「若者・女性の活躍促進に係る知事と産業界との意見交換会」における主な意見について
県では、3つの「日本一挑戦プロジェクト」を本格展開しており、その1つの柱である「子ども・若者プロジェクト」において、日本一生み育てやすい県への挑戦に取り組んでいます。
これまで進めてきた出逢い・結婚・妊娠・出産・子育ての希望を叶える環境の整備に加え、若者・女性の県内定着の促進にも力を入れていくため、産業界の各分野からお集まりいただいた皆さまと意見交換会を開催しました。
開催日時など
開催日時
令和6年12月18日(水曜日)午後4時から午後5時まで
場所
宮崎県庁本館2階講堂
テーマ
「若者・女性に魅力ある働き方について」
- (1)宮崎で働く若者・女性の現状について
- (2)若者・女性にとって魅力ある働き方とは
参加者
産業界の各分野からお集まりいただいた子育て世代の方10名
意見交換会の内容
知事挨拶
- 本日は大変お忙しい中意見交換会に御参加いただき、感謝申し上げる。
- 少子高齢化や人口減少が進む中で地域の活力をさらに高めていくためには、若者や女性の活躍を促進していくことが全国的な課題である。
- 県では、日本一生み育てやすい、若者がやりがいを持って働きやすい、そういう宮崎を目指している。県政推進においては対話と協働を重視しているところであり、意見交換を通して、今後の取組に活かしていきたい。
主な意見など
(1)宮崎で働く若者・女性の現状について
- 就業の面では、テレワークやスライド勤務(時差出勤)などの会社の制度で助かっていることが多い。産休・育休を経て、今も最前線で働く事ができていると感じる。家事も、夫と一緒にやっている。両親が近くにいるのも助かっている。困っていることは会社の人手不足で、日常で仕事のことを考える時間が多くなってきたと感じる。
- 仕事は早朝から夜まであり、業務上テレワークに向かず、シフト制である。子供が小学校に上がった時期に、シフトに入り続けるのが難しくなり退職を申し出たが、シフトを調整しながら働いてみてはどうかとの上司の提案や、職場の理解と協力により、今もそのまま働き続けられている。困っていることは、正月やお盆に仕事のとき、親などが近くにいないと預けられないこと。
- 幼稚園に勤務している。来年度に幼稚園から認定こども園に移行する計画だが、職員もまた子育て世代であり、開園日が増えることへの不安の声が多く上がっている。保育者が年休を取りやすいよう、国の配置基準よりも多く人員を雇っているが、人件費比率が高過ぎるところが経営上の課題。余剰人員に対する支援があるといいなと思う。
- 林業の現場に従事する女性は、県内で1割以下だと思う。会社にはIターン者で子供をもつ女性作業員が1名いるが、作業員は一度現場に出たら夕方まで戻らないため、夏休みで子供の預かり先がないとき、会社の事務所で私が預かったことがある。また、圧倒的に人手不足を感じる。特に県北は県南に比べて急斜面が多く、体力的な負荷が大きくて働きたくないという若者が割と多いため、就業者数は非常に少ない。
- パート勤務をしており、平日は夫が忙しいため、家事育児はほぼ一人で担っている。子供の急な発熱などの時にも夫や両親は頼れない状況であるが、職場の理解と協力で助かっている。病後児保育の制度もありがたい。反面、どうしても休めないときは、人手不足の問題を実感する。
- 小売業をやっており、週末が一番忙しいため、日曜祝日なども気軽に子供を預けられるところがあると助かる。また、子供の部活や習い事の送迎で下の子を抱えて行くこともあるが、体育館などは授乳室やおむつ台がないところが多い。現状の範囲でできる働き方しかできないと感じている。もっと子供の預け先や送迎などの支援があると、その分気軽に働けるようになると思う。
- 以前勤めた会社で産休育休を取ったが、復帰後の両立が難しく、退職した経験がある。その後の会社では、在宅勤務や、正社員からパートへの転換など、会社の制度に助けられた。現職は自分で仕事が調整できるが、その分仕事を家に持ち帰ったり土日出勤するなどしていて、自分の時間がなかなか取れないと感じている。
- 会社では従業員の約半数が女性で、女性支店長や管理職をどのように増やしていくかが課題。子供が小学校1年生の壁を越えて少し手が離れてくる頃、キャリア思考が高まって係長を目指す女性が増える傾向がある。社内に女性活躍推進の担当を置いたことで結婚退職者が減少した一方、都市部への憧れから県外へ転職する若者が増えてきている。キャリア形成支援のため、まずは就業継続ができる環境を整えることが重要だと思う。
- 東京からUターンしようと宮崎で転職活動をした際、フレックスタイムやリモートワークができる会社が少なく、残念だと思った記憶がある。農業界は個人事業主が多く、正社員よりアルバイトを求めるところが多い。農業のアルバイトは子育て中の人に合うと思う。急な休みや早退、単発や短時間でも問題ない。個人事業主が求人の際に活用できるプラットフォームなどを作ってもらえるとありがたい。
- 建設業も現場に出る女性はおそらく少ない。子供の発熱などのトラブルは会社にとって私が初めてで、会社と話し合いながら後の女性にとっても働きやすい環境づくりを進めている。一方でどうしても休めない日があるのは現場の責任者ならではの悩み。会社にも女性が増え、これからも増やしていく必要を感じており、女性職員の会で職場環境に関する意見をまとめるなどして、環境づくりに取り組んでいる。
(2)若者・女性にとって魅力ある働き方とは
- 各企業が、管理職や役員などの決定権を持つ女性を増やしていくことが必要だと思う。社会に出てジェンダーギャップやバイアスを感じると、若手や女性は自身が希望する働き方や将来のキャリアイメージが持てなくなるのではないか。各企業が魅力を高めることが、若手や女性が宮崎で就業を継続していくことへの近道だと思う。
- 企業はトップの考え方次第で変わると思う。男性が家事をすることへの認識をどれだけ持ってくれるかが、女性の活躍に関わると思う。「生み育てやすい県」からもう一歩踏み込み、男性が家事や仕事に理解を持ってくれる県として是非知事がアピールしてくれたら、男性の意識は変わるのではないかと思う。
- 女性だから、若者だからという考えで業務を割り振るのではなく、やる気に対して相応の仕事を任せてもらえると、その会社でのやりがいや、職場の魅力に繋がると思う。
- 保育の業界では、資格を持っているのに働きに出ていない潜在保育士が多い。保育の仕事の魅力を発信していくとともに、宮崎は子供が活き活き楽しく育つところだということを親世代に発信できるよう、保育に携わる者として一層努力していきたい。
知事総括
- 意見交換を通じて、若者や女性の現状や課題として見えてきた部分があった。様々な課題に対して、知事の立場、行政の立場でできることを精一杯やっていきたい。
- 企業の管理職やトップも含め、若者や女性の活躍促進に係る理解をさらに深め、県全体として働きやすい環境づくりへの機運が一層高まるよう取り組みを進めていきたい。
意見交換会の様子


