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上図は、県および市町村が移住施策を通じて把握した移住世帯数の推移です。平成29年度の移住世帯数実績は506世帯で、平成28年度(388世帯)から118世帯増加しています。
平成27年に宮崎ひなた暮らしUIJターンセンター宮崎本部、東京支部が設置されてから、より一層本県の情報発信機能が強化され、移住世帯数も増加しています。
一方で、平成27年に県が本県へのUIターン者、UIターン希望者を対象として実施した「移住・UIターンに関する実態調査」の結果によると、移住における不安な点として「人間関係」を挙げた方が、調査対象者の約3割ほどいらっしゃることが分かりました。
また、「就職・転職先の確保」や「収入の確保」、「住宅の確保」なども不安な点として挙げられています。
今後も、本県において、移住者が増えていくことが見込まれる中で、各地域で移住者を迎え入れる体制を整えることが重要です。
今回、本県への移住者と、その方を支えられた地域の方のお話をお伺いしてきました。
農業をやり始めて10年くらい経って、農業でやっていける将来が見え始めてきたところで、地域の役員などを務めだしました。若いメンバーで地域のために何かできないかと考えていた時に渡邉さんが現れました。
最初は、渡邉さんが農業をするとは思っていなかったのですが、「農業をしたい」という想いに、受入れを承諾しました。渡邉さんには、移住者の先輩として、次の移住者が来たときのために、やるべき行動をしていこう、と話しています。
農業がやりたくて移住を決意しました。
一からのスタートだったので分からないことが多かったのですが、南さんの農園で一年間勉強し、自分が10年後どのように農業をやっているのかが具体化されました。南さんは、自分の追いかける将来像となっています。
地域の方のフォローもあるので、「失敗を恐れない」ことをモットーにこれからも精進していきたいです。
二人の出会い |
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渡邉さんが大学3年生時に自転車で九州一周旅をしていたときに、日南市北郷町に立ち寄り南さんに出会いました。 |
役場から、「移住者のために家を貸してほしい」とお願いがありました。当時は、自宅隣の実家が空いていたので、すぐに住めるよう片付けて、借りていただきました。
家族で移住して来られるわけではなく、救急救命士の有志6人で家に住まわれることと、職業柄夜勤などもあることから、あまり干渉しないようにしました。本来ならば、地域ならではの、どっぷりとした付き合いをしたいところではあったのですが、白川さんたちのことを考え、それを我慢しました。
都会から来られて、地域に慣れることから始まる中で、良い距離感で付き合いができていたのかなと思います。
「人の役に立ちたい」と救急救命士の道に進みました。
消防のない自治体があることに衝撃を受け、平成26年に美郷町を視察しました。
美郷町には消防がなく、救急車の運行も役場職員が行っているなど、苦労されている現状を知りました。そこで、業務委託を申し出て、民間委託という形で平成27年から業務を行うことになり、美郷町に移住してきました。
住む場所までは確保していなかったので、役場に相談し、松尾さんの持つ家に私を含む救急救命士6人で住むことになりました。
最初は、仕事も手探り状態で、地域に慣れることも不安で気を張っていましたが、松尾さんや地域の方々の配慮のおかげでその不安はなくなりました。
一番驚いたのは、地域の方みんなが優しく接してくれることです。都会にいると、相手と壁をつくって人と接することが多いですが、美郷町の皆さんは優しくしてくださるので安心して暮らせています。
二人の出会い |
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白川さんが移住して家探しをしているときに、町役場から大家である松尾さんを紹介されました。 |
県では、移住者が地域に溶け込みやすい受入体制を構築するため、市町村が移住相談員や移住サポーターを設置する際の支援を行っています。
各地域が魅力をアピールする中で、本県を選んで移住してきた方々には、本県での生活に満足し、住み続けてもらうことが重要です。
そのため県では、宮崎で暮らし、仕事に就くための情報提供や、相談対応なども行っています。さらに、今年度からは、移住者に対するアンケート調査を実施して、よりニーズに寄り添った受入体制づくりに活かす予定です。
慣れていない土地で生活を始める移住者には、地域の方の支えが必要です。皆さんも自分にできることから始めてみませんか?
お問い合わせ |
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中山間・地域政策課 0985(26)7922 |
今回の特集について詳しくお知りになりたい場合は、担当職員が皆さまの地域にお伺いする「出前講座」により、説明を受けたり意見交換を行うことができます。