令和7年度「知事との本音トーク」地域版(第5回)
内容
開催日時など
開催日時
令和7年9月24日(水曜日)午後1時30分から午後3時まで
場所
高千穂町役場4階大会議室
テーマ
高千穂町の将来像・魅力
参加者
高千穂町の皆さん11人
知事挨拶
- 本日は、「知事との本音トーク」に御参加いただき、感謝申し上げる。県政推進においては、「対話と協働」を重視し、県民の皆様との意見交換を通じて、そのフィードバックを県政に反映する取組をおこなっている。平日の日中という皆様大変お忙しい中、特に学生の方にも御参加いただき、貴重なお時間をいただくことになり、心から感謝を申し上げる。
- 高千穂町は県内で最も観光客を集め、海外も含めて最も知名度の高い地域であると考えている。東九州自動車道が整備されて、宮崎市からも2時間程度で来ることができるようになり、今後は九州中央自動車道が整備されることで更なる発展に繋がると考えている。本日は高千穂町の将来や魅力が県全体の発展に繋がるという思いのもとで、話ができることを楽しみにしている。
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高千穂町の将来像・魅力
- 高千穂町の魅力は観光と考えるがまださらなるポテンシャルがあると感じている。日向市の美々津地域では民家も含めて昔ながらの町並みとなっており、町全体が観光地として機能している。高千穂町も高千穂神社や高千穂峡だけではなく、町全体の雰囲気を統一して、町全体が観光地として楽しめるような取組ができればよいと思っている。
- 高千穂中学校の移転の話があるが、そこに通う学生が計画内容をどれくらい知ることができているかということが気になっている。また、高千穂高校のエアコンの整備をおこなっているが特別教室等では整備されていないところもある。設備をきちんと整えて欲しい。
- 高千穂町には観光名所が多いが、飲食店やお土産店については、限られたお店に行列ができているイメージである。他にもそういうお店が増えると地域の活性化に繋がると思う。高千穂町の学生は、多くの人が進学や就職で町外や県外に出てしまうが、また戻ってきて貢献したい人はいると感じているため、学校の授業や町との関わりの中で、高千穂町に戻って貢献したいと考える人をもっと増やしていくことが大切だと感じている。
- 高千穂中学校は土砂災害危険区域にも指定されており、先日も土砂崩れ等があった。学校の設備が壊れても先生が補修しながら運営している。安心して学習できる環境づくりに協力をしてほしい。
- 高千穂町の魅力、強みとして感じているのは、神楽やなぎなた等、伝統的なものが生活の一部となっており、身近に感じていることだと考えている。地域でも神楽の高齢化や後継者不足の話があるため、受け継ぐ人を増やす取組を行うことが伝統文化の知名度向上、地域の活性化にも繋がると考えている。
- 高千穂町の強みは観光であるが、実際に来ていただくと飲食店の不足等、満足が得られていない部分もある。8月にも2店舗程、飲食店が辞められた。観光協会では、新規開店をする方に上限300万円の補助事業をおこなっており、今年度は2件の新規開店があった。今後も取り組んでいきたい。
- 神楽の保存会に所属しているが、ユネスコ無形文化遺産登録に向け活動しており、登録されることで、知っていただき、神楽がすごいものと認識され、地域でもやってみようかなと前向きにとらえてもらえるきっかけになると期待している。自身も力を尽くしたいと考えているが、行政も力添えをいただきたいと考えている。
- 令和6年に新規就農し、ラナンキュラスの栽培をしている。高千穂町内でもっと新規就農者を増やしたいと考えているが、新規就農は初期投資が必要となる。高千穂町の人たちの魅力として、助け合いの精神が強いと考えているため、専業農家でなくても、普段会社員をされている方が休みの日に参加される等、兼業農家でもいいので、農業に参加するための農業機械や農地をシェアできる仕組みがあるとよい。
- 障がい者の生活支援をしており、22歳から60歳までの17名の利用者が通所している。障がいの程度は様々で全盲の方もいれば、強度行動障害の方もいる。現在、令和7年度の社会福祉整備事業を活用し、グループホームの施設整備に取り組んでいるが、利用者が住み慣れた高千穂町で安心して暮らしていけるように支えていきたいと考えている。この狭い地域にも支援を必要とする方がいて、困っている家族や支えていく人がいることを伝えたいと思い、今回、参加した。
- 高千穂峡で団体と個人の観光客が重なった際に写真の撮影場所等の取り合いになっている風景を目の当たりにし、オーバーツーリズムを感じることがある。抑制対策として、入場規制や入場料徴収をおこなっている観光名所が県内にあれば教えて欲しい。その対策について知事の考えを聞きたい。
- 担い手不足について、建設業関係では外国人の技能実習関係の雇用について意見交換会が行われた。高千穂町ではホテル関係では外国人労働者がいるが、建設業関係ではまだ1社しかいない。宿泊、生活、自動車の運転免許などサポートできる体制がまだできていない状況である。外国人材確保以外に、家族つながりでの雇用ということをおこなっている。社員の子どもに学生アルバイトにきていただき、卒業後に社員として採用、社員の奥さんにも空いた時間に手伝いにきていただく等取り組んでいる。
- 天岩戸神社の第1駐車場及び岩戸神社の表参道にある公共施設アマテラス館の管理業務をおこなっている。交通等のデータを取り扱って調べることが多く、国のRESASという統計データを活用しており、高千穂町までのデータをある程度見ることができるが、高千穂町内の地域のデータ等については、あまりない状況である。例えば、県道の交通量や進行方向、待機時間などのデータについて、九州や県レベルで一般提供されるシステムがあれば、広告の出し方や車の誘導に活用できる。仕組みづくりを検討いただきたい。
- 医療と福祉の人材不足の問題は深刻であり、他の職種では人件費が上がる中、報酬改定がないため、厳しい状況となっている。特に個人経営の施設は介護保険料のみの収入となるため厳しい。施設もこういう状況ではあるが、在宅のケアマネジャーの人材不足はさらに深刻である。ケアマネ資格の更新の補助金は助かっているが、更なる充実があるとよいと考えている。
- 飲食店は調理師が足りていない。宮崎県では、全日制の高校で在学中に調理師免許の試験を受けることができない。福岡県では受けることができる学校もあると聞いた。また、高千穂高校をはじめ県立学校の多くは原則バイト禁止とされている。学生時代にバイト等を行うことは、就職した際の経験値にもなる。また、調理師の専門課程等ができれば、実習としてバイトをすることや、実際に観光客や外国の方と接する機会もでき、高千穂に残りたいという意欲もわき、県外への若者の流出が減るのではないかと考えている。
- 観光客からは高千穂町は夜遅い時間まで開いているお店がないと言われる。夜遅くまで働ける人材がいないためである。高千穂町は元気な高齢者が多いため、朝活に力をいれていけば、人材も確保でき観光客にも楽しんでいただけることにつながると考える。
- 高千穂町は飲食店の近くにコインパーキングが少ない。コインパーキングの管理も個人では大変なので、町や県で管理いただける駐車場が増えると観光客にも案内しやすい。
- 職場の家畜人工授精師は8人いるが女性は自分だけである。県内の女性畜産農家が集まる「モーモー母ちゃん」に参加したが、宮崎県の畜産業にもこれだけ多くの女性が活躍しているということを知ることができ嬉しく感じた。西臼杵地区全体で畜産女性の研修等の活動を行うことで、畜産業の活性化や畜産業の女性活躍推進にもつながるのではと考えている。
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- 高千穂町は観光地として確立されているが、宿泊面の充実が図られるとさらなる誘客につながると考える。町並みの統一的な景観というアイデアも今後取り組んでいく中で大事な考えだと感じた。
- 神楽だけではなく祭りや地域のコミュニティをいかに守り、繋いでいくかということは重要な課題である。神楽のユネスコ無形文化遺産登録はその励みになると考えている。また、登録された後も高まった気運を持続していくことが重要であるため、登録後の将来をイメージしながら現場の支援や神楽の魅力発信を実施していく必要があると考える。
- 神楽の裾野を広げるためには海外の方に向けた解説をいれることや、他県で実施されている伝統的な神楽とは別に創作を含めた舞いを取り入れてみるなど、伝統の価値や重要性を理解し守ったうえで新しい試みを実施することも今後考えられるのではないかと思っている。
- 新規就農は初期投資や人手、技術的な問題等、課題も多いと考える。ファーマーズスクールはいい仕組みだと考えている。新規就農者を地域や行政が支援しながらサポートしていける仕組み作りをさらに進めていきたいと考える。
- 観光地で入場料を取っている事例は県内にはまだないと思うが、県外では富士山の入山料等、実施している地域も存在する。適切に人数をコントロールし、観光を楽しんでいただくための1つの考え方だと思う。宮崎市で検討が進められている宿泊税等、原因者負担という考えについての議論はとても重要な視点であると考えている。
- 知事会では、自動車の税金についても検討がされている。道路維持のための税金として長い距離を走行した車により多くの税金を負担していただくことができないか等の議論がされており、様々な観点での検討がなされている。話を聞く中で、この仕組みが実現できた際には交通や観光の統計としても活用できるのではないかと感じた。
- 介護職においても人材確保が課題であると認識している。ケアマネジャーは介護の多職種連携の中でも重要な役割を担っている。適切な報酬改定をして利用者にも負担を求めていくことが重要と考える。国へも提言をし、県としても問題意識をもって取り組んでいきたい。
- 調理師免許ではないが、運転免許を在学中にとることができないことが県議会で議論されたことがあった。勉学を大事にしながらも、将来の道を開くための選択肢を提供するために必要な考え方だと考える。
- 観光地ではナイトタイムエコノミーという考え方が注目され取り組まれているが、高齢者の労働力活用という観点から朝の活動に注目するというのは面白い視点だと思った。朝活動していただくことは、地域活動の活性化にも繋がり、地域に宿泊していただくことにもつながる発想だと思う。
- 畜産県である本県にとって畜産業界で女性が活躍いただくことは重要と考えている。畜産業界以外の業界でも女性の会が活動されている。県としても、とも家事等の取組を実施しているが、女性活躍は重要なことで今後も取り組んでいきたい。
- 外国人材の活用について、県では宮崎県外国人材受入・定着支援センターを開設し、受入れ定着支援に取り組んでいる。地域や分野によって、取組の進捗も異なることを実感し、取組をサポートしていくことの重要さを改めて感じている。人材不足は待ったなしの状況であるため、排外的な議論もあるが、受け入れる体制づくりに取り組み、外国人の間でも宮崎は安心して働くことができると言われる地域づくりが重要と考えている。
- 本日は皆様から高千穂町の魅力や将来像等、様々なヒントをいただいた。一つ一つを形にしていくことで高千穂町や宮崎県が元気になっていく手応えを感じた。これからも様々な分野の率直な声をいただきながら、高千穂町とも連携して対応してまいりたい。
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