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県広報みやざき


 こんにちは!河野です
 昨年12月15日、「高千穂郷・椎葉山地域」が世界農業遺産に認定されました。
 世界農業遺産とは、何世代にもわたり継承されてきた伝統的な農業や、それにより育まれた文化、景観、生物多様性の保存・継承を目的に、国連食糧農業機関(FAO)が認定するもの。
 イタリア・ローマのFAO本部で行われた最終審査には、私も参加。和服の第一礼装である「紋付羽織袴」を着てプレゼンに臨み、五ヶ瀬中等教育学校6年生(=高校3年生)の宮嵜麻由香さんと一緒に、地域の魅力や価値をアピール。2人合わせて15分間のプレゼンと、その後の委員との質疑応答は、全て英語で行われました。
 本番直前に握手すると、宮嵜さんの手は汗びっしょり。それでも、「ひなた」のような笑顔で、〈本番が一番の出来だった〉という元気あふれるプレゼン。審査員の心をグッとつかみ、見事に大役を果たしてくれました。審査結果は、全会一致で認定です。
 平地が少なく、険しい山間地の広がるこの地域では、針葉樹と広葉樹がパッチワーク状に広がる「モザイク林」による森林管理や、わが国唯一の焼畑農業、500km超の水路網を有する急斜面の棚田、肉用牛生産、茶栽培など、複合的な農林業が行われています。それを支える地域コミュニティや、その団結を高める神楽など特色ある伝統文化とともに、次世代へ継承する取組が評価されました。
 また、豊かな森林資源を活用して地域づくりを進める「フォレストピア構想」を掲げ、全国初の公立中高一貫教育校として五ヶ瀬中等教育学校を設立し、次代を担う人づくりに取り組んでいる点も高く評価されました。委員からは、宮嵜さんのような意欲ある若者が育っていること自体、この地域の優れた取組を証明するものと絶賛されました。
 今回の認定は、過疎化や高齢化に直面する地域に自信や誇りをもたらし、将来への希望となるもの。さらに、農林産物のブランド化や、地域イメージの向上による観光交流人口の増加など、地域の活性化につながることも期待されます。さらに、県内の他の地域における農林業や地域づくりにも、大いに元気をいただきました。
 こうした知恵や先見性に富む取組を全国に先駆けて実施し、継承してきた先人のご努力に深く敬意を表し、関係の皆さまに心からのお祝いと感謝を申し上げます。
 この認定はゴールではなく、新たなスタートです。世界農業遺産は未来を見据えたプロジェクト。世界的に価値が認められた取組の保存・継承や、その利活用に努めるとともに、この地域の知識・経験を生かして、世界の山間地域における農林業の持続的な発展のため貢献していきたいと考えています。

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