宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

 

Jajaバックナンバー

http://www.pref.miyazaki.lg.jp/

ふるさとの膳、祭りの膳

土地ごとに守られてきた祭りがあるように、
地域で大切にされている味覚があります。
祭りを楽しんだ後は、ふるさとのご馳走を楽しんでみてください。

煮しめ

煮しめ現在ではお総菜になっているが、もともとは宮崎のハレの日の料理の代表格。県北部では干し竹の子や椎茸、県央部では鶏肉、西米良村ではイワシの丸干しと、地域によって素材も豊かだ。

 

メヒカリの唐揚げ

メヒカリの唐揚げ延岡、北浦沖の深い海で獲れるメヒカリ。淡白な白身に上品な脂がのった味わいは、塩焼き、唐揚げ、刺身などでおいしく食べられる。

 

鮎の塩焼き

鮎の塩焼き五ヶ瀬川、綾北川など県内には鮎の名川が多い。真夏の鮎は、スイカに似た香りがみずみずしいが、卵をもった秋の落ち鮎もまた格別の味わいがある。炭火でじっくりと焼き上げて、川の恵みを楽しもう。

 

トビウオの造り

トビウオの造り初夏から秋にかけて日向灘沿岸にはトビウオが回遊してくる。トビウオ、ホソトビ、アヤトビウオ、ツクシトビウオなど数種いるのだが、大型のハマトビウオは刺身もおいしい。夏の夜によく合う、さっぱりとした味わいを楽しみたい。

 

百済のキムチ

百済のキムチ百済王伝説で知られる美郷町南郷区では、かつて百済国の本拠地だった韓国扶余(プヨ)の人々との交流が盛ん。そんな交流の中で生まれた手作りキムチは、本場から学んだだけに味わいも本格的で、南郷の名産品となっている。


須木栗の栗ごはん

須木栗の栗ごはん秋になると一度は作ってみたくなる栗ごはんや栗おこわは、季節の節目を手軽に感じられる料理だ。小林市須木地区の名産・須木栗の風味を、実りの秋への感謝を込めて味わいたい。

 

いのしし汁

いのしし汁柳田国男の「後狩詞記(のちのかりのことばのき)」でイノシシ猟の作法が紹介され、西都市の銀鏡神楽ではイノシシの頭が神前に奉納されるなど、宮崎とイノシシの関係は深い。貴重な山の幸として大切にされたイノシシ料理は、現在でもハレの日のご馳走だ。

 

魚うどん

魚うどん油津の郷土料理である魚うどんは、小麦粉のかわりにトビウオのすり身を使い、魚からとっただしで食べる。戦時中、物資が不足していた時代に作られたものだが、そのおいしさから、すっかり地元の名物料理になっている。

 

菜豆腐

菜豆腐大根や人参、ほうれん草や菜の花、藤の花など、季節の野菜や花を刻んで加える椎葉村独特の料理。祝いの席には欠かせないもので、家々はその出来映えの美しさを競ったものだろう。

 

ごんぐり

ごんぐりごんぐりとはマグロの胃袋のこと。マグロの胃袋を塩ゆでし、煮つけやから揚げにして食べる。ちょうど牛や豚のモツと同じような食感で、焼酎やお酒のつまみにもってこい。

 

ずし

ずし日南市富土周辺に伝わるイセエビや磯魚を使った、祝いの席の炊き込みご飯。ぶつ切りにしたイセエビから出る濃厚なだしを楽しめる贅沢な一品で、秋から冬にかけてのシーズンには、近隣のレストランでも食べることができる。

 

焼きしいたけ

焼きしいたけ宮崎県は大分県と並ぶ椎茸の名産地だ。炭火で焼いて、特産の平兵衛酢のぽん酢を添えると、平兵衛酢のさわやかな酸味が椎茸の甘みと香りを引き立ててくれる。秋の夜にうれしい贅沢だ。

 

そば

そば山が深く、水田耕作に適さない土地では、古くからそばの栽培が行われてきた。椎葉村では焼畑によるそば耕作が現在でも守られている。昔は主に団子汁として食べ、麺に打つのは特別な祝いの日にかぎられていた。

 

鶏刺し

鶏刺し都城市から霧島山麓一帯にかけては、いわば地鶏文化圏。大切なお客があった時や祭りの日のとっておきのご馳走が、鶏の刺身だ。さっぱりした風味とともに広がる、じんわりとしたうまみに焼酎がすすむ。

 

あくまき

あくまき南九州では端午の節句に、あくまきを食べるところが多い。孟宗竹の皮に包んだもち米を、樫などの木灰の汁で4時間ほど煮て作るもので、日持ちがするため、関が原の戦いでは島津義弘が兵糧として作らせたともいわれている。きな粉や砂糖をかけてお茶うけにも楽しい。

 

飫肥の天ぷら

飫肥の天ぷらイワシやトビウオのすり身に、豆腐、味噌、黒砂糖を加えて油で揚げて作る。ほんのりした甘さと柔らかな舌ざわりが持ち味。貴重品だった黒砂糖をふんだんに使う贅沢な食べ物で、昔は武士など一部の人しか口に入らなかったという。