県広報みやざき

健康レポート

あれ…いつもできていたのに… ~若年性認知症~

アルツハイマー病などが原因の認知症患者は高齢者だけとは限りません。65歳未満で発症する「若年性認知症」についてレポートします。
認知症は高齢者に多いため、症状が現れてもまさか自分が認知症だとは思わず、疲れや更年期障害、うつ病など、ほかの病気だと誤った判断をして、発見が遅れることがあります。
若年性認知症特有の大きな問題は、本人が「働き盛り」「子育て世代」だということです。今後同じ会社で働いていくことができるのか、会社を辞めた場合でも生活するための収入を得る手段があるのかなど、社会との関わりについて考えることが必要になってきます。さらに、就学期の子どもがいることも多く、養育と介護の両面で課題があります。
また、「どこに何を相談したらいいのか分からない。」と悩まれるご本人やそのご家族も多くいます。
県では、相談や医療・福祉・就労の総合的支援をワンストップで受けられる「若年性認知症支援コーディネーター」を「認知症の人と家族の会 宮崎県支部」に配置しています。

坂元  俊彦さん
若年性認知症支援 コーディネーター
坂元 俊彦さん

若年性認知症の方が働き続けるために必要なことは

本人が症状に気づいても、若年性認知症と診断されると、仕事を続けられなくなってしまうかもしれないと不安になり、職場に言えない人たちがいることに焦点を当てなければなりません。従業員が少ない企業などは、ご本人を雇い続けることが大変なことも充分理解していますが、企業がその人なりにできることを見つけて雇用を維持することや、傷病手当などを利用して雇用期間を延ばしていく努力をしていただくことが大事だと思っています。
また、障がいを持つ方の就労を支援する就労継続支援事業所でも、実際に働いている若年性認知症の方はまだ少ないのが現状です。
今後、企業や事業所に対する普及啓発活動も行っていく必要があると痛感しています。

家族は本人とどう向き合えばいい

一人で介護をすることは限界があります。本人に向き合ってきた家族でないと分からない感情や、本人に対して腹が立って仕方ない時もあります。そこで、同じ境遇や経験を持つ人たちと話すことで気持ちにゆとりを持ち、自分自身も許容していくことが大事です。
また、当事者の子どもには特に配慮が必要です。子どもは学校の先生や友だちにも親が認知症だと言えず、家族にあたってしまうなど、苦しく孤独な時間を過ごしてしまうことがあります。学校の先生、スクールソーシャルワーカー、心理療法士などが一緒にサポートしていく必要があります。

患者本人や家族が出会い、思いを語れる若年性認知症「本人交流会」が、「認知症の人と家族の会」によって定期的に開催されています。
参加してみると、会話やゲームを笑顔で楽しむ本人とその家族の姿がありました。

浦部  晃一さん
認知症の人と家族の会 宮崎県支部 世話人代表
浦部 晃一さん
自身も認知症を患う妻を介護中。
趣味:ゴルフ

家族の会の役割とは

行政のさまざまな制度がありますが、そこではできない介護する方の「こころに寄り添う」ことが役割だと思っています。

家族の心境の変化は

行政のさまざまな制度がありますが、そこではできない介護する方の「こころに寄り添う」ことが役割だと思っています。

症状で悩んでいる方にメッセージを

家に閉じこもらずにこの会に参加し、みんなで気持ちを分かち合ってみませんか。また、介護する人の健康が第一ですので、介護施設などを利用し、時には自分の趣味を楽しみましょう。

相談窓口

認知症の人と家族の会 宮崎県支部

相談受付時間

毎週月・水・金(祝日除く) 9時から16時

連絡先

0985(22)3803

お問い合わせ
長寿介護課 医療・介護連携推進室
0985(44)2605
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