掲載開始日:2008年2月1日更新日:2008年2月1日
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この指針は、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成12年法律第104号。以下「法」という。)第4条第1項に基づき、県内における特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等(以下「特定建設資材の分別解体及び再資源化」という。)の促進等に関し、同法第3条第1項に基づき国が定めた「特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等の促進等に関する基本方針」(以下「国の基本方針」という。)に定めるもののほか、必要な事項を定め、本県の建設工事における資源の有効な利用の確保及び建設資材廃棄物の適正な処理を図るものである。
なお、本指針で使用する用語の定義については、法第2条の規定によるものとする。
循環型社会形成推進基本法(平成12年法律第110号)における基本的な考え方を原則とし、次に定めるところによるものとする。
特定建設資材の分別解体及び再資源化を促進するため、関係者は、適切な役割分担の下でそれぞれが連携しつつ積極的に取り組むことが必要である。
建設資材の分別解体及び再資源化の実施等、法に規定された義務を確実に実施しなければならない。また、
により発生抑制並びに建設資材の分別解体及び再資源化の実施が容易となるよう努める必要がある。
建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律施行令(平成12年政令第495号。以下「政令」という。)第8条により法に定める事務を処理する一部の市(以下「特定行政庁」という。)並びに保健所設置市との調整を図りつつ
特定建設資材に係る分別解体等の実施により特定建設資材廃棄物をその種類ごとに分類することを確保し、特定建設資材廃棄物の再資源化等を促進するためには、特定建設資材に係る分別解体等が一定の技術基準に従って実施される必要がある。この技術は、特定建設資材に係る分別解体等の実施の対象となる建築物等により異なる場合があり、建設工事に従事する者の技能、施工技術、建設機械等の現状を踏まえ、建築物等に応じ、適切な施工方法により分別解体等が実施される必要がある。
また、特に施工に当たって大量の建設資材廃棄物を排出することとなる解体工事については、最新の知識及び技術力を有する者による施工が必要であるため、解体工事を施工する者の知識及び技術力の向上を図るほか、このような技術を有する者に関する情報の提供、適切な施工の監視、監督等を行なう必要がある。
建設資材廃棄物に係る本県の現状及び課題を踏まえると、その再資源化等の促進を図ることが重要であることから、対象建設工事のみならず対象建設工事以外の建設工事に伴って生じた特定建設資材廃棄物についても、再生資源として利用すること等を促進する必要があり、工事現場の状況等を勘案して、できる限り工事現場において特定建設資材に係る分別解体等を実施し、これに伴って排出された特定建設資材廃棄物について再資源化等を実施することが望ましい。
また、分別解体等が困難であるため混合された状態で排出された建設資材廃棄物についても、できる限り特定建設資材廃棄物を選別できる処理施設に搬出し、再資源化等を促進することが望ましい。
なお、これらの措置が円滑に行われるようにするためには、技術開発、関係者間の連携、必要な施設の整備等を推進することにより、分別解体等及び建設資材廃棄物の再資源化等に要する費用を低減することが重要である。
対象建設工事の規模に関する基準は、政令第2条で定める基準とする。
指定建設資材廃棄物は、政令第4条に定められた木材が廃棄物となったものとし、再資源化をしなければならない距離の基準は、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律施行規則(平成14年国土交通省・環境省令第1号。以下「施行規則」という。)に基づき、50kmとする。
なお、法第16条に基づき、指定建設資材廃棄物については、施行規則で定める50kmの範囲内に再資源化施設が存在しない場所で対象建設工事を施工する場合は、現場付近から再資源化施設まで運搬車両が通行する道路が整備されていない場合であって、縮減をするための運搬費用が再資源化を行なうための運搬費用より低い場合は、再資源化に代えて縮減をすれば足りるものとする。
建設資材廃棄物は、産業廃棄物排出量に占める割合が高い一方で、減量することが困難なものが多い。このため、限られた資源を有効に活用する観点から、最終処分量を減らすとともに、発生を抑制することが特に重要である。
発生抑制に当たっては、建築物等に係る建設工事の計画・設計段階からの取組を行なうとともに、関係者は、適切な役割分担の下でそれぞれが連携しつつ積極的に参加することが必要である。
自ら所有する建築物等について適切な維持管理及び修繕を行い、建築物等の長期的使用に努める必要がある。
工場等における建設資材のプレカット等の実施、その耐久性の向上並びに修繕が可能なものについてはその修繕の実施及びそのための体制の整備に努める必要がある。
発注者の建築物等の用途及び構造等に関する要求に対応しつつ、構造躯体等の耐久性の向上や維持管理及び修繕を容易にするなど、その長期的使用に資する設計に努めるとともに、端材の発生が抑制される施工方法の採用及び建設資材の選択に努める必要がある。
建築物等の用途及び構造その他の建築物等に要求される性能に応じ、技術的及び経済的に可能な範囲で、建築物等の長期的使用に配慮した発注に努めるほか、建設工事に使用された建設資材の再使用に配慮するよう努める必要がある。
端材の発生が抑制される施工方法の採用及び建設資材の選択に努めるほか、
国の施策と相まって、必要な措置を講ずるよう努めることとする。
また、自ら建設工事の発注者となる場合においては、発生抑制に率先して取り組むこととする。
国及び県の施策と相まって、必要な措置を講ずるよう努める必要がある。
特定建設資材廃棄物の再資源化等の促進のためには、すべての関係者が再生資源の十分な利用及び廃棄物の減量をできるだけ速やかに、かつ、着実に実施することが重要であることから、今後10年を目途に特定建設資材廃棄物の再資源化等の促進に重点的に取り組むこととし、平成22年度における再資源化等率(工事現場から排出された特定建設資材廃棄物の重量に対する再資源化等されたものの重量の百分率をいう。)を次表のとおり設定する。
特定建設資材廃棄物 | 平成22年度の再資源化率 |
---|---|
コンクリート塊 | 95パーセント |
建設発生木材 | |
アスファルト・コンクリート塊 |
関係者は、この目標達成を目指して発生抑制、特定建設資材の分別解体及び再資源化並びに再生建設資材の使用等の促進を図るとともに、目標を達成した場合は、その実績を維持していくことに努めるものとする。
なお、特定建設資材廃棄物の再資源化等に関する目標については、建設資材廃棄物に関する調査の結果、再資源化等に関する目標の達成状況及び社会経済情勢の変化等を踏まえて必要な見直しを行なうものとする。
破砕、選別、不純物除去及び粒度調整等を行なうことにより、再生骨材等として、道路、港湾、駐車場及び建築物等の敷地内の舗装(以下「道路等の舗装」という。)の路盤材、建築物等の埋戻し材又は基礎材等に利用することを促進する。
また、コンクリート塊の再資源化施設については、新たな施設整備と併せて既存施設の効率的な稼働を推進するための措置を講ずるよう努める必要がある。
破砕、選別、不純物除去及びチップ加工等を行なうことにより、家畜用敷材や木質ボード、堆肥等の原材料として利用することを促進する。これらの利用が技術的な困難性、環境への負荷の程度等の観点から適切でない場合には燃料として利用することを促進する。
また、再資源化に関する技術開発等の動向を踏まえつつ、建設発生木材の再資源化施設等の必要な施設の整備について必要な措置を講ずるよう努める必要がある。
破砕、選別、不純物除去及び粒度調整等を行なうことにより、再生加熱アスファルト安定処理混合物及び表層基層用再生加熱アスファルト混合物(以下「再生加熱アスファルト混合物」という。)として、道路等の舗装の上層路盤材、基層用材料又は表層用材料に利用することを促進する。
また、再生骨材等として、道路等の舗装の路盤材、建築物等の埋戻し材又は基礎材等に利用することを促進する。
加えて、アスファルト・コンクリート塊に係る再資源化施設については、新たな施設整備と併せて既存施設の効率的な稼働を推進するための措置を講ずるよう努める必要がある。
プラスチック製品や石膏ボードなどの特定建設資材以外の建設資材についても、それが廃棄物となった場合に再資源化等が可能なものについては、できる限り分別解体等を実施し、その再資源化等を実施することが望ましい。
また、その再資源化等についての経済性の面における制約が小さくなるよう、(1)分別解体等の実施、(2)技術開発の推進、(3)収集運搬方法の検討、(4)効率的な収集運搬の実施、(5)必要な施設の整備等について関係者による積極的な取組が行われることが必要である。
再資源化等が困難な建設資材廃棄物を最終処分する場合は、廃棄物処理法に基づき適正に処理する必要があるが、安定型処分品目(環境に影響を及ぼすおそれの少ない産業廃棄物をいう。以下同じ。)については管理型処分品目(環境に影響を及ぼすおそれのある産業廃棄物をいう。以下同じ。)が混入しないように分別した上で安定型最終処分場(安定型処分品目の最終処分場をいう。)で処分し、管理型最終処分場(管理型処分品目の最終処分場をいう。)で処分する量を減らすよう努める必要がある。
建設資材廃棄物の再資源化を促進するためには、関係者が適切な役割分担の下で連携しつつ、建設資材廃棄物の再資源化により得られた物(以下「再生建設資材」という。)を積極的に使用していくことが重要である。
また、再生建設資材の使用に当たっては、必要な品質が確保されていること並びに環境に対する安全性及び自然環境の保全に配慮することが重要である。
品質及び性能の確保に配慮しつつ、再生建設資材をできる限り多く含む建設資材の開発及び製造に努める必要がある。
再生建設資材をできる限り使用した設計に努めるとともに、再生建設資材の使用について、発注者の理解を得るよう努める必要がある。
建設工事の発注に当たり、再生建設資材をできる限り選択するよう努める必要がある。
再生建設資材をできる限り使用するとともに、これを使用することについて、発注者の理解を得るよう努める必要がある。
再生建設資材の品質の安定及び安全性の確保に努める必要がある。
国の施策と相まって、再生建設資材の使用の促進のために必要となる調査、情報提供及び普及啓発に努めるほか、再生建設資材を率先して使用するよう努めることとする。
国及び県の施策と相まって、必要な措置を講ずるよう努める必要がある。
公共事業においては、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成12年法律第100号)の趣旨を踏まえ、民間の具体的な取組の先導的役割を担うことが重要であることから、再生建設資材を率先して使用するものとする。
道路等の舗装の路盤材又は建築物等の埋戻し材若しくは基礎材の使用に当たっては、工事現場で発生する副産物の利用が優先される場合を除き、当該現場から40キロメートルの範囲内でコンクリート塊又はアスファルト・コンクリート塊の再資源化により得られた再生骨材等が入手できる場合は、使用する用途に要求される品質等を考慮した上で、経済性にかかわらずこれを利用することを原則とする。
道路等の舗装の基層用材料及び表層用材料の使用に当たっては、工事現場で発生する副産物の利用が優先される場合を除き、当該現場から40キロメートル及び運搬時間1.5時間の範囲内でアスファルト・コンクリート塊の再資源化により得られた再生加熱アスファルト混合物が入手できる場合は、使用する用途に要求される品質等を考慮した上で、経済性にかかわらずこれを利用することを原則とする。
法面の緑化材、雑草防止材等についても、利用される用途に要求される品質等を考慮して、再生木質マルチング材等の使用を促進することとし、さらに、その他の用途についても、再生建設資材の使用の促進が図られるよう積極的な取組を行なう必要がある。
特定建設資材の分別解体及び再資源化並びに再生建設資材の使用の促進は、発生抑制及び再資源化により得られた熱の利用の促進等と相まって、環境への負荷の少ない循環型社会経済システムを構築していくという意義を有する。
かかる意義を有する特定建設資材の分別解体及び再資源化並びに再生建設資材の使用の促進のためには、県民の理解と協力が必要であることにかんがみ、県及び市町村は、環境の保全に資するものとしてのこれらの意義に関する知識について、広く県民への普及及び啓発を図ることとする。
具体的には、各種の広報活動を通じて、法に規定する対象建設工事の届出をはじめとする特定建設資材の分別解体及び再資源化の実施義務等の内容やこれらが資源の有効利用及び環境の保全に資することについての県民の理解を深めるとともに、特定建設資材の分別解体及び再資源化が適切に行われるよう関係者の協力を求めることとする。
特に、特定建設資材の分別解体及び再資源化の実施義務を負う者が当該義務を確実に履行することが重要であり、また、発注者が再生建設資材をできる限り使用することが重要であることから、その知識を普及させるため、必要に応じて情報の提供その他の措置を講ずるものとする。
特定建設資材の分別解体及び再資源化を着実に実施するためには、それに要する費用が、発注者及び受注者間で適正に負担されることが重要である。
発注者は、自らに特定建設資材の分別解体及び再資源化に要する費用の適正な負担に関する責務があることを明確に認識し、当該費用を適正に負担する必要がある。
また、自主施工者は、自ら負担する費用により特定建設資材の分別解体を適正に実施する必要がある。
受注者は、自らが特定建設資材の分別解体及び再資源化を適正に行なうことができる費用を請負代金の額として受け取ることができるよう、建設工事の内容を発注者に書面により十分に説明する必要がある。
発注者及び受注者は、特定建設資材の分別解体及び再資源化の方法並びに費用等について工事請負契約の書面に明記し、署名又は記名押印のうえ相互に交換することにより、特定建設資材の分別解体及び再資源化に要する費用が適正に負担されることを相互に確認する必要がある。
県及び市町村は、特定建設資材の分別解体及び再資源化に要する費用を建設工事の請負代金の額に反映させることが、特定建設資材の分別解体及び再資源化の促進に直結する重要事項であることを県民に対し積極的に周知し、当該費用の適正な負担の実現に向けてその理解と協力を得るように努めることとする。
県は、受注者が特定建設資材廃棄物の再資源化等を行なうに当たって必要となる施設の稼働情報、発注者が当該工事の注文を行なうに当たって必要となる解体工事業を営む者の企業情報等の提供が十分なされるように、国が整備するインターネット等を活用した情報システム等の活用及び普及に努めるものとする。
関係者は、建設資材廃棄物の処理等の過程においては、廃棄物処理法、大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)、ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)等の関係法令を遵守するとともに、フロン類、非飛散性アスベスト、CCA処理木材及びPCB含有物などの有害物質等の発生の抑制並びに周辺環境への影響の防止を図らなければならない。
発生抑制及び特定建設資材の分別解体及び再資源化を促進するためには、関係者が合理的な役割分担を図ることが必要である。
このため、「宮崎県建設副産物対策連絡協議会」及び「地区別建設副産物対策連絡協議会」の積極的な活動により情報交換を行なうなど、関係機関と連携協力していくこととする。
県又は特定行政庁は、法に規定された特定建設資材の分別解体等の適正な実施を確保するため、本指針を勘案し、
など、必要な措置を講ずることとする。
県又は保健所設置市は、法に規定された特定建設資材廃棄物の再資源化等の適正な実施を確保するため、本指針を勘案し、
など、必要な措置を講ずることとする。
県は、建設業法に基づく建設業の許可等に関する事務の処理と併せ、法に規定された解体工事業の登録等並びに特定建設資材の分別解体及び再資源化の適正な実施を確保するため、本指針を勘案し、
など、必要な措置を講ずることとする。
法の施行状況、本県における特定建設資材の分別解体及び再資源化並びに解体工事業登録の実施状況、特定建設資材の再資源化施設等の立地状況及び社会経済状況の変化等を踏まえ、適宜、本指針の内容について見直しを行なうなど、必要な措置を講ずるものとする。
県土整備部技術企画課
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