県広報みやざき

知事コラム こんにちは!河野です

文化をつなぐ

宮崎県知事 河野俊嗣(こうの しゅんじ) 宮崎県知事
河野 俊嗣(こうの しゅんじ)

今年、創立120周年を迎える県有施設があるのをご存じでしょうか?

それは「県立図書館」です。開館は明治35年(1902年)、この年は小村寿太郎外相が交渉を進めた日英同盟が締結されています。

当時、教育の普及発達を図るため教育行政官や教員等からなる「教育会」が各地で結成され、その附属図書館の多くが、その後の公共図書館の母体となりました。

本県では、明治31年に「日州教育会」附属図書館が設置され(現在の宮崎公立大学付近)、経営上の事情もあり、現在の県防災庁舎付近に移転した上で、建物と図書のすべてが県に寄付されることとなったのです。

県立図書館としての開館は明治35年5月28日。これは京都府、秋田県に次いで全国で3番目、九州では最も早い設置でした。教育関係者の情熱に支えられ、このような古い歴史を有する県立図書館が存在するということは、私たち県民が誇るべきもの。

また、館の歴史には宮崎を代表する文化人が深く関わっています。

本県出身の作家中村地平が図書館長を務めていた昭和26年には、中村館長の知人で、本県出身の画家塩月桃甫のデザインを用いた「館旗」とともに、中村館長と黒木清次作詞による全国的にも珍しい「館歌」が制定されました。そして、現在の名誉館長は、迢空賞をはじめ数々の賞に輝く歌人の伊藤一彦さんにお願いしています。

県立図書館では、この塩月桃甫のデザインをもとにした新しい貸出利用券の発行(9月下旬予定)や、6月に募集した「図書館」「本」をテーマとした短歌等のギャラリー展、県文化賞受賞者の尾崎真理子さんの講演など、120周年を記念した企画を実施しています。

本県では、子どもから大人まですべての県民が生涯にわたって読書に親しむ「読書県みやざき」を目指し、読書環境の整備や読書の振興に取り組んでいます。キャッチフレーズは「読んで広がる」。県立図書館の創立120周年にあたり、読書の大切さや、図書館の役割の重要性を改めて見つめ直す機会にしたいと考えています。

県内には他にも、国の特別史跡指定から70周年を迎える西都原古墳群など、先人から受け継いできた多くの文化資産があります。昨年の「国文祭・芸文祭みやざき2020」の開催は、こうした宮崎の文化資源の再発見をはじめ、地域や各種団体等との連携強化、新しい文化の創造など、数々の成果を挙げることができました。

この成果を将来につなぐため今年3月に制定した宮崎県文化振興条例の前文には、こう書かれています。「私たちは、先人たちから受け継いできた文化を次の世代へ継承し、及び発展させるとともに、新たな文化を創造し、もって県民一人ひとりが生き生きと暮らすことのできる活力ある宮崎県づくりにつなげていくことを決意し、この条例を制定する。」(一部省略して引用)

文化に触れ親しむ機会を通して、個性豊かで活力ある地域づくりを次の世代へとつなげていきましょう。

現在の県立図書館旗

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