新型コロナウイルス感染症の経口治療薬(ゾコーバ)について
ゾコーバは、令和4年11月22日に新型コロナウイルス感染症の治療薬として緊急承認されました。承認後は安定的な供給が難しいことから、厚生労働省が所有した上で、配分が行われてきました。
今般、安定的な供給が可能となったことから、令和5年3月8日の中央社会保険医療協議会総会の承認を得て、ゾコーバが薬価収載されることとなりました。
今後の流通については、追ってお知らせするとされています。
現時点では、ゾコーバ登録センターに登録いただき、配分を受ける必要があります。(県では配分は行っておりません。)
- ゾコーバは、妊娠又は妊娠している可能性のある女性についても、同様に使用できません。
先般、塩野義製薬株式会社から厚生労働省に対して、「投与後に妊娠していることが判明した症例」の報告がなされました。これを受けて、厚生労働省から令和5年1月20日付けで事務連絡が発出されています。
- また、令和5年2月24日付けで事務連絡が発出され、「引き続き製造販売業者が周知している「妊娠している女性、妊娠している可能性のある女性、又は妊娠する可能性のある女性への投与に関するお願い」の別紙(ゾコーバ錠125mgを服用する際の事前チェックリスト」)を処方前に必ず確認するよう求められています。
ゾコーバの処方を行う医療機関におかれては、患者が「妊娠していない」又は「妊娠している可能性がない」ことを入念に御確認ください。
ゾコーバ(一般名:エンシトレルビルフマル酸)について
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5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
過敏症 |
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発疹 |
そう痒 |
消化器 |
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悪心、嘔吐、下痢、
腹部不快感 |
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精神神経系 |
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頭痛 |
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代謝 |
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脂質異常症 |
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その他 |
HDLコレステロール低下(16.6%) |
トリグリセリド上昇、ビリルビン上昇、
血中コレステロール低下 |
血清鉄上昇 |
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(「抗ウイルス薬等の対象と開始のタイミング」より抜粋)
- 一般に、重症化リスク因子のない軽症例の多くは自然に改善することを念頭に、対症療法で経過を見ることができることから、エンシトレルビル等、重症化リスク因子のない軽症~中等症の患者に投与可能な症状を軽減する効果のある抗ウイルス薬については、症状を考慮した上で投与を判断すべきである。
(抗ウイルス薬<エンシトレルビルフマル酸(商品名:ゾコーバ錠)>より抜粋)
- 本剤は、COVID-19の5つの症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳の呼吸器症状、熱っぽさまたは発熱、倦怠感(疲労感))への効果が検討された臨床試験における成績等を踏まえ、高熱・強い咳症状・強い咽頭痛などの臨床症状がある者に処方を検討すること。また、本剤の処方の対象者に関しては、今後の臨床試験等の結果も踏まえた検討が必要となる。
- 重症度の高いCOVID-19患者に対する有効性は確立していない。なお、重症度が高いとは、概ね中等症2以上が該当すると考えられる。
- 「3.抗ウイルス薬等の対象と開始のタイミング」の項(p.2)にも記載している通り、一般に、重症化リスク因子のない軽症例では薬物治療は慎重に判断すべきということに留意して使用すること。本剤においては、重症化リスク因子のある軽症例に対して、重症化抑制効果を裏付けるデータは得られていない。
- 本剤の有効性は症状発現から3日目までに投与開始された患者において推定されており、SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから遅くとも72時間以内に初回投与すること。
- ゾコーバの処方は、PCR、抗原検査などによりCOVID-19の確定診断がなされている必要があります。
「ゾコーバ登録センター」への登録について
- ゾコーバの配分を受けるためには「登録センター」に登録する必要があり、当該センターに登録するためには、県に申請を行う必要があります。
- 必ず添付文書、厚生労働省の事務連絡等ご確認いただき、その上で、申請くださいますようよろしくお願いします。
- ゾコーバの添付文書は以下のリンクから御確認ください。
ゾコーバ(添付文書)(塩野義製薬株式会社ホームページ)
ゾコーバの配分を受けるための要件等
1.対象医療機関
- 承認直後から2週間程度は原則、「パキロビッドパック」の処方実績のある医療機関・薬局に限定されていました。
- 令和4年12月15日以降は、「院内処方・院外処方ともに、特段の要件を設けず、都道府県が選定した医療機関、薬局で処方可能」とされました。
2.投与に係る費用
- 薬剤費の患者負担はありません。薬剤以外の医療費(医療機関では、初・再診料、処方料、処方箋料等、薬局では調剤基本料、調剤料、薬剤服用歴管理指導料等)については保険請求することができます。
3.在庫配置について
【医療機関の場合】
- 厚生労働省から本県において、1医療機関当たりの在庫配置可能数を40人分とした場合、在庫配置可能な医療機関数は240と示されました。
- 在庫配置せず、院内処方する場合は、「都度発注」での対応になります。都度発注で対応する医療機関の数に制限はありません。
- ゾコーバは1箱に4人分(28錠)が入っており、1人分を配分依頼した場合でも、1箱(4人分)が配送され、1人分を使用した後に残った3人分の薬剤は保有して、次の投与対象者が受診した際に投与することができます。4人分を投与し、登録センターへの使用実績の登録が終了したところで、次の発注が可能となることを踏まえ、在庫配置を御検討ください。
【薬局の場合】
- 厚生労働省から、1薬局当たりの在庫配置可能数を40人分とした場合、ゾコーバを取扱う薬局数は480とされました。現時点では、480の薬局を登録する方針としておりますが、より多くのゾコーバを取扱う薬局を登録する必要が生じた際には、当該事務連絡に記載されているように、在庫可能上限数を20人分とし、960の薬局を登録可能にするなどの対応をとることが考えられますので、御了承ください。
- なお、ゾコーバは1箱に4人分(28錠)が入っており、1人分を配分依頼した場合でも、1箱(4人分)が配送されることから、過剰な在庫や、必要以上の配分依頼は控えていただきますようよろしくお願いいたします。
県への申請

- ゾコーバ錠の配分を受けるためには、事前に県に必要事項を提出する必要があります。各施設から県に提出いただいたリストを取りまとめ、県が国(厚生労働省)に提出します。
- 県から国(厚生労働省)にリストを提出した後、登録センターへの登録に係る情報は、塩野義製薬株式会社側から各施設に案内があります。その後、登録センターから投与対象者ごとに発注ください。
- 厚生労働省の受付締切が、毎週月曜日及び木曜日(祝日となる場合は翌開庁日)の17時とされています。
- 県に申請いただいた後、塩野義製薬株式会社からお知らせが来るまでに時間がかかることがあります。

- 登録に係る手続きは、以下申請フォームから行ってください。
(注意)これまでゾコーバを取り扱っていた医療機関・薬局が取り扱いを取りやめる場合、在庫配置していた医療機関が在庫配置を止め都度発注対応に変更する場合などは県薬務対策課宛て御相談ください。
申請フォーム(宮崎県内の医療機関、薬局のみ)
(注意1)宮崎県外の医療機関からの申請が散見されます。上の申請フォームでは、宮崎県内の医療機関又は薬局からの申請のみ受け付けています。県外の医療機関又は薬局におかれましては、医療機関又は薬局の所在する都道府県の窓口にお問い合わせください。
(注意2)医療機関コードは10桁の数字で構成されるものです。本県の医療機関では「451」から始まる番号になります。また、保険薬局コードも10桁の数字で構成されています。本県の薬局では「454」から始まる番号です。
ゾコーバ対応医療機関・薬局
本県のゾコーバ対応医療機関及び薬局のリストは次のとおりです。
関連通知等