県広報みやざき

森林とともに生きていくために

私たちの森林について考えてみませんか?

約76%が森林である宮崎県。豊かな自然に恵まれ、スギ素材生産量32年連続日本一の林業県でもあります。

私たちは、森林から得られる木材という持続可能な資源を活用し、建物や家具、日用品の材料として、時には燃料として、木の文化を育んできました。

また、森林は、地球温暖化の防止をはじめとして、土砂崩れなどの自然災害から県民の生命や財産を守るなど、私たちの暮らしにとってかけがえのない存在です。

しかし、一方で、林業の採算性の低下などにより手入れの行き届かない森林が増加しています。そのまま放置すると、森林の持つ機能の低下につながり、県民生活への影響が考えられます。

国の森林環境税・森林環境譲与税の仕組み

森林と私たちの暮らし・経済がともに持続可能で豊かな社会を作っていくためには、今を生きる私たちがしっかりと森林の整備をしていかなければなりません。

このため、国は、森林整備やその促進に必要な財源を安定的に確保することを目的に、平成31年に「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」を定め、「森林環境税」および「森林環境譲与税」を創設しました。

国の森林環境税とは?

国の「森林環境税」は、「森林環境譲与税」の財源となるもので、令和6年度から、国内に住所を持つ個人に年間1000円が課税されます。

森林環境譲与税とは?

「森林環境譲与税」は、市町村と都道府県に対して、私有林人工林面積、林業就業者数および人口を基準として、令和6年度からの「森林環境税」の課税に先立ち、令和元年度から譲与されています。

法律に基づき、
市町村は
「森林の整備」
「担い手育成・確保」
「木材利用・普及啓発」
県は、
「市町村への支援」
「担い手育成・確保」
「木材利用・普及啓発」
のそれぞれの分野で有効活用しています。

県では、令和4年度の森林環境譲与税を活用し、14事業を実施しました。その中から各分野の事例を紹介します。

1 市町村への支援

〈森林経営管理市町村支援事業〉

支援事業 イメージ1
支援事業 イメージ2

手入れの行き届いていない森林について、市町村が仲介役となり、森林所有者と林業経営者をつなぐ「森林経営管理制度」。この制度の中心的役割を担う市町村への支援を実施する「みやざき森林経営管理支援センター」を設置・運営しています。

小畑 明さん 写真

みやざき森林経営管理
支援センター

森林経営管理アドバイザー

小畑 明さん

みやざき森林経営管理支援センターにて。
呼ばれたらいつでも駆けつけます。と語る小畑さん。

些細なことでも、迷ったらいつでも相談して欲しいですね。

県からの委託を受けて、市町村の支援をしています。林業知識のある3人のアドバイザーが在籍していて、市町村からの相談への対応、市町村職員を対象とした研修、制度周知のための広報活動、そして、市町村の取り組み状況を県に報告するための業務をしています。
今は、県内全市町村から気軽に相談を受けられる体制づくりを目指して、市町村訪問に力を入れています。市町村によって制度の実施方針や進捗状況が違うので、それぞれに合った助言を心がけています。
直接会って現場にも行き、直面している問題を一緒に考えて、少しでも前進させられるようなサポートをしたいですね。そして、森林経営管理制度を利用した森林整備が今より進むように市町村をお手伝いしていきたいと思っています。

2 担い手育成・確保

〈みやざき林業大学校 担い手育成総合研修事業〉

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実践的な知識や技術の習得に加え、適切な林業経営の実行管理を行う人材の育成および青少年への森林・林業教育などを実施しました。

椎葉 大樹さん 写真

耳川広域森林組合
椎葉支所

椎葉 大樹さん

みやざき林業大学校第4期生。林業はきついこともたくさんあるけど、楽しさややりがいの方が圧倒的に勝ちます!と笑顔で語る椎葉さん。

将来は「何でもできるオールマイティーな山師」になりたいです!

林業をしている父や祖父の仕事姿を見て、自然と山師になるという目標を持つようになりました。そんな中、高校で林業大学校のパンフレットを見て、1年間で林業の基礎的な知識、実習、17種類の資格が取得できることを知り入学を決めました。
木を伐採するときに何が危険なのかを把握する「安全確認」について学べたことは、就職して、現場に出るようになった今、とても役に立っています。
木を伐採する時に、狙ったところにきちんと木を倒すことができると、やりがいを感じますね。そして、山できれいな空気に囲まれて身体を動かして仕事をするのは、とても気持ちがいいです!
山に興味のある方や資格を取りたい方は、ぜひ、林業大学校に入学されることをお勧めします。

3 木材利用・普及啓発

〈みやざき木育推進事業〉

推進事業 イメージ1
推進事業 イメージ2

幼保園を対象に木材利用について理解を深めるため、幼児の成長段階に合わせた木育プログラムの開発や木育指導者などの育成などに取り組みました。

髙橋 知亜紀さん 川添 教道さん 川添 世里子さん 写真

めぐみ保育園

左から

副主幹
保育教諭

髙橋 知亜紀さん

園 長

川添 教道さん

主幹
保育教諭

川添 世里子さん

園に隣接するお寺のシンボルであるイチョウの木の前にて。

木育で“いのち”の大切さを伝えたい。

子どもたちにいのちの大切さを五感で感じて知ってほしいとの思いで木育を始めました。木育を通して、子どもたちがプロの大工職人が使う道具を使い、自らの力で作品を作ることで自信をつけ、成長していく姿が見られるようになりました。そのほかにも、保護者にご協力いただき、木製のミニハウスを作ったり、地域のおじいちゃんおばあちゃんたちが子どもたちにやすりのかけ方を教えてくれたりと保護者同士、そして、園と地域の関わりがより深まったと思います。今後は、基本はそのままで、園オリジナルの木育プログラムに取り組んでみたいと思っています。そして、木育が食育のようにもっと多くの人に知ってもらえるようにしたいですね。

県では、今回紹介した事例以外にも毎年度どのように活用されたのかをホームページなどで公表しています。(各年度の実績は翌年度の9月末頃に掲載します。)
また、県内市町村もそれぞれのホームページで活用状況を公表しているので、ぜひご覧ください。

令和2年度使途

令和3年度使途

森林とともに生きる

豊かな宮崎の森林を守るためには、県民の皆さまの力が必要です。森林は、植える→伐採する→利用する→また植えるという循環が大切です。
身近にある森林に目を向けてみてください。そして、暮らしの中で木材でつくられたものを選んで買う・使うなど、今日から取り組めることを見つけ、行動しましょう。子どもたちや後世にこの森林を引き継いでいくために。
そして、私たちが、いまを森林とともに生きていくために。

グリーン成長で日本一に挑戦

県は、本県の強みを生かした3つの日本一挑戦プロジェクトと題して、
「子ども・若者」
「スポーツ観光」
「グリーン成長」
の3つの分野で日本一に挑戦する取り組みを始めました。

今回の特集に関連する「グリーン成長」では、再造林対策を核としたゼロカーボンの推進と農林水産業の持続的発展を目指します。

県森林環境税と森林環境譲与税の使い分け

県では、平成18年に開始した県森林環境税と森林環境譲与税を、それぞれの目的に沿って有効活用しています。

県森林環境税と森林環境譲与税の使い分け イメージ
お問い合わせ

国の森林環境税の制度に関すること
税務課

0985(26)7020

森林環境譲与税及び
税の目的・使途に関すること 
環境森林課

0985(26)7153

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