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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2016年第28号

第18巻28号[宮崎県第28週(7/11〜7/17)全国第27週(7/4〜7/10)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第28週の発生動向

トピックス
ヘルパンギーナ(定点把握対象)

第28週(7/11〜7/17)の県内の定点当たり報告数は6.3で、4年ぶりに流行警報開始レベル(6.0)を超えました。流行警報開始レベル(6.0)を超えた週が、2011、2012年と比較して2週間遅くなっています。詳細後述。

全数報告の感染症(28週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核2例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:つつが虫病 1例。
  • 5類感染症:侵襲性肺炎球菌感染症1例、水痘(入院例)1例。

全数把握対象疾患累積報告数(2016年第1週〜28週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は877人(定点当たり27.5)で、前週比104%とほぼ横ばいであった。前週に比べ増加した主な疾患はヘルパンギーナと流行性耳下腺炎で、減少した主な疾患は伝染性紅斑と流行性角結膜炎であった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【ヘルパンギーナ】
報告数は228人(6.3)で、前週比123%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(6.6)の約1.0倍であった。日南(16.7)、中央(14.0)、宮崎市(8.2)保健所からの報告が多く、年齢別では1〜2歳が全体の約6割を占めた。

【流行性耳下腺炎】
報告数は136人(3.8)で、前週比140%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.83)の約4.6倍であった。日向(15.8)、高千穂(8.0)、小林(7.0)保健所からの報告が多く、年齢別では3〜5歳が全体の約6割を占めた。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○無菌性髄膜炎:都城保健所から1例報告があった。0〜4歳であった。
○マイコプラズマ肺炎:宮崎市、延岡、高鍋(各3例)保健所から報告があった。0〜4歳が2例、5〜9歳が5例、10歳代が2例であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成28年7月19日までに検出)

細菌

ウイルス

○乳幼児6名、成人1名からからパレコウイルス3型が検出された。パレコウイルス3型は軽度の消化器、呼吸器症状だけでなく新生児、乳幼児では敗血症など重篤な症状を、成人では筋痛症を起こすことがある。当所では今年に入ってパレコウイルス3型が11件検出され、増加傾向にあることから、今後の動向に注意していく必要がある。

○小児1名からエコーウイルス18型、乳児1名からエコーウイルス25型が検出された。エコーウイルス18型はこれまで発熱、発疹症の患者から検出されることが多かったが、今回、無菌性髄膜炎の起因ウイルスとして検出された。18型に限らず、エコーウイルスは夏期に髄膜炎の流行を起こすことがあることから、今後の動向に注意する必要がある。

○幼児1名から水痘・帯状疱疹ウイルスが検出された。

全国2016年第27週の発生動向

全数報告の感染症(全国第27週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比104%とほぼ横ばいであった。前週と比較して増加した主な疾患は手足口病とヘルパンギーナであった。減少した主な疾患は感染性胃腸炎と咽頭結膜熱であった。

流行性耳下腺炎の報告数は3,838人(1.2)で前週比114%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.57)の約2.1倍であった。佐賀県(2.8)、宮崎県(2.7)、山形県(2.4)からの報告が多く、年齢別では4〜5歳が全体の約3割を占めた。

流行性角結膜炎の報告数は586人(0.85)で前週比113%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.68)の約1.3倍であった。宮崎県(3.7)、神奈川県(2.9)、長野県、鹿児島県(1.9)からの報告が多く、年齢別では10歳未満が全体の約3割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値


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