宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ
海幸山幸うまいもの

取材協力
Restaurant SORA
宮崎市橘通西3丁目10番36号
原ビル3F
TEL 0985-20-8636

自然の風味豊かな春の素材を楽しむ。

◆春野菜の甘みを生かしたシンプルなフリット

春野菜のフリット

野山の新緑が日々に深まる季節になると、香味も若々しい春野菜や山菜が市場に出回りはじめる。春野菜ならではの、ほんのりとした甘みや、山菜の奥行きのある風味が、食卓に華やかさを添えてくれる季節だ。

今回は、そんな春の恵みをシンプルにイタリア風の天ぷらともいえるフリットにしてみた。山菜ではフキノトウとタラの芽。野菜は香ばしい風味が特徴の新ゴボウや、日本一早い収穫で全国にも知られている“空飛ぶ新玉ねぎ”。ほかにホワイトアスパラ、グリーンアスパラ、芽キャベツ、ヤングコーンと、すべて地元産のもの。野菜王国・宮崎らしい一皿だ。

フリットは、衣を水でなくビールで溶くのが特徴。ビールのかすかな苦みが素材の甘みを引き出し、おかずにもおつまみにも向く。味付けは天ぷらと同様、塩のみでもおいしい。家庭料理のメニューに加えてみてはいかが。

◆車エビの天ぷら・アジアンソース

車エビの天ぷら・アジアンソース

旬のクルマエビのうまみを衣にカリッととじこめて。
年中おいしいクルマエビだが、産卵前で身の引き締まる春のものは、見た目の華やかさも加わって格別に賞味される。火を入れすぎずにカリッと揚げると衣が旨みを封じ込め、豊かな香りと甘みが口の中で一気に広がる。

◆マテ貝の白ワイン炊き

マテ貝の白ワイン炊き

歯ごたえのある食感とうまみ。海のエキスを白ワイン風味で。
潮干狩りの記憶も懐かしいマテ貝は、淡泊そうに見える身に濃厚な海のエキスがたっぷり。塩、バター、白ワインで炊き上げてみた。バジルやミントで味にアクセントを添えて。

◆太刀魚の二種造り

太刀魚の二種造り

皮に焼き目を入れる焼き切りと糸造りで繊細な味わいをいただく。
脂がのってさらにおいしくなる春の太刀魚。刺身の皮に少し焼き目を入れる「焼き切り」はもともと漁師料理だが、歯ごたえがやさしくなり、身と皮の間のうまみがじんわりと広がる。一手間かけた糸造りもおいしい。

◆タラと春野菜のテリーヌ

タラと春野菜のテリーヌ

桜のジュレをまとった旬の素材。華やかな彩りの前菜。
淡白な味わいのタラのムースを、パプリカやアスパラガスと合わせ、春らしいテリーヌに仕立てた。周囲に咲くピンクのジュレ(ゼリー)は、桜のリキュールを使ったもの。テリーヌと一緒にいただくとデザートのような味わいに。

◆生ハムと孟宗竹のリゾット

生ハムと孟宗竹のリゾット

筍とチーズの意外な組み合わせ。焼いた生ハムとともに。
お湯のみでアク抜きしたたけのこは、コーンのような風味になるので、そのまま賽の目切りにしリゾットに。チーズの塩分が上品な味わいを引き出す。焼いた生ハムの香ばしさといっしょに。