掲載開始日:2021年4月1日更新日:2021年4月1日

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茶業支場

研究方針

  1. 煎茶、釜炒り茶に関して、耐寒性、病害虫複合抵抗性品種の育成に取り組むとともに、半発酵茶や紅茶等の新香味茶やドリンク原料生産に対応する多収性品種の育成を進めます。
  2. 緑茶の需要拡大を図るため、有機栽培や輸出対応型の栽培技術の開発の他、市場ニーズの高いドリンク茶原料生産に対応した栽培技術の開発を進めます。また、省力化生産に対応した、茶栽培技術のスマート化を促進します。
  3. 市場価格が厳しい中、煎茶、釜炒り茶及び新香味茶の製茶技術や焙煎技術の研究開発を促進し、消費者ニーズに対応した儲かる製品づくりの研究開発を進めます。

最近の試験研究成果

1.「はると34」と「暖心37」の育成(育種部門)

近年茶価の低迷が続く中、より高品質で付加価値の高い品種の育成が求められているため、高価格取引が望める極早生品種「はると34」と病害虫に強く「やぶきた」に替わる有望品種「暖心37」を育成しました。「はると34」は2020年3月、「暖心37」は2021年1月に品種登録され、宮崎県の推奨品種に採用されています。

育種部門

2.有機栽培やスマート化に対応した栽培技術開発(栽培部門)

自動走行も可能なサイクロン式異物除去装置を用いて、茶害虫の耕種的防除に取り組んだ結果、カンザワハダニに対する防除率は、「成虫+幼虫」では平均66%、卵数では72%とある程度の効果が認められ、化学農薬を使わない場合の防除に対応できることが明らかとなりました。

栽培部門

3.消費拡大が期待できる製茶機械の開発(加工部門)

山間地で取組のある新香味茶(烏龍茶)生産は、省力化と品質安定性が課題であったことから、製茶機メーカーと共同で新たな機械(萎凋機)と製法を開発しました。開発した機械は現地に普及しており、経営向上に寄与しています。

加工部門

今後の研究

市場価格が低迷する中、茶業経営の安定化を図るため、市場ニーズの高い有機茶生産や差別化できる新商品(新技術)の開発促進、低コスト生産のためのスマート化への対応等、以下の事項に取り組みます。

  1. 消費者ニーズに対応した新香味茶やドリンク茶原料生産に対応した品種育成
  2. 安定的で高品質有機栽培及び輸出向け栽培技術の開発
  3. 新香味茶、釜炒り茶の高品質化に向けた栽培加工技術の開発
  4. 経営体強化のための焙煎技術やスマート農業の高度化

お問い合わせ

宮崎県総合農業試験場  

〒880-0212 宮崎県宮崎市佐土原町下那珂5805

ファクス:0983-27-1314

メールアドレス:sogonogyoshikenjo@pref.miyazaki.lg.jp