宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

Jajaバックナンバー

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滞在型観光「ゆっ旅宮崎」

4地区あわただしい都会の暮らしを逃れて、休日を、野山や海のゆったりした時間の中で過ごしたいという人が増えている。観光も、かつての名所や旧蹟をめぐる通過型の観光から、ひとつの場所で、その土地の文化や風物とふれあいながら過ごす、滞在型にシフトしてきた。宮崎県では、豊かな自然環境や、そこから生まれる風物、そこに暮す人々の生活文化まで、丸ごと味わい、楽しんでもらう滞在型観光「ゆっ旅宮崎」のプラン作りに取り組んでいる。

現在、五ヶ瀬エリア、綾町、西都市、北きりしまエリアの四地区で、地元の農家や工芸家が中心となって受け入れを行い、県内外から多くのお客様を迎えるようになった。 ここでは、その代表的なメニューを紹介しているが、受け入れエリアはさらに広がり、将来的には県内の幅広い地域で「ゆっ旅」を味わえるようになる。子どもの頃に、田舎のおじいちゃんの家で遊んだ日々の楽しさを、もう一度、宮崎で体験してみてほしい。

そば打ち

宮崎のソバは、殻ごと粉にひくため、風味豊かなのが特徴。焼畑農業の時代から、盛んに栽培されてきた伝統があり、現在でも主な産地は山間部で、その冷涼な気候がおいしいソバを育てている。麺は太く、腰が強い田舎ソバ。打ちたてのソバを、青空の下で食べられるところも。手頃なお土産にもなるため、人気の体験メニューだ。

そば打ち

こんにゃく作り

細かく切ったこんにゃく芋と水をミキサーにかけて、カシの木の灰で作ったアクとあわせて丸め、大釜でゆでると、歯ごたえがよく、風味豊かな「山のこんにゃく」ができあがる。醤油や酢味噌をつけて刺身で食べてよし、煮物にしても味がよくしみておいしい。西都市東米良地区には、全国でも珍しいカシの実を使ったこんにゃくも伝わっている。

こんにゃく作り

古民家宿泊

三和土に囲炉裏、太い梁にはあたたかに照らす白熱灯。そして、きれいに手入れされたカヤ葺きの屋根。100年以上前の古民家を模した(一部は移築)家に泊れる「茅葺きの里かるかや」は、小林市須木の小野湖のほとりにある。 静かな森と、釣りを楽しめる湖に囲まれた環境で、タイムスリップしたような休日を過ごせる施設だ。

古民家宿泊

ゆず胡椒作り

ここ数年のうちに、すっかり全国に普及したゆず胡椒は、古くから東九州で作られていた伝統の調味料。ゆずの皮と唐辛子を刻み、塩と混ぜるだけなので、あっという間に出来上がるのだが、その香りや風味の鮮やかさは、目を見はるほど。

ゆず胡椒作り

伝統工芸体験

綾町の町並みを見おろす丘の上にある、綾国際クラフトの城では、陶芸や藍染め、織物など伝統的な工芸品づくりのメニューが充実。クラフトのまち、綾の代表的な工房スタッフのガイドで、伝統工芸の奥深さに親しむことができる。交通のアクセスもよく、1時間ほどの所要時間で取り組めるため、綾観光のコースに組み入れると、いいお土産作りにもなりそうだ。

伝統工芸体験

農家民泊

農家の暮らしの一端を体験できる農家民泊。その内容は、薪を割って風呂を沸かしたり、収穫を手伝ったり、地域の伝統料理を作ったりと、家ごとに多彩で、修学旅行生を受け入れるところもある。 北きりしまエリアでは、「北きりしま田舎物語」と題した2泊3日の募集ツアーが季節ごとに開催され、県内外の参加者から好評を博している。

農家民泊

農業体験

野菜やフルーツなどを丹精こめて育てる農家のガイドで、その収穫や管理を体験するメニュー。季節や地域によって内容はさまざまで、宿泊や食事がついたコースもある。 綾町では4泊5日の日程で有機栽培野菜の収穫や、ソーセージの手作り、照葉樹林の散策などを体験するツアーも。ふだん何気なく食べている農産品のふるさとを訪ねて、実際に作業をしてみると、その味わいがいっそう深まりそうだ。

農業体験

 

問い合わせ:宮崎県観光推進課 0985-26-7594