人材 | 受講対象者 | 主な研修内容 |
---|---|---|---|
長期課程(1年) | 実践的な知識や技術・技能を身に付け、即戦力となる人材 | 新規就業者 | ● 林業の基礎、資格取得、ICTなど最新技術やコミュニケーション力向上 など |
短期課程 | 高度な知識や技術を有し、生産性の高い林業を実践する人材 など | 現場技能者 など | ● 技能講習(免許・資格などの取得)など |
経営高度化課程 | 新たな林業技術を習得し、経営改善を実践する人材 | 林業経営者 |
● 低コスト林業経営技術 ● 特用林産生産技術 ● 苗木生産技術 |
リーダー養成課程 | 林業振興や地域おこしの手法を習得し、リーダーシップを発揮する人材 | 林業研究グループ会員 など |
● 地域林業振興(儲かる林業) ● 地域活性化(森林を活かした地域づくり) |
公開講座 | 森林・林業の役割を理解し、それを支えるために行動する人材 | 青少年一般県民 | ● 森林・林業教育 |
令和2年度「長期課程」研修生募集 |
---|
令和元年10月21日(月)から11月1日(金)まで、「一般選考・前期」の申請を受け付けています。 詳しくは、みやざき林業大学校のホームページをご覧ください。 |
山林での下刈り実習
林業で使用する機械についての講義
私の家では林業と畜産業をしており、私も2年前に就業したのですが、林業に関しての資格と経験がなかったので、できる仕事が限られていました。 みやざき林業大学校では林業の基礎から学び、多くの資格を取得することができると聞き、受講しようと思いました。
講師の方々が一つ一つ丁寧にわかりやすく教えてくれるので、とても充実しています。学ぶ楽しさを感じています。
自然を感じながら作業ができることが一番の魅力です。自然の中での作業は、あまりストレスを感じません。また、宮崎県の主要な産業である林業を担い、将来に引き継いでいくことができることも魅力だと思います。
学習環境が整備されており、基礎からしっかり学ぶことができるので、未経験の方でも安心して受講できます。資格も取得できるので、林業大学校での経験は将来必ず役に立つと思います。
お問い合わせ |
---|
林業技術センター 管理・林業大学校研修課 0982(66)2888 森林経営課 0985(26)7154 |
県ではさまざまな恵みを与えてくれる森林を県民みんなで守り、育てていく仕組みとして、宮崎県森林環境税を平成18年度から導入しています。
宮崎県森林環境税を活用して森林を健全な姿で次世代に引き継ぐため、4つの柱による森林(もり)づくりに取り組んでいます。
県民参加の森林づくりイベントの開催や、企業、ボランティア団体などによる森林づくりの支援を行っています。
県民ボランティアの集い
台風などにより堆積した流木の除去や広葉樹の植栽など、森林の保全を行っています。
広葉樹の植栽
速やかな伐採跡地の再造林や花粉の少ないスギの苗木生産支援などを行っています。
伐採跡地の再造林
森林環境教育活動を通じて、森林づくりの次代を担う人づくりを行っています。
林業現場などの見学ツアー
森林環境譲与税は、国が地球温暖化や災害防止、水質浄化など公益的機能を持つ森林の整備のために創設したもので、今年度から市町村および県に譲与されます。
森林環境譲与税を活用し、市町村は間伐を中心とした森林整備や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進などを実施し、県は市町村による森林整備の支援などを行います。
県では森林環境譲与税と宮崎県森林環境税を有効に活用しながら、みやざきの豊かな森林を未来に引き継ぐ取り組みを進めていきます。
宮崎県森林環境税は来年で15年目の区切りの年を迎えます。そのため今年度、県内各地区で県民の皆さんとの意見交換会や県民意識調査などを実施し、いただいたご意見を参考に宮崎県森林環境税の今後のあり方を検討していきます。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で、世界各国の選手達の生活を支える「選手村」の代表的な施設であるビレッジプラザ(E棟の梁(はり)など)に県が提供する「みやざきスギ」が使用されます。
使用された部材は、大会終了後に本県へ持ち帰り、レガシーとして活用する予定です。
選手村ビレッジプラザ |
---|
![]() 外観イメージ ![]() 内観イメージ
|
お問い合わせ |
---|
環境森林課みやざきの森林(もり)づくり推進室 0985(26)7153 山村・木材振興課 みやざきスギ活用推進室 0985(26)7156 |