宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

Jajaバックナンバー

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綾ワイナリー/酒泉(しゅせん)の杜(もり)●綾町

低温発酵が醸し出すフレッシュでフルーティな味わい

日本最南端のワイナリーである綾ワイナリーは、本格焼酎メーカー雲海酒造によって1994年に設立された、南九州におけるワイン作りのパイオニアのひとつでもある。綾町で以前から栽培されていた、ブラックオリンピアを皮切りに、キャンベル・アーリー、デラウェア、ナイヤガラなどの国産ぶどうを使用し、現在、7種の「綾ワイン」を醸造。2003年から始まった「国産ワインコンクール」でも、毎年、上位入賞を果たすなど、その品質は高く評価されている。

副工場長の福田さん
副工場長の福田さん。製造スタッフの6名全てが、日本ソムリエ協会のワインアドバイザーの資格を持ち、幅広い視野からワイン作りに取り組む。

立ち上げ当初、焼酎王国・宮崎で受け入れられるワインを作るためには、何をめざすべきなのか模索する中で、ドイツの白ワインとの出会いがヒントになったという。副工場長の福田清治さんに聞く。
「ワインというと『渋い、酸っぱい』と言われた時代。たまたま飲んだ、あるドイツワインに、これだと思いました。甘口で、飲みやすいのに、ワイン通をもうならせる深み。それが、今でも続く綾ワインのコンセプトになっています」

生食用のぶどうがもつ、フレッシュでフルーティな味わいを生かすために、低温発酵の技術を導入。通常は約15度の温度で、1週間で終える発酵を、9度で3週間かけて行うという日本酒の吟醸酒にも似た手法で、独自の風味を生み出した。
「綾ワインは、肩肘張らずに楽しめる親しみやすさと、深い奥行きを兼ね備えた味わいが目標です。私共のワインで、一人でも多くの方が、ワインの世界の楽しみを知っていただければ幸せですね」

巨峰ワインとおでん
「巨峰ワインはおでんにも合いますよ」との福田さんの言葉通り、おでんのだしの味わいと繊細なワインの風味がよくマッチする。

綾ワイナリー(酒泉の杜内)
綾ワイナリー(酒泉の杜内)
東諸県郡綾町大字南俣1800-19
TEL 0985-77-2222