トヨタマヒメの出産 (日南市)
出産のためにワタツミの宮から山幸彦のもとを訪れたトヨタマヒメは、決して中を見ないように告げて産屋に入りました。不思議に思った山幸彦が中をのぞくと、大きなサメがのた打ち回っていました。
本当の姿を見られたトヨタマヒメは、生まれたばかりの子を置いてワタツミの宮に帰ってしまいました。
このとき生まれた子は、鵜の羽を産屋の屋根にふき終わらないうちに生まれたことから、「ウガヤフキアエズノミコト」と名付けられました。
日南市の鵜戸神宮はウガヤフキアエズノミコトの生誕地と伝えられ、縁結びや安産の神としても知られています。
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ウガヤフキアエズノミコトとタマヨリヒメ
(宮崎市佐土原町・日南市)
ワタツミの宮に帰ったトヨタマヒメは、我が子を恋しく思い、自分の代わりに妹のタマヨリヒメを育て役として送りました。
やがて立派な青年に成長したウガヤフキアエズノミコトは、タマヨリヒメと結婚し、カムヤマトイワレヒコノミコト(のちの神武天皇)ら4人の皇子をもうけました。
宮崎市佐土原町の佐野原聖地はウガヤフキアエズノミコトが天下を治め、4皇子が生誕した地とも伝えられています。
また、鵜戸神宮背後の速日の峰の山頂にある吾平山上陵(あひらのやまのうえのみささぎ)は、ウガヤフキアエズノミコトの御陵伝説地とされ、今も厳かな雰囲気をたたえています。 |