宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ
NHK連続テレビ小説「わかば」のヒロイン、原田夏希に聞く

どんげ?
この秋スタートしたNHK連続テレビ小説『わかば』。父の志を受け継ぎ、造園家として懸命に生きるヒロイン・高原若葉を描いたこの物語は、日南市飫肥と神戸市が主な舞台になっており、去る6月には宮崎ロケが行われた。若葉役を演じるのは、今年20歳になったばかりの女優・原田夏希さん。その原田さんに宮崎ロケでの思い出、ドラマにかける思いなどを語ってもらった。

飫肥のたたずまいが印象的

宮崎でのロケが6月上旬から中旬にかけて行われました。宮崎に来られたのは初めてでしたか?

原田:4月にドラマの記者会見で訪れたのが最初です。私は静岡県生まれですが、周りの方から「宮崎は静岡と似て自然が豊かで、気候が温暖なところだよ」と聞いて、行くのを楽しみにしていました。

実際の宮崎は、どんな印象でしたか?

原田:空港に着いて外に出た瞬間、椰子の木が並んでいる風景がパッと目に入って、いかにも南国!という印象でした。周りに看板がない風景も新鮮でした。

ロケの中で印象に残った風景はありますか?

原田:最初のロケ地だったということもありますが、飫肥のたたずまいが特に印象的でした。お城の石段を昇ったところに飫肥杉がたくさん並んでいて、風が吹くたびに木がザワザワと音を立てて、おしゃべりをしているようでした。それから海の風景も印象に残っています。堀切峠に続く海沿いの道をスクーターで走るシーンの撮影では、青い空と海がとっても心地よくて、ついスピードが上がってしまいました(笑)。

「完熟マンゴー」に感激

宮崎の名物料理などは食べられましたか?

原田:冷や汁と飫肥の天ぷらをいただきました。冷や汁はさっぱりとしていて、私の好みですね。夏バテによい食べ物のようなので、また食べたいと思います。

ロケ中には、安藤知事から「完熟マンゴー」の差し入れがあったそうですね。

原田:今までマンゴー味のアイスやガムは食べたことがありましたけど、マンゴーそのものは食べたことはなかったんです。初めてマンゴーをいただいて、感動するくらいおいしかったです。あの味は忘れられません(笑)。

ドラマについてお聞きします。2000人近いオーデションの中からヒロインに選ばれて、どんな心境だったのでしょう?

原田:初めは夢の中にいるようで、あまり実感がなかったのですが、撮影が進むにつれ、スタッフや他の出演者の方をはじめ、ロケに参加してくださる宮崎や神戸の方々など、大勢の人たちによってドラマが成り立っていることを肌で感じ、自覚が出てきたというか、自分もその一人として頑張らなければと思うようになりました。

信じることの大切さを学んだ

ヒロインの「わかば」は、大学のチアリーディング部主将という設定ですね。

原田:チアリーディングは人を担ぎ上げたり、落ちてくる人を受け止めたりと仲間との信頼関係がとても大事です。チアの練習を通じて、仲間を信頼し、一つになって何かを作り上げていくことの大切さを学びました。そういう点は、ドラマづくりも同じだと思います。

撮影で苦労した点などはありましたか?

原田:最初戸惑ったのが、方言の話し方です。ドラマでは主に神戸言葉を使うのですが、アクセントやイントネーションが難しくて、方言指導の先生にはいろいろ指導を受けました。

宮崎弁を使うシーンもあるのですか?

原田:あります。今まで宮崎の言葉ってどんなものなのか知らなかったのですが、とても優しくて、かわいい感じがしますね。「○○ね〜」「いっちゃが〜」「じゃ〜じゃ〜」とか。ドラマでは重要なシーンで宮崎言葉を使いますので、楽しみにしていてください。

本誌が発行される頃は、ドラマの放送が始まっています。最後に宮崎の方にメッセージを。

原田:宮崎の方には、初めて伺った時から、温かく迎えてくださって、本当に感謝しています。ロケを通じて宮崎の豊かな自然に触れ、おいしい食べ物に出会い、住みたいと思うくらい宮崎のファンになりました。撮影の合間にスーパーに買い物に行ったとき、地元の方から「頑張ってね」と声をかけていただきましたが、そんな優しく温かいところも大好きです。ドラマでは、主人公のわかばが、周りの人たちに支えられながら少しずつ成長していく姿を見ていただきたいと思います。どんなときも笑顔で、元気に頑張るわかばの姿を見て、皆さんも元気になっていただければうれしいです。

はらだなつき
1984年7月7日、静岡県生まれ。2000年映画『ココニイルコト』でデビュー後、主に映画、CМで活躍。2004年NHK連続テレビ小説『わかば』のヒロイン役に1,913名の応募者の中から選ばれる。現在、大学二年生。