宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

Jajaバックナンバー

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二上山の山岳信仰を伝える古社、
本殿の建築彫刻にも高い評価

三ヶ所神社
Miyazaki sightseeing inheritance

五ヶ瀬町と高千穂町にまたがる二上(ふたがみ)山。標高1060m、男岳と女岳の二つの頂をもつこの山は、山そのものをご神体として祀る山岳信仰の地として古くから崇敬を集めてきた。 日本書紀の一書に、ニニギノミコトが天降った天孫降臨の山としてその名が登場することを考えると、その信仰の歴史は少なくとも奈良時代以前と考えてよいのだろう。

この二上山を里から祀ることができるようにと建てられた里宮が、五ヶ瀬町にある三ヶ所(さんがしょ)神社だ。主祭神はイザナギノミコト、イザナミノミコトの二柱で、男岳・女岳がその象徴となっている。 三ヶ所神社は、初夏に咲き誇る12000本のシャクナゲや、秋の例大祭で奉納される荒踊(あらおどり・国指定重要無形民俗文化財)で知られるが、近年、本殿に刻まれた独特の建築彫刻の研究が進み、高い評価を受けている。

三ヶ所神社

文政元年(1818年)に建てられた本殿は、その主要部分が一本のケヤキで作られた総欅造りで、それを取り巻くように竜、虎、唐獅子、麒麟、鳳凰などの精巧な彫刻が施され、まるで本殿自体がひとつの彫刻作品のようだ。 時間に余裕があれば、二上山の奥宮も訪ねてみたい。本殿から車で20分ほどのところにある登り口から、息が切れるほどの急な階段が続くが、古代から続く山岳信仰の一端にふれることができそうだ。

本殿

一本のケヤキの巨木から作られたという本殿。

奥宮

山岳信仰の地、二上山にある奥宮。

荒踊

毎年9月の例大祭で奉納される荒踊は、400年の歴史をもつ。

二上山からの眺望

二上山からの眺望。