宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

Jajaバックナンバー

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杜(もり)の麦酒工房/酒泉(しゅせん)の杜(もり)●綾町

天然水で作る深く軽やかなビール

綾川湧水群の天然水で作る深く、軽やかなビール

「綾の地ビール」を醸造する杜の麦酒(ビール)工房は、綾町・酒泉の杜の敷地内にある。
全国でも珍しいお酒のテーマパークとして平成元年にオープンした酒泉の杜は、雲海酒造の焼酎蔵、清酒蔵、ワイナリー、ビール醸造所が集まっているほか、綾町の伝統工芸、特産品売店や温泉施設などもあり、多くの観光客が訪れている。

国内最大の照葉樹の森から湧き出す、綾川湧水群(日本名水百選に選定)の天然水を仕込み水に利用して、この地でビール作りが始まったのは平成8年。現在、ケルシュタイプ、アルトタイプ、黒ビール、ブルーベリー(発泡酒)の4種を生産している。

全員がソムリエ協会の資格を持つ製造スタッフは、ワイン醸造と兼務。「お代わりのできる飲みやすいビール」をテーマに、地ビールらしい深い味わいとともに、暑い宮崎で飲まれることを考えて、喉越しの爽快感も重視したビールを作っている。

試飲と醸造釜
写真左)できたばかりのビールを試飲。遠心分離濾過方式を採用することで、酵母を少し残してあり、それが味わいの深さにつながっている。
写真右)ビールの仕込みを行う醸造釜。杜の麦酒工房では、ケルシュ、アルトといったドイツビールに学んだ技術で出荷している。

「立ち上げ当初から、ドイツの地ビール工場を視察したりしながら、宮崎にふさわしいビールはどんなものだろうと模索してきました。素材や製法の特徴を前面に出した、個性が際だつビールこそが地ビール、飲みやすさは市販のビールで味わえるという考え方もあるのですが、それを両立することができれば、究極の宮崎ビールになると思います。やはり、すかっと飲めるものでありたいですから」(副工場長の福田清治さん)。

特徴のひとつである遠心分離濾過は、酵母をあえて少し残す方式のため、ビールは完全に透明ではないが、飲み口は軽やか。深みのある味わいを残しながら、重くなりすぎない絶妙のバランスが、「綾の地ビール」の特徴といえそうだ。

お酒のテーマパーク「酒泉の杜」
杜の麦酒工房は、お酒のテーマパーク「酒泉の杜」の一角にある。

杜の麦酒工房(酒泉の杜内)
杜の麦酒工房(酒泉の杜内)
東諸県郡綾町大字南俣1800-19
TEL 0985-77-2222