宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

Jajaバックナンバー

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都農(つの)ワイナリー●都農町

世界が認めたワイン

地域一体のぶどう作りが育てる世界が認めたワイン

イギリスのワイン百科「ワインリポート 2004」で、都農ワイナリーのキャンベル・アーリー(ロゼ)が、「世界のワイン百選」および「アジアでもっともお買い得なワイン」に選ばれたことは、ワインの世界の常識を覆(くつがえ)す出来事だった。技術担当の赤尾誠二さんは言う。
「都農は雨が多くて寒暖差が少なく、ぶどうの収穫期には台風もやってきます。土もやせている。おそらくワイン作りには、日本一悪い条件なのではないでしょうか」

世界的に知られるワイン百科「ワインリポート2007」で、都農ワインのキャンベル・アーリースパークリングが「世界のもっともエキサイティングな100のワイン」に選出。2004年版ではキャンベル・アーリーが「世界のワイン百選」に選ばれている。

果樹栽培そのものが不可能と言われていた都農で、終戦直後、初めてぶどう栽培を始めた先駆者、永友百二氏は当初、「田んぼに木を植えるとは」とあきれられたという。そんな土地で出来たマスカット・ベリーAやキャンベル・アーリーといった食用ぶどうを使って、96年の創業から8年足らずのワイナリーが作ったワインが、世界の一級品として認められた。その理由はどこにあったのだろうか。

「第一には、素晴らしいぶどうを作っていただいていること。都農町は町をあげて家畜から作る有機肥料を土に返す、循環型農業に取り組んでいて、生産者の方の情熱もすごいものがあります。それが、ワインの品質にそのまま現れていると思います。」

工場長の小畑暁さんと技術担当の赤尾誠二さん
写真左)工場長の小畑暁さん(右)と技術担当の赤尾誠二さん(左)。創業時からコンビを組み、都農ワインを世界的なブランドに育て上げてきた。「あらゆる意味で地元密着のワイナリーでありたい」と語る。
写真右) 都農ワイナリーは、日向灘を見おろす高台にある。

創業時から工場長を務める小畑暁さんに、都農ワイナリーの代表銘柄を聞いてみた。
「やはり、キャンベル・アーリーですね。われわれはこのぶどうで育てられてきましたし、地元の人たちの愛着も深い品種です。ワインの品質を磨いていくことはもちろんですが、キャンベルを使った蒸留酒を造ることがひとつの夢でもあります。何十年と熟成することができる、『永遠のキャンベル』をぜひ作ってみたいですね」

ベーコンやソーセージなども販売
売店では県産豚を使ったベーコンやソーセージなども販売。併設のカフェでも食べられる。

都農ワイナリー
有限会社都農ワイン
児湯郡都農町大字川北14609-20
TEL 0983-25-5501