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宮崎県感染症情報センター

宮崎県感染症発生動向調査2016年第32号

第18巻32号[宮崎県第32週(8/8〜8/14)全国第31週(8/1〜8/7)]

宮崎県感染症週報

宮崎県感染症情報センター
宮崎県健康増進課
宮崎県衛生環境研究所

宮崎県第32週の発生動向

全数報告の感染症(32週までに新たに届出のあったもの)
  • 1類感染症:報告なし。
  • 2類感染症:結核5例。
  • 3類感染症:報告なし。
  • 4類感染症:報告なし。
  • 5類感染症:報告なし。

全数把握対象疾患累積報告数(2016年第1週〜32週)

(   )内は今週届出分、再掲

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関からの報告総数は565人(定点当たり18.1)で、前週比89%と減少した。前週に比べ増加した主な疾患はRSウイルス感染症と咽頭結膜熱で、減少した主な疾患は感染性胃腸炎とヘルパンギーナであった。

インフルエンザ・小児科定点からの報告

【流行性耳下腺炎】
報告数は80人(2.2)で、前週比93%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.72)の約3.1倍であった。延岡、日向(各5.3)、高千穂(5.0)保健所からの報告が多く、年齢別は3〜5歳が約半数を占めた。

【咽頭結膜熱】
報告数は26人(0.72)で、前週比173%と増加した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.92)の約0.8倍であった。日南(3.3)、高千穂(2.0)、延岡(1.8)保健所からの報告が多く、すべて7歳以下であった(別グラフに示す)。

*過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値

基幹定点からの報告

○マイコプラズマ肺炎:宮崎市(7例)、日向(2例)、延岡(1例)保健所から報告があった。0〜4歳が4例、5〜9歳が3例、10歳代が2例、30歳代が1例であった。

保健所別 流行警報・注意報レベル基準値超過疾患

病原体検出情報(衛生環境研究所微生物部 平成28年8月15日までに検出)

細菌

○30代前半の男性から、腸管出血性大腸菌(EHEC)O1:H7が検出された。この菌株は、選択剤を加えた培地や合成基質培地では増殖が見られず、DHL寒天培地でのみ検出することが出来た。EHEC感染が疑われる場合には、選択性の高い培地と併用して、DHLなどの一般的な大腸菌分離培地からも釣菌し、VT遺伝子またはVTを調べる必要がある。

ウイルス

○乳幼児6名からパレコウイルス3型が検出され、幼児1名からパレコウイルス1型が検出された。

○幼児1名からムンプスウイルスが検出された。ムンプスウイルスは流行性耳下腺炎の起因ウイルスとして知られているが、今回、髄膜炎の患者から検出された。 流行性耳下腺炎で最も多い合併症が髄膜炎であり、その他、髄膜脳炎、睾丸炎、卵巣炎、難聴、膵炎などを引き起こす場合もある。また、ムンプスウイルスは感染力が強く、飛沫感染や接触感染で伝搬するため、感染予防策としてマスクの着用や手洗い・うがいの徹底が重要となる。

○髄膜炎の患者からコクサッキーB5型が検出された。国立感染症研究所の統計によると、今年に入り、無菌性髄膜炎の患者から検出されたウイルスとしてコクサッキーB5型が最も多くなっている。また、先に述べたムンプスウイルスによる髄膜炎も増加傾向にあることから、今後の動向に注意が必要である。                                  

全国2016年第31週の発生動向

全数報告の感染症(全国第31週)

定点把握の対象となる5類感染症

定点医療機関当たりの患者報告総数は前週比94%と減少した。前週と比較して増加した主な疾患はRSウイルス感染症と手足口病であった。減少した主な疾患はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎とヘルパンギーナであった。

流行性耳下腺炎の報告数は3,682人(1.2)で前週比89%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.49)の約2.4倍であった。新潟県(2.6)、鹿児島県(2.5)、宮崎県(2.4)からの報告が多く、年齢別では4〜6歳が全体の約4割を占めた。

マイコプラズマ肺炎の報告数は438人(0.93)で前週比93%と減少した。例年同時期の定点当たり平均値*(0.52)の約1.8倍であった。岐阜県(3.2)、福岡県(2.3)、大分県(2.0)からの報告が多く、年齢別では10歳未満が全体の約6割を占めた。

* 過去5年間の当該週、前週、後週(計15週)の平均値


月報告対象疾患の発生動向<2016年7月>

性感染症

【宮崎県】 定点医療機関総数:13
定点医療機関からの報告総数は29人(2.2)で、前月(2.8)の約0.8倍、昨年7月(3.5)の約0.6倍であった。

《疾患別》
○性器クラミジア感染症:報告数19人(1.5)で、前月(1.5)の約1.0倍、昨年7月(2.2)の約0.7倍であった。20歳代が全体の約4割を占めた。(男性10人・女性9人)
○性器ヘルペスウイルス感染症:報告数3人(0.23)で、前月(0.38)の約0.6倍、昨年7月(0.31)の約0.7倍であった。(男性1人・女性2人)
○尖圭コンジローマ:報告数3人(0.23)で、前月(0.23)の1.0倍であった。昨年7月(0.15)の約1.5倍であった。(男性3人)
○淋菌感染症:報告数4人(0.31)で、前月(0.62)の0.5倍、昨年7月(0.85)の約0.4倍であった。(男性4人)

【全国】定点医療機関総数:985
定点医療機関からの報告総数は4,129人(4.2)で、前月比で101%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、性器クラミジア感染症2,101人(2.1)で前月比98%、性器ヘルペスウイルス感染症827人(0.84)で前月比102%、尖圭コンジローマ524人(0.53)で前月比110%、淋菌感染症677人(0.69)で前月比105%であった。

薬剤耐性菌

【宮崎県】 定点医療機関総数:7
定点医療機関からの報告総数は19人(2.7)で前月比79%と減少した。また昨年7月(3.6)の約0.8倍であった。

《疾患別》
○メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症:報告数19人(2.7)で、前月の約0.8倍、昨年7月(3.4)の約0.8倍であった。70歳以上が全体の約4割を占めた。
○ペニシリン耐性肺炎球菌感染症:報告なし。
○薬剤耐性緑膿菌感染症 :報告なし。

【全国】 定点医療機関総数:471
定点医療機関からの報告総数は1,420人(3.0)で、前月比97%とほぼ横ばいであった。疾患別報告数は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症1,265人(2.7)で前月比99%、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症145人(0.31)で前月比86%、薬剤耐性緑膿菌感染症10人(0.02)で前月比67%であった。

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