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掲載開始日:2020年9月16日更新日:2025年11月28日
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動物由来感染症とは、人と動物の間で感染が成立する病気の総称です。人も動物も重症となる病気、動物は無症状でも人は重症となる病気、人は軽症でも動物は重症となる病気など、病原体によって様々なものがあります。
中には死に至る病気もあり、近年では、マダニから感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や、犬や猫から感染するコリネバクテリウム・ウルセランス菌に感染した人が死亡した事例が報告されています。
世界保健機関(WHO)が現在把握しているだけでも200種類以上の動物由来感染症がある上、従来知られていなかった新しい感染症も次々と見つかっています。そのうち、日本に存在している動物由来感染症は数十種類程度と考えられています。
日本で特に注意しなければならない、ペットにかかわる主な動物由来感染症は次のとおりです。
| 病名 | 関係する主な動物 | 動物の 主な症状 |
主な感染経路 | 人の主な症状 |
|---|---|---|---|---|
| 狂犬病 |
犬 猫 その他 |
狂そう又は麻痺、昏睡して死亡。 | 感染した動物に咬まれる。 | 咬まれた部位の知覚異常が現れ、恐水症、興奮、錯乱等の神経症状の後、呼吸麻痺で死亡する。発症すると、100%死亡する。 |
| 猫ひっかき病 | 猫 | 多くは無症状。 | 感染した動物の咬み傷、ひっかき傷から感染する。 | 患部の発赤、潰瘍。発熱やリンパ節腫大。 |
| レプトスピラ症 |
犬 その他 |
腎炎 | 感染した動物の尿中に排出された病原体に汚染された水や土壌から感染する。 | 悪寒、発熱、腹痛や頭痛、おう吐。重症型(ワイル病) |
| パスツレラ症 |
犬 猫 |
多くは無症状。 | 動物の咬み傷、ひっかき傷から感染する。 | 患部の発赤、疼痛、腫脹。傷が深い場合には、骨髄炎になることもある。 |
| トキソプラズマ症 |
猫 その他 |
猫で肺炎、脳炎 | 感染した猫の糞中に排出された病原体や感染した家畜の食肉中の病原体が口に入ることで感染する。 | 多くの場合は無症状。妊婦が感染すると、流産、死産の可能性あり。 |
| 回虫症 |
犬 猫 |
食欲不振、下痢、おう吐 | 虫卵が存在する毛、糞、砂等が口に入ることで感染する。 | 小児に多い。発熱、肺炎、神経症状、眼球内移行、皮膚移行等。 |
| Q熱 |
犬 猫 その他 |
多くは無症状 | 感染した動物の尿、糞や獣皮等に含まれる病原体を吸い込むことにより感染する。ダニが病原体を媒介することもある。 | 発熱(38~40℃)、頭痛、悪寒、筋肉痛等。感染者の50%は無症状。 |
| オウム病 | 小鳥 | 下痢、元気消失 | 鳥類の糞に含まれる病原体を吸い込んだり、口移しでえさを与えることで感染する。 | 発熱(38℃以上)、せき、たんや食欲不振、筋肉痛等。 |
| エキノコックス症 |
犬 その他 |
多くは無症状 | 感染した動物の糞中に排出された虫卵を食物、水や手指を通して口に入ることで感染する。 | 上腹部の不快感、膨満感、肝機能障がい等。自覚症状が現れるまでに数年~数十年かかる。 |
| 重症熱性 血小板減少症候群(SFTS) |
犬 猫 その他 |
発熱、食欲不振(猫は重症化することが多い) | ウイルスに感染したマダニに刺されて感染する。 | 発熱、消化器症状、頭痛、筋肉痛、意識障がいや失語等の神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血等の出血症状。 |
| コリネバクテリウム・ ウルセランス感染症 |
犬 猫 その他 |
くしゃみ、鼻水、目やに、皮膚の化膿 | 感染した犬や猫、その飛沫等から感染する。 | ジフテリアに似た症状を呈し、咽頭痛、咳、扁桃や咽頭への偽膜形成や白苔が見られる。重症化すると呼吸困難を起こし、死に至ることもある。呼吸器以外に皮膚病変やリンパ節腫脹等の症状が出ることもある。 |
| サルモネラ症 |
犬 猫 小鳥 その他 |
多くは無症状 | 感染した動物の糞に汚染された手指や食品を通して感染する。 | 発熱、急性胃腸炎 |
日常生活において、動物由来感染症に感染しないために、主に以下のことに注意して下さい。詳細は厚生労働省作成の動物由来感染症ハンドブックを御覧下さい。
正しい知識をもち、その予防法を実行すれば、「病気になるからペットは飼わない」、「動物には触らない。」などとむやみに恐れる必要はありません。動物由来感染症についての知識をより深めて、動物との生活を健康で楽しいものにしていきましょう。

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福祉保健部衛生管理課乳肉衛生担当
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