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県広報みやざき

【県政トピックス】未来へつなぐ!「高千穂郷・椎葉山地域」 「高千穂郷・椎葉山地域」 が世界農業遺産に認定されてから1年が経過しました。この地域では、森林からの恵みを生かして営まれるさまざまな農林業複合経営、そして、その共同作業を通じて養われた地域コミュニティが神楽などの伝統文化でさらに結束を強め、地域改善活動と森林の保全活動が循環的に実施されています。これからの活性化がますます期待される「高千穂郷・椎葉山地域」。今後の地元関係者の意気込みは!?

焼畑蕎麦苦楽部 代表 椎葉  勝さん

―認定の効果を実感することは?
 山を焼いて畑を作る伝統農法「焼き畑」の火入れを夏に行った際には、例年より多い120人が見物に来ました。他県からも多くの方々に来ていただき、終わった後の直来(なおらい)は盛り上がりましたね。
 今後はこのような動きを一過性のものにせず、さらに拡大する必要があると考えています。
―何か具体的なアイデアは?
 「焼き畑」で育てられたそば粉をブランド化し、付加価値を付けて販売したいですね。
 この「焼き畑」は、火を入れて畑を作った後3年間はヒエなどを栽培します。その後は20年ほど放置しますが、その間は農薬も化学肥料もまったく使わず、土地の力だけで回復を待つ農法なので、育った作物は安全で栄養があるのはもちろん、とてもおいしいですよ。
 今回、世界農業遺産に認定された効果を生かせば、この地域で作られる農作物への需要は高まると思います。
―何か課題は?
 後継者を増やすことですね。伝統を守るには後継者が必要ですし、このような取組は地域で楽しみながら進めなければいけません。しかし、地域の外に出て行く若者が多いので、困っているところです。
 そこで最近では、移住者を取り込めないかと考えています。私たちの地域には広島からの女性の移住者がいるのですが、彼女はこんな田舎の生活をとても楽しんでいます。
 これからは地域の人間と移住者とでワイワイ暮らせるよう、みんなで考えないといけませんね。


NPO法人「高千穂アカデミー」理事 板倉  哲男さん

―認定を活用した取組は?
 認定後の昨年9月、高千穂郷地域の旬の食材とその生産者の情報を一緒に届ける「高千穂郷食べる通信」を創刊しました。
 また、11月にはこの通信の購読者を対象としたツアーを実施したのですが、東京などからも御参加いただきました。牛舎や山腹の水路を見学するといったマニアックな内容だったのですが、皆さん大変興味深そうな様子でした。
―このような取組を考えたきっかけは?
 私は大阪出身で昨年、高千穂に移住しました。高千穂の風景を見たとき、自分の田舎に帰ってきたような安心感を覚えました。
 ですが、人口減少などの問題で自治体が消滅する可能性が指摘されています。そこで、どうすれば高千穂の風景を継承できるのかと考えました。そのためには、私のように血縁がなくとも高千穂を好きになってくれる人、つまりファンを増やすことだと思い、この取組を始めました。
―今後に向けては?
 この通信を通して全国に高千穂郷のファンを拡大し、多くの人に足を運んでもらい、地域の活性化につなげたいですね。
 通信では、この地域で活躍している生産者の物語はもちろん、高千穂郷の暮らしに魅せられて移住した人のお話も紹介しています。ぜひとも全国の皆さんにはこの通信を読んでいただき、また、実際にツアーなどで高千穂郷に何度も来てもらいたいと思います。そして、その中から移住者が出てくることを願っています。

「高千穂号 食べる通信」のHPはこちら←

世界農業遺産高千穂郷・椎葉山地域

未来への伝承
本ロゴデザインは5町村地域で伝承され日本神話が息づく象徴である「神楽」を中心としたデザインです。
中央に神事で使われる「紙垂(しで)」をモチーフにし、そのまわりに
「焼き畑による自然の還移」(オレンジ〜グリーン)
「整然と並ぶ茶畑」(グリーン)
「四季折々の棚田」(ブルー〜グリーン〜オレンジ)
「色とりどりのモザイク林」(色の重なりの濃淡)
を色と形で構成しています。
「神楽」を中心にそれぞれのモチーフを重ね合わせ地域の“繋がり”とそこで培われてきた“環境・風土・文化”がこれからも受け継がれてほしいという願いを込めています。




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