宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

Jajaバックナンバー

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火の山・霧島を守るように建つ
日向神話を伝える神社群

霧島周辺神社群
Miyazaki sightseeing inheritance

天孫降臨の地として古事記・日本書紀に登場する「高千穂」。西臼杵郡の高千穂町と並んで、降臨地と比定されている高千穂峰(標高1573メートル)を擁する霧島一帯は、古くから山岳信仰の山だった。 山に神が宿るとする信仰は、十世紀半ば、霧島にこもって修行したと伝えられる天台宗の僧、性空上人によって、修験道として体系化され、霧島は日本有数の霊場に発展していく。

高千穂峰

周辺には、霧島を守るように霧島岑(みね)神社(小林市)、東(つま)霧島神社(都城市)、霧島東神社、狭野(さの)神社、霞神社(高原町)などの歴史ある神社が点在し、ニニギノミコトや神武天皇をはじめ、日向神話に登場する神々を祀(まつ)る。これらの神社は、神話の由来を伝えるとともに、神仏習合時代は修験道の道場としても栄えたという。

山岳信仰

霧島は、山容の美しさに加えて何度も爆発を繰り返してきた活火山としての性格が、人々に畏敬の念を抱かせてきた。それが山岳信仰を生み、天孫降臨伝説を誕生させ、修験道場としての発展につながってきたのだろう。 霧島周辺の神社群は、近年、マスコミ等にパワースポットとして取り上げられることも増え、新たな魅力を発信し始めている。それぞれに伝わる由緒や物語を訪ねて、その奥深い歴史と神話の世界を歩いてみたい。

東霧島神社

東霧島(つまきりしま)神社
鬼が一夜で作ったという鬼岩階段や、十握(とつか)の剣で真っ二つに切られたという神石で知られる。

霧島東神社

霧島東神社
御池を見おろす高台にある神社。森の中の赤い社殿が印象的。社宝として高千穂峰の天逆鉾が知られる

霧島岑神社

霧島岑(きりしまみね)神社
かつては、高千穂峰と御鉢の間の鞍部にあった。明治6年、夷守神社が合祀され、現在の地に

狭野神社

狭野(さの)神社
初代神武天皇を祀る。周辺には皇子原、皇子港など神武天皇にゆかりの地名が残る。