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掲載開始日:2024年3月4日更新日:2024年3月4日

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令和5年度第2回入札・契約監視委員会の議事概要

開催日時

令和6年2月1日(木曜日)

13時30分から14時30分まで

会場

宮崎県庁防災庁舎73号室

出席委員

岩浦厚信委員(建築士)

落合雅子委員(税理士)

髙妻和寛委員(公認会計士)

鈴木祥広委員(宮崎大学工学部長)

土井裕子委員(建築士)

福山裕茂委員(宮崎県信用保証協会専務理事)

50音順、敬称省略

議題

  • (1)報告事項
    競争入札・契約結果の状況(令和5年度第1四半期・第2四半期)
    令和5年入札参加資格停止の運用状況
  • (2)審議事項
    建設工事及び業務委託(抽出事案)に係る入札・契約手続等について

意見等要旨

(1)報告事項について

競争入札・契約結果の状況(令和5年度第1四半期・第2四半期)

  • 委員からの意見等はなし。

(2)審議事項について

建設工事及び業務委託(抽出事案)に係る入札・契約手続等について

事案1[建設工事・随意契約]令和4年度緊急浚渫第5511-9--号秋元川外河道掘削・護岸補修工事【総務部西臼杵支庁土木課】

(A委員)契約金額が7,300万と大きい。随意契約によらなければならない理由、3者見積もりとなっているがその3者を選定した理由、随意契約の発注要件を伺いたい。

(県)随意契約に至る経緯及び発注要件について説明する。

当初は2件の工事それぞれについて、A等級の業者ということを要件として発注したところ、2件とも参加者がなく入札不調となった。このため2件の工事を併せて、特A級の業者を要件として、総合入札評価方式の特別簡易型で発注したが、これでも参加者がなく再び入札不調となった。

次に2件の工事を併せて、条件付一般競争入札で発注したがこれも入札不調となったため、地方自治法施行令の規定により随意契約で発注したものである。

見積もり依頼業者の選定については、一般競争入札時の入札参加資格として、土木一式工事で特A等級の業者を要件としていたことから、西臼杵支庁管内に主たる営業所・本店があり、土木一式工事で特A級の資格を有する3者を選定した。

契約の結果等については、令和5年7月7日に見積もり依頼を行い、令和5年7月18日に見積もり合わせを行なったところ、第1回見積もりは入札書比較価格を超過し、第2回見積もりについては、見積もり業者3者のうち、参加した業者は1者で、2者は辞退となった。この結果、入札参加した○○○が、入札書比較価格7,305万6000円に対し、7,300万円で落札したところである。

(A委員)質問内容に対する説明について理解した。

(B委員)災害等の多い箇所で、業者の選定も大変だと思うが、見積もり価格が予定価格を超過するということは、県の見積もりが甘かったということになるのか。

(県)今回発注した工事は10か所に点在しており、1か所で施工する工事と違って、非常に施工計画等に手間がかかり、重機運搬等の経費が余計にかかるということになる。業者はこういった点を踏まえて、高めに積算をしていると思われる。県の積算でも、標準歩掛を用いルールに則った積算をしており、施工箇所が点在していることも考慮して、諸経費を積算をしている。

事案2[建設工事・条件付一般競争入札(総合評価以外)]令和5年度安全施設第7号宮崎交通管制システム(上位装置)定数設定及び移行等工事(県警本部)

(B委員)参加者数が1者で、しかも落札率が98.83%となっている。

これは条件付一般競争入札の総合評価以外であるが、1者で高い落札率を考えると一般競争入札ではなく随意契約ではないかとも思う。県の説明で落札率が平均で93%台とあったが、98.83%は平均よりもずいぶんと高いため、なぜ○○○○が落札したのか、説明を求める。

(県)警察では、道路交通に関する情報の収集、分析、伝達並びに信号機の遠隔操作と警察官に対する交通規制に関する支援を一体的、有機的に行うために交通管制システムを整備し運用している。この交通管制システムは、信号機の制御などの中心的な役割を担う上位装置、信号機などの道路上に設置された端末装置、上位装置と端末装置の間にあって情報収集中継を行う下位装置で構成されている。

工事概要であるが交通管制システムの上位装置については、5年間の保守つき機器リース契約を行なっており、本年度、別途調達により更新を行う。この更新に伴い、新しい上位装置に対して、信号機等の各種設定や蓄積データの移行、新しい上位装置、古い上位装置の並行運転を行い、下位装置や今ある装置との接続試験により、その妥当性を確認することなどの事前準備を行い、新しい上位装置の運用を開始する、そこまでが工事の内容となっている。

入札参加資格については、交通管制システムの運用に支障をきたさない最低限の条件を検討し、資料にある入札公告を、宮崎県警察本部、入札参加資格審査会において審査、検討し決定している。

交通管制システムについては、全国で6者ほどが取り扱っていると承知しており、そのすべての事業者が入札に参加できると理解しているが、結果的には今年度は応札者が1者となっている。いくつかの事業者に参加しなかった理由について確認をしたところ、交通管制システムの仕様は、全国の警察で共通の仕様が使われてはいるものの、現行の上位装置あるいは、接続されている下位装置を含む周辺装置を、現在、宮崎県警に導入していないことから今回の参加を見送ったと聞いている。

現在、下位装置を含む周辺装置については、別途買い取りにより整備をしており、15年を耐用年数として使用している。今後、この下位装置は光回線などの広域回線の整備を進めていくことにより、数が減少していくことや、周辺装置については、更新の際に仕様書を見直しをするなど、入札参加者をふやすための方策を検討していきたいと考えている。

入札の経緯及び契約の結果のうち、予定価格については、宮崎県県土整備部の土木工事設計単価表や、物価紙等の刊行物製造メーカーからの見積もりをもとに、交通信号機及び交通管制システムの設置に係る単価表を作成し、この単価表をもとに数量等を積み上げて、設計価格として算出している。予定価格については、事前に公表することはないが、単価表については、情報開示請求により開示しているため、工事の公告資料と突合することにより予定価格を算出することは可能であると考えている。

(B委員)3月23日にも○○○○系列の△△△△が、入札者1者、落札率99.34%で下位装置の保守業務を落札しており、そのあと、同じ宮崎市で他の業者がと95%、87%で落札しており、○○○○に比べると落札率が低いようである。なぜ○○○○だけが落札率が高いのか、説明を求める。

(県)現状、交通管制システムの下位装置は○○○○ともう1者の合計2者が導入している。○○○○は自社の機械を持っており、上位装置と下位装置の接続試験の際、装置を持っている会社の方が接続試験をやりやすかったり、費用が発生しなかったりというメリットがあり、○○○○の方が落札をしやすい。

上位装置、交通管制システムを取り扱っている会社は、5年前は2者であったが、5年ごとに更新をしており、現在、○○○○以外に5者ある今回は、前回落札できなかったこともあり、現在の下位装置がほとんどこの○○○○のものとなっているので、5者については参加自体を検討しなかったと聞いている。

(B委員)以外に5者あることは理解した。そうであれば、条件付一般競争入札ではなくて、随意契約でよいのではないか。安全と秘密保持の問題を考慮すれば、一般競争より随意契約の方がいいと思うがいかがか。

(県)参加することを拒む理由はなく可能であることから、競争性を持たせるために一般競争入札とした。

(C委員)先ほど6者あるという説明であったが、これは全国で6者なのか、九州に営業所を持つ対象となる事業者が全部で6者ということか。

(県)全国で6者である。

事案3[業務委託・指名競争入札]令和4年度ダムメン第2-A--号立花ダム係船設備詳細設計業務(県土整備部西都土木事務所)

(A委員)

指名競争入札では、これまでの実績等に基づいて業者の選定がされたと思うが、入札2回目以降、10者中9者が辞退をしている原因と、落札者は1回目に最低制限価格以下で入札していたのに、2回目に予定価格に100%に近い形で落札した原因について説明を求める。

(県)

審議の対象となっている業務は、立花ダムの管理用の小型船舶の係船設備を整備するための詳細設計を行う業務となっている。

立花ダムは、2級河川一ツ瀬川水系三財川の上流域に位置する、県管理の多目的ダムである。業務委託料は1,870万円で、履行期間は本年の3月25日までとなっている。

立花ダムの管理用小型船舶について、現状では仮設のロープを用いて、ダムの本体に係留している状況であり、ダム管理用務のために、職員が乗船や下船をする際に、安全確保に支障が生じていることから、常設の係船設備を整備するための詳細設計を実施するものである。

指名業者を選定した考え方については、「県が発注する建設関連業務の契約に係る指名競争入札参加者の指名基準等に関する要領」に基づき設定し、予定価格が500万円以上であることから、指名業者数を10者とした。また、建設コンサルタント登録規程に基づく登録部門のうち、業務の内容に対応する「河川、砂防及び海岸、海洋部門」に登録を持つ者の中から、地理的条件や技術的適性などの指名基準をもとに、10者を選定したところである。以上が10者の選定理由となっている。

今回、指名した10者すべてが入札に参加したが、不落により落札者を決定できなかったことから、10者すべてに再入札通知書により、2回目の入札実施を通知したところ、うち9者が入札を辞退し、1者が入札した。入札の結果、落札価格は1,870万円で落札率は99.47%となった。

1回目の入札の不落の理由としては、予定価格超過が9件、最低制限価格未満が1件で、10件が無効札となったことによるものである。指名競争入札において入札2回目以降に落札業者以外の9者が辞退していることの原因については、2回目の入札において辞退した9者は、いずれも1回目の入札において、入札書比較価格超過となっており、その金額以下での受注は厳しいと判断し、2回目の入札を辞退したものと推測する。

次に、落札率が100%に近いことの原因については、2回目の入札における再入札通知書において、1回目の入札で入札書比較価格超過となった入札金額のうち、最低の入札金額が1,710万円であることを明らかにしているほか、2回目の入札において落札者となった者は、1回目の最低の入札金額や採算性を考慮して、2回目の入札に際し、入札金額を再検討した結果、入札書比較価格付近に設定したものと推測する。

(A委員)

10者のうちの9者については、予定価格以下では取る意欲がなく、再入札通知書で示された金額を参考に最低金額を出した業者は、取りたいという意思があったということで理解した。

(B委員)

10者の指名業者は全部県外関連の業者なのか。本県は海や山を多く抱えているが、「河川、砂防及び海岸・海洋」部門に登録している県内業者はないのか。

(県)

「河川、砂防及び海岸・海洋」部門の登録は171者あるが、今回のダムの係船設備というような特殊な設計についての実績を持っている者は17者で、これらはすべての県外業者である。

(C委員)

落札業者は1回目1,300万台で入札したが、2回目は1回目より高い1,870万円で落札した。1回目はどうして2回目よりも安い金額で積算し入札したのか。業者の積算で漏れていた内容があったのか。また、再入札通知書は、10者全員に通知するということでいいか。

(県)

再入札通知書は10者全員に通知している。ダムの係船設備の設計委託は、県外業者でも実績が少ないようで、積算に当たっては、標準歩掛が適用できないということで、歩掛の見積もりを取っている。今回、指名競争入札に参加した10者に事前に歩掛見積もりを行い、その見積もりの結果で、県の見積もりの要領に基づき歩掛を設定した。見積もりでの歩掛になっているため、一定程度は開示して公告しており、10者とも予定価格に近い金額を算定できる業務であり、その中でも落札者は落札意欲が高く、ぎりぎりを狙って入札したのではないかと推測する。

事案4[業務委託・指名競争競争入札]令和5年度地方創生道整備交付金(開設)立竹木調査委託業務西林・神陰線(2-2工区)(農政水産部東臼杵農林振興局森林土木課)

(B委員)

当該事業者の落札が多いという印象がある。令和5年4月1日から令和5年9月30日までの分で、軽く見積もっても15件ぐらい、○○○○○が落札している。○○○○○の本所は宮崎市にあるが、日向市近辺だけでなく、えびの市、串間市のエリアも、県下全域を落札し、落札率も高いという状況のようである。他の△△もある中、○○○○○が複数の業務委託を落札している理由について説明を求める。

(県)

当該業務委託の業務概要について説明する。当該委託業務は、造林や間伐などの森林施業に利用する林道、西林・神陰線を開設する工事において、必要となる林道敷や、林業作業用施設の用地内にある立木について、森林所有者に対し、補償を行なっており、その補償対象となる立竹木の補償額を算出する際に必要な、森林所有者ごとの樹種、本数及び胸高直径を調査する業務である。

当該業務委託では、本線0.53ヘクタール、林業作業用施設0.42ヘクタール、合計0.95ヘクタールの立竹木調査を行なった。次に、指名業者数と指名業者を選定した考え方について、入札参加者は、「県が発注する保安林調査業務の契約に係る指名競争入札の実施等に関する要領」に基づき選定を行なった。

また、指名基準にあるように、登録業種及び入札参加資格停止の有無については、「物品の買入れ等の契約に係る競争入札の参加資格、指名基準等に関する要綱」に規定する名簿の業種が、「役務の提供」に登録され、業務内容に「森林の調査測量等」があり、入札参加資格停止期間中でないもの11者を選定した。

次に、その対象業者の経営及び信用の状況を評価し、さらに管内業者育成のため、地理的条件等を勘案し、最終的に3者、○○○○○、△△△△△、□□□□□を選定した。指名通知は令和5年5月11日、開札は5月23日に行い、参加業者は当該3者で、辞退業者はなく、入札の結果、税込み198万円、落札率95.39%で、○○○○○が落札し、予定価格超過の業者が1者いたところであった。

最後に、本事案の抽出理由について説明する。まず、当業務を受託した○○○○○が、5月から6月における業務委託の指名競争入札において、15件と、複数の業務委託を落札している理由についてである。環境森林部の5月から6月における、県内全体の指名競争入札における業務委託は45件で、業務内容は、立竹木調査業務や測量設計委託業務などであった。

落札業者の内訳は○○○○○が15件、森林組合が14件、建設コンサルタント業者が14件、林業事業体が2件であり、○○○○○が受託した15件のうち、治山事業に関する業務が12件あるが、林道事業に関する業務は3件と少ない状況である。

次に、他に△△があるにもかかわらず、複数の業務受託をしている理由としては、1.入札参加資格である森林の調査測量等の有資格者数が、○○○○○には27名もいるということや、2.○○○○○の方で、この業務についてはある程度の件数については対応できると考え受託したものと推測している。なお、○○○○○の本所は宮崎市にあるが、支所が延岡市にあることを申し添える。

(B委員)

当該事業者の成り立ちを見ると県に近い組織と思い、そこが落札件数に影響しているのではないか、入札の公平性が保てないのではないか、と推測して選定の理由をお伺いした。

(県)

入札参加資格である森林の調査測量等の有資格者数が多く、技術もあるため、複数の工事件数であっても、しっかりとした対応が可能であると考えたことが理由と考えている。

書面審議(事案5から事案10)

【事案5】建設工事条件付一般競争入札(総合評価)令和4年度土砂国補第80-6-4-号国道268号浦之名工区(古宮田地区)法面工事(その3)(県土整備部高岡土木事務所)

【事案6】建設工事条件付一般競争入札(総合評価)令和4年度4道路災第541--1-号県道田代八重綾線道路災害復旧工事(県土整備部高岡土木事務所)

【事案7】建設工事条件付一般競争入札(総合評価)令和4年度県単補修第01-1--号国道268号ほか舗装路面応急補修工事(指定期間契約分・上半期)(県土整備部高岡土木事務所)

【事案8】建設工事条件付一般競争入札(総合評価以外)令和3年度経営体育成基盤整備事業祓川第1地区3工区(農政水産部西諸県農林振興局)

【事案9】建設工事条件付一般競争入札(総合評価以外)令和4年度地すべり防止事業中尾(農政水産部東臼杵農林振興局)

【事案10】業務委託条件付一般競争入札(総合評価以外)令和4年度防安交安第40-1-5-E号宮崎田野線鷺瀬工区物件等調査業務(県土整備部宮崎土木事務所)

書面により審議し、追加の質疑等はなし。

その他の意見等

(D委員)

今回の抽出事案に係る入札・契約手続きについて、不都合な、不適切な点はなかったと考えている。

競争入札・契約結果や各事案の説明を伺うと、落札率が少しずつだが上がってきている状況で、入札が不調に終わる件が散見される、という印象を受けた。やはり工事部門でも労働力不足が顕著となり、防災・減災への備えもあるし、実際の災害復旧対応もあるし、本県だけでなく全国どこでもこのような状況が増えているというイメージを持っている。結局、工事する方も手が回らないため、この金額ではもう入札できないというような傾向があり、入札不落→再入札→随意契約という過程の中で、落札率も自然と高くなってしまうのではないか。

それと併せて、入札する方の積算の技術力、精度が上がってきているというような話も、これまでの委員会では説明されている。以上の点から、今後落札率がだんだん上がっていく状況は否めない状況であろうと感じたところ。現在、落札率は、建設工事で93.8%となっているが、落札率の伸びの見込みというものがあれば教えていただきたい。

(県)

落札率の伸びの見込みは、解らない状況である。ただし、最低制限価格は少しずつ上げてきているところであるため、落札率も全体的に上がってきていると思う。不調、不落が続いている状況は、労働力が不足する中、業者としては、一定の利潤を得ないと、会社を維持できないという経営上の事情があり、金額を高めに設定する傾向にあると感じている。

(E委員)

当委員会は、公正な入札がされているかを審議することがミッションであるが、入札率が何をもって適正なのかが、非常に難しい課題と感じている。

(B委員)

入札が適正か公正かという点に関しては、まず選定業者が適正かどうか。さらに、応札する側の業者が談合していないかどうか、この2点しかないと思う。今回、選定業者が適正かどうかという点を中心に審査したが、この点は問題が無いと判断した。

(E委員)

これからも災害はあり、まだ復旧もしなければならないところがあるが、引き続き適正な入札及び契約の手続きに努められることをお願いして、本日の委員会は以上とする。

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