宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

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ひでじビール●延岡市

ひでじビール

行縢(むかばき)山の天然水と自家酵母で醸す、
味わい深い無濾過ビール

きつねやもぐら、むささびなどの動物を配したユニークなラベルで知られる、ひでじビールは、延岡市行縢山の麓にある。花崗岩(かこうがん)から湧き出す良質な天然水を求めて、96年、この地に設立。味わいを深める無濾過製法にこだわりながらビール作りに取り組み、現在、年間約80キロリットルを出荷している。

2006年7月からは、ビールの命ともいえる酵母を自家培養酵母に切り替えた。自家培養は技術的にむずかしいこともあって、国内の地ビールではひでじビールを含めて2箇所のみ。これによって、味わいも変わったという。日本地ビール協会・ビアテイスタージャッジの資格を持つ、同社の永野時彦さんに聞いてみた。

「これまでは、冷蔵された秋田県の酵母を使っていたのですが、この場合、常温に戻した時に、すべての酵母が最良の状態で、均一の働きをしてくれないことがあることがわかりました。今は、自社で厳密に管理して培養しますので、酵母本来の働きを理想的な形で引き出すことができます。味わいで一番変わったのは、キレ、香り、後味ですね。すっきり感や清涼感が強まり、風味もましていると思います」

梶川悟史さんと片伯部智之さん
写真左)品質管理責任者の梶川悟史さん(右)と醸造責任者の片伯部智之さん(左)。
写真右)麦芽は、ビールごとに種類や焙煎の深さが使い分けられている。

この結果、初出品したiTQi(国際食品審査会)では「きつね」「もぐら」が優秀味覚賞を受賞。全国酒類コンクールの地ビールコンテストでも「きつね」が10位、「むささび」が8位と好成績を収めている。
「無濾過ビールですので、少し濁りが見えますが、これは酵母が生きている証拠。行縢の自然から生まれた、ビール本来の味わいを楽しんでいただければと思います」

左から、もぐら、むささび、きつね、いのしし
左から、もぐら、むささび、きつね、いのしし。銘柄の名前は、行縢山に生息する動物からとり、それぞれの味をイメージしている

ひでじビール醸造所
ひでじビール醸造所
延岡市むかばき町747-56
TEL 0982-39-0090