県広報みやざき

知事コラム

こんにちは!河野です

宮崎県知事 河野俊嗣(こうの しゅんじ) 宮崎県知事
河野 俊嗣(こうの しゅんじ)

本格的な夜神楽のシーズンが始まりました。県内各地で五穀豊穣や無病息災の祈りを込めた神楽が奉納されています。

県内には200を超える保存団体がありますが、人口減少や少子高齢化などによる後継者不足のため、存続が危ぶまれる地域もあります。大切な伝統を守るとともに、住民がふるさとに誇りを持ち、強い絆で地域づくりに取り組むには、神楽をしっかりと後世に引き継いでいくことが必要です。

県では、神楽のユネスコ無形文化遺産への登録を目指しており、まずは認知度を高めるため、保存団体の協力を得て県内外で神楽公演を行っています。そのうち、国立能楽堂での公演は3年連続。「高千穂の夜神楽」「椎葉神楽」に続き、今年は「高原の神舞(祓川神楽)」を披露しました。私も毎年、会場を埋め尽くすお客様の熱気や関心の高まりを肌で感じています。売店では地元特産品が売り切れに。

11月に國學院大學で開催された「全国神楽シンポジウム2018」では、識者から「神楽学」が提唱されました。文化的・社会的奥深さを備えた神楽を出発点として日本文化に迫り、神楽の継承と地域振興の関わりや、神楽の楽しみ方などを扱う実践の学問として提案されたもの。 神楽に新たな光を当てる取組、楽しみです。

神楽の基礎情報を収集・整理する目的で、県が記録した神楽の映像は、 平成26年から 「みやざき文化財情報」のホームページで公開しています。この3年間でアクセス件数が約14倍に増加するなど、 注目度が高まっています。

日本書紀編さん1300年の節目となる2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。その開会式では、国の成り立ちや歴史、文化が重要なテーマとなることから、本県では、「天岩戸開き神話」や神楽が採用されるよう提案しています。

私も、県内各地の神楽を、神楽宿に集う地元の方々とともに楽しんでいます。響き渡る笛や太鼓の心地良い音色に身を委ね、焼酎や料理のふるまいを楽しみながら、厳かな舞もあればユーモラスな舞もあり、彫り物などの装飾、味わい深い神楽せり唄など、全てが一体となって神楽の魅力をこの上ないものとしています。

中でも印象に残っているのは、子供神楽の後におひねりが飛び交う様子や、奉仕者全員による賀歌に合わせ、祖父と孫のふたりで舞う「舞開」。子どもたちを優しく見守る地域の温かさや次の世代に託す思いが伝わり、心打たれました。また、夜が白々と明けて迎える日の出は、まさに「天岩戸開き」、格別な味わいがあります。

神楽は本県の宝。しっかりと保存、継承するとともに、その魅力や価値を広く国内外に発信してまいります。

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