県広報みやざき

日本一!!「宮崎牛」のさらなる挑戦 ~次代を担う若い力とともに~
「チーム宮崎」の若き担い手 全共からの新たなスタート

県立小林秀峰高校

県立小林秀峰高校 県立小林秀峰高校

”全共“を通しての学びと感謝

並み居るベテラン農家と競い、全共出品という名誉を勝ち取った小林秀峰高校農業クラブのメンバー。『れな』とともに、優等賞五席を受賞しました。全共では、8名で牛舎に入り、先輩農家さんとともに牛の世話や牛舎清掃をしました。
「朝が早くて、ハードでした。宿舎を毎日朝4時半に出発して、5時半には会場牛舎で作業を開始しました。その中で、先輩農家さんにたくさんのことを教えてもらいました。」(井料姫花さん)
「宿舎でも農家さんと一緒だったから、お風呂で将来の話とかしました。」(柳健斗さん)「『全共に牛を出品して、必ずしも利益につながるわけではないが、出品する価値はある。本当に牛が好きでないと出品できないから、チャンスがあるなら挑戦すべきだ』と真剣な眼差しで言われたことが印象に残っています。」(瀬戸口啓太さん)
会場は、連日超満員の観客。独特の雰囲気の中、『れな』の引き手を努めた曽山徹丙太さん。「大きな舞台で緊張したけど周りのサポートがあって、自分たちも牛もリラックスして会場に立つことができました。周りの人に感謝したい。」と話します。

大好きな牛とともに

メンバーは、3年生1名、2年生3名、1年生4名。それぞれ、今回の全共は将来を考えるきっかけになったようです。
「祖父が牛を飼っているので、小さい時から農家になりたいと思っていたけど、今回の全共で後継者として頑張っていこうという気持ちが強くなりました。今は小規模経営なので、安定的な経営ができるように増頭して、独り立ちできるようになった時は、また全共に出たいです。」(瀬戸口さん)
実家が農家でなくても、牛に関わる仕事をしたいという気持ちを、さらに強くした井料さんや柳さん。父親と同じように農業法人で働きたいと再認識した石山心斗さん。
実家が畜産農家の柳田聖也さんは「絶対に家は継がなくてはいけないと思っている。だから、卒業したら畜産以外でいったん社会に出て、色んな経験をした上で、それを畜産にも生かしていきたい。」と話します。
両親ともに畜産業をしている蕨内勇人さんは「全共は今回が、人生最初で最後。」と言います。「父親の考えの影響もあるけど、一頭の牛だけに手間をかけるのではなく、全頭にまんべんなく愛情をかけて育てていきたいと思っています。」
「全共は本当に貴重な体験。技術員の人たちの仕事を間近で見て、技術員にもなりたいと思った。」(曽山さん)「実家は農家ではないけど、技術員なり農業法人で従業員として牛と関わりたい。そして、全共にまた参加したい。私たちの出品牛は、日本一がとれなかったから、また日本一を目指したい。」(折田菜々美さん)
そして、唯一の3年生である部長の瀬戸口さんは、”感謝“の気持ちを伝えたいといいます。
「小林秀峰は、これからも後輩たちがどんどん頑張ってくれると思う。全共を経験した高校生として、宮崎県の農業や畜産に貢献できるようになりたい。それが、今までお世話になった人への恩返しにつながると思います。」

県立高鍋農業高校

県立高鍋農業高校 県立高鍋農業高校

”全共“の雰囲気

高鍋農業高校は、復興特別出品区「高校の部」に『ももみひめ』を出品。畜産科3年生11名が宮城入りしました。そして、宮崎県の先陣を切って審査に挑み、優秀賞一席を受賞。
「審査会場は全体的に重い雰囲気がありました。」(宮田将太朗さん)「会場には威圧感がありました。県を背負ってるからじゃないかと思いました。」(東原昌孝さん)
『ももみひめ』の引き手を努めたのは築地伶欧さん。審査会では緊張しながらも、しっかりと牛を立たせ、仲間からも「格好良かった」と言われるほど。築地さんは、会場牛舎にも入り、先輩農家さんとともに牛の世話や牛舎清掃なども経験しました。
「各県の牛の違い、牛の世話をする人たちの雰囲気も県ごとに違っていて、勉強になりました。賞を取るところは、牛舎自体の雰囲気も違っていました。手入れもみんなで一緒にやっている。でも、宮崎県も負けていないと思いました。」

大好きな牛とともに

高鍋農業高校から復興特別出品区への出品が決定したのは、みんなが入学する前。まだ『ももみひめ』も生まれる前でした。
良い牛が生まれるように願い、そして、生まれた『ももみひめ』をみんなで育て上げました。全共のプレッシャーを感じながら過ごした三年間。そして、全共での一週間。それは、みんなの”これから“に少なからず影響を与えたようです。
「畜産は自分がやった分だけ返ってくる。努力した分だけ結果が出る。それが畜産の魅力だと思います。これからは、学んだことを生かして、地域で求められる子牛を生産できる繁殖農家になりたいです。そして、また全共に出品したい。」(築地さん)
実家が畜産農家という家庭も多く「祖父と父を越せるような農家になりたい。」(鈴木雄大さん)「父からおいしい肉だと認められる肉づくりができる農家になりたい。」(宮田さん)
口蹄疫を経験し、畜産以外の農業を考えていた増永美咲さん。しかし、インターンシップで畜産農家さんから色々教わったこと、そして、全共を体験することでますます牛が好きになったと言います。「祖父が畜産団地で頑張っているので、祖父のためにも頑張って後を継ぎたい。人工授精師の資格もとりたい。」と前向きです。
地域のために、と考える黒木唯登さん。「『トマトはしゃべらんけど、牛はしゃべる』から牛飼いになりたいと思った。今回の経験を生かし、地域の農業に貢献し、尾鈴から”牛“を発信したい!」と意気込みます。
高鍋農業高校は、県の共進会でグランドチャンピオンになった唯一の農業高校。その実績も、みんなの自信につながっているようです。
「宮崎県の畜産業を支えていけるように、儲かっていけるようになりたい!」(東原さん)

第11回全国和牛能力共進会
「宮崎牛日本一 史上初 内閣総理大臣賞 3大会連続受賞」

 

5年に一度、全国の和牛を一堂に集めて優秀性を競う「全国和牛能力共進会」。別名「和牛のオリンピック」とも言われています。
今大会で、宮崎牛は9部門中3部門の優等賞首席に加え、肉牛の部の第8区で最高賞となる内閣総理大臣賞を受賞しました。

 

内閣総理大臣賞の受賞は3大会連続となり、史上初の快挙!そして、通算4度目の受賞は、全国最多の記録となります。
このことは、本当に多くの関係者の皆さんの努力の賜であり、「チーム宮崎」一丸となって「日本一の努力と準備」を合言葉に取り組んできた成果であります。

大会会場では、多くの関係者の皆さんの熱い思い、そして涙、笑顔があふれていました。
 

 

今大会において、8区と7区は7年前に発生した口蹄疫の後に造成された種雄牛で挑みました。その結果、内閣総理大臣賞受賞、農林水産大臣賞を受賞するなど、好成績を残しました。種雄牛を一から造成するということは、本当に長い年月と多くの人の努力が必要となります。口蹄疫からの真の復興を全国に向けて発信する大会となりました。

 

 

詳しい結果については、県庁ホームページに。

 

また、全共の裏話は、ブログ「みやざき県庁職員日記」でぜひ。

おいしさナンバーワン!
日本一!!宮崎牛のすごさにせまる

今回の和牛能力共進会で証明された、宮崎牛の日本一。あらためて宮崎牛のすごさについて、お伝えしたいと思います。ひいくんが、畜産振興課の中武主査に聞いてきました!

ひいくん

ひいくん

中武主査

畜産振興課
中武主査

そもそも「宮崎牛」っていえるのは、どんなお肉なの?

  • ①「宮崎生まれ・宮崎育ち」である。
  • ② 日本食肉格付け協会が定める枝肉の格付け等級が4等級以上のもの。
  • ③「県内種雄牛、もしくは家畜改良のために指定された種雄牛が父牛であること」という血統についての要件を満たしている。

この3つが条件です。
格付等級は「霜降りの度合い」、「肉の光沢」、「肉の締まり・きめ」、「脂肪の光沢・質」の4つの項目で決まります。

宮崎牛がおいしいのには、何か理由があるの?

まず、自然が豊かで、おだやかな気候の宮崎県は、牛の発育に最適な環境を備えています。
そして、宮崎県は畜産農家さんや関係者が一体となって、肉用牛の改良に取り組んできました。
そのおかげで、素晴らしい肉を作る力を宮崎の牛たちは持っているのです。さらに、おいしい牛肉を作るために、一頭一頭、牛の健康状態に合わせて餌の量を変えるなど、畜産農家さんのたゆまぬ努力が、柔らかさやコク、色合いに優れた肉質を持つ、日本一の牛を生みだしています。

今回、和牛能力共進会肉牛の部で、内閣総理大臣賞をとったけど、どんなところが評価されたの?

内閣総理大臣賞を獲得した8区には、3頭の牛が出品されました。
8区の審査では、肉のおいしさに関連するいくつかの項目が採点基準に設けられていて、宮崎県だけが肉質得点が満点だったことに加えて、脂肪の質も高く評価されました。

脂肪の質が高く評価されたのはどうして?

全共では、消費者の皆さんから求められていることが、評価項目として取り入れられます。
現在、赤身嗜好など消費者ニーズが多様化する中、これまでは和牛の特徴であるサシの入り具合、いわゆる「霜降り」が重要視されてきましたが、それに加え「脂肪の質」も評価基準に盛り込まれています。
ちょっと難しい話になりますが・・・
和牛の脂肪は、オレイン酸に代表される「一価不飽和脂肪酸(MUFA)」が多く含まれていることが特徴です。同じ「霜降り」の入った肉でも、このMUFAの割合が高いほど、低い温度で脂が溶けるので、口溶けが良く、食べたときに脂っこくない、おいしいお肉になります。このMUFAの平均値が宮崎県は全ての区で大会平均を上回りました。
そこで、宮崎牛は、肉質得点が満点!肉量も充実、さらに脂肪の質も良好と、最高の評価を受け、おいしさ日本一の和牛であることが証明されました。

すごいね!今、まさに求められてるおいしさを、宮崎牛は兼ね備えてるんだね!
これまで、このお肉の改良にたくさんの人が、関わってきたんだね。

これからも進化し続ける宮崎牛!
そのおいしさをたくさんの人に、ぜひ味わってもらいたいですね。
おいしく「いただきます」と言ってもらえることが、農家さんにも牛にも、何よりシアワセなことです。

 

これまでの努力とこれからの挑戦

 

今回の全国和牛能力共進会は、これまでの努力が成果として表れました。畜産農家の方々をはじめ、多くの関係者の「日本一を目指す」という熱い思いが、その努力を支えてきました。
県では、今回の「日本一」という称号とともに、これからもさらなる挑戦を続けていきます。

世界に向けて

 

宮崎牛が、すでに世界に向けて飛び立っているのをご存知ですか?アメリカや香港、シンガポールなどに輸出されています。
今年の9月には、台湾で和牛の輸入が解禁され、宮崎牛が、日本からの第一号として出荷されました。台湾では、号外が配られるほどの注目を浴びる宮崎牛。台湾の皆さんの期待の高さがうかがえます。
2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、多くの外国の方が日本へやってきます。「日本一おいしい宮崎牛」を自信を持って世界にアピールできるチャンスです。

「宮崎牛」としてさらなる飛躍を!

日本には、たくさんのブランド牛があります。その中で、「宮崎牛」として、ブランド力を確立するためには、誰もが認めるおいしい肉として、多くの人に食べてもらうことが大切です。県民の皆さん一人一人がセールスマンとして、「食べてシアワセ。贈ってシアワセ。」を合言葉に、このおいしさを県内外にアピールしていきましょう!
国内、そして世界で、「宮崎牛」が多くの人に認められること。
畜産王国・宮崎県がこれから挑んでいく、大きなチャレンジになります。

お問い合わせ
畜産振興課
0985(26)7138
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