試作1:スギ突き板(厚さ0.2mm)を3〜5層に積層 |
スギ突き板を3〜5枚貼り合わせ、ホットプレスで圧密しました。試作品は厚さが0.4〜0.5mm程度と薄く、ある程度圧縮されていたこともあり、プラスティックの下敷きのようなしなやかな質感で、表紙の素材としては良い仕上がりでした。ただし、製造工程数が多くなることと、積層する際に各層の木目を直交させて貼り合わせたために内層の木目が表面の木目に交差する形で浮き出てしまい、外観にやや難がありました。ちなみに木目を各層とも同じ向きに揃えて積層したものは、積層板全体が木目に平行に大きく波打ち、平滑性に問題がありました。 |
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スギ突き板(厚さ0.2mm) |
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3〜5枚を木目が直交するように貼り合わせる |
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試作品1 |
試作2:スギ薄板(厚さ1.5mm)を圧密 |
ホットプレスによりスギ薄板を圧密しました。試作品は厚さが0.7mm程度と元の厚さのおよそ2分の1に圧縮されていたため、密度が高くなった分、剛性が上がるとともに、表面の触感が滑らかに仕上がりました。また、加熱により木目が濃く褐色化し、圧密前に比べて年輪の模様がくっきり浮き出て、デザイン性のある仕上がりになったのですが、波打つような湾曲が抑えられず実用には至りませんでした。 |
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スギ薄板(厚さ1.5mm) |
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ホットプレスで圧縮 |
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試作品2 |
試作3:厚紙の表面にスギ突き板(厚さ0.2mm)を張り合わせる |
ノートやメモ帳の表紙基材として用いられている厚紙の表面にスギの突き板を張りました。試作品は厚紙自体が持っている平滑さとしなやかな質感を保持したまま、表面はスギ材の木目や触感を楽しめる良い仕上がりになりました。また、製造過程においても特殊な機器を必要とせず、既存の設備を用いて製造が可能であったことから、この手法により製品製造が行われることとなりました。 |
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スギ突き板(厚さ0.2mm) |
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厚紙 |
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試作品3 |