第29回九州衛生環境技術協議会(平成15年10月9日、那覇市)
山本雄三
2001年10月、宮崎県下の養豚農家にて、同腹の子豚8頭が相次いで死亡する事件が発生した。死亡した子豚の皮下組織、肝臓等全身組織に広汎な出血性病変が認められ、殺鼠剤による中毒が疑われた。
このため、抗凝固剤系殺鼠剤であるワルファリンとクマテトラリルの同時分析法として、LC/MSによる測定条件を設定し、固相抽出カートリッジによる精製条件を検討した。迅速で高感度な分析法を確立することができた。
この方法を用いて、凝固剤系殺鼠剤中毒を疑われた本事例の子豚の大腿筋および肝臓中についてワルファリンとクマテトラリルの検出を試みたが、いずれの検体からも検出されなかった。