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県広報みやざき


知事コラム こんにちは!河野です 宮崎県庁の本館が、 築80周年を迎えました。 竣工は昭和7年10月14日。九州では現存する唯一の戦前の県庁舎。全国でも4番目に古い県庁舎は、貴重な「近代の文化遺産」です。
 近世ゴシック様式の建物は、ヨーロッパ城館建築の重厚さと教会建築の荘厳さをあわせ持つもの。その正面は、いわば宮崎県の顔。各県ごとに発行された地方自治法施行60周年記念硬貨のデザインにも採用されました。
 堅牢な作りの建物は耐震性も確保され、地盤強化のため、生松丸太4886本が基礎として打ち込まれています。また、水害の恐れがないよう敷地が選ばれました。
 本体の事業費は70万2000円。県の年間予算が780万円の当時、水力発電事業からの財源が活用されています。工事には延べ7万2500人が従事。同年に竣工した橘橋と併せ、景気対策としての位置づけもなされていました。建設に要した資材、砂利、木材、大理石などは、県内産が使用されています。
 その例外が、 地階から1階の窓にかけて建物の土台を取り巻く石材。その数1万4130個。ほんのり桜色のみかげ石は、当時建設中の国会議事堂に使われたことから、「議院石」と呼ばれています。驚いたことに、産出地は広島県呉市倉橋島。私の生まれ故郷です。
 倉橋島の海辺に祖父が建てた家は、海水浴に釣りにと、私にとって夏休みの遊び場。その島から切り出した石が、宮崎県庁の土台を支えていたとは! 実に不思議な縁。宮崎県と自分とが赤い糸でつながっていたような思いがして、うれしくなりました。
 県では、10月5日(金)から14日(日)までの10日間、県庁本館2階講堂にて「80周年記念展」を開催。 120枚の写真や設計図、施工記念品など、約200点の資料で県政80年の歩みを振り返ります。かつて議場だった講堂を見学するチャンス。戦災を免れ、前知事のときには年間40万人を超す観光スポットとなった歴史の証人。皆さん一人ひとりの思い出と重ね合わせながらご覧ください。
 来年は、1883年に宮崎県が再置(鹿児島から分県)されてから130年。今年の古事記編さん1300年といい、宮崎県は大きな節目のときを迎えています。今こそ、来し方を振り返り、県の将来に思いを馳せるとき。 〈温故知新〉です。

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