掲載開始日:2021年4月1日更新日:2021年4月1日

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果樹部

研究方針

カンキツ類、落葉果樹の新品種や新品目の導入、開発を行うとともに、気候変動に対応した栽培管理技術や高品質安定生産技術等、県内産地の要望に応えた研究を進めます。

  1. カンキツ類では、本県の主力品目である極早生温州ミカンの高品質安定生産技術の確立を進めるとともに、種なしキンカン「宮崎夢丸」の生産安定や更なる改良、種なし日向夏の開発に取り組みます。
  2. 落葉果樹では、ブドウ、ナシを中心に本県の気候に適した有望な品種、系統の選定と栽培技術の確立に取り組みます。

最近の試験研究成果

1.温州ミカン

本県は降水量が多く、夜温も高く、また保水性の高い火山灰土壌も多いため果実品質の向上に不利な条件が重なり、糖度などの果実品質が劣る傾向にあります。それを克服するために、根域制限シートマルチ栽培による高品質果実生産技術を開発しました。
さらに、隔年結果防止対策技術として、冬季の低濃度ジベレリンとマシン油乳剤等の混用散布による花芽抑制技術を開発しました。

極早生温州ミカンの根域制限シートマルチ栽培の写真

極早生温州ミカンの根域制限シートマルチ栽培

温州ミカンの花芽抑制技術の写真

温州ミカンの花芽抑制技術

2.キンカン

完熟キンカンは県のブランド認証品目となっており、「たまたまエクセレント」の出荷率を上げるため、2L以上の割合が高い大玉キンカン「宮崎王丸」を育成しました。また、種がなくて甘く食べやすい、加工にも適した種なしキンカン「宮崎夢丸」を育成しました。

キンカン果実断面

育成品種(中央:宮崎王丸、右:宮崎夢丸)

宮崎夢丸結果状況

「宮崎夢丸」の結果情報

3.ブドウ

温暖化の影響により着色系ブドウの着色不良が問題になっているため、赤系品種「サニールージュ」および「ゴルビー」の環状剥皮処理方法として、処理幅と処理時期を明らかにしました。

 

ブドウ環状剥皮処理

環状剥皮処理

サニールージュ着色

環状剥皮処理が「サニールージュ」果房色におよぼす影響

(左、中:環状剥皮、右:無処理)

今後の研究

1.温州ミカン

根域制限シートマルチ栽培は、土壌条件や樹勢によってかん水の方法が異なるため、分かりやすい指標を用いたかん水技術の開発を進め、高品質安定生産技術のマニュアル化を図ります。また、本県オリジナルの高糖系極早生品種の育成を目指します。

2.キンカン

「宮崎夢丸」は、若木時の結実が不安定なため、早期成園化及び安定生産技術の確立に取組みます。

3.ヒュウガナツ

優良系統の交配等によって三倍体系統の獲得や高糖度の系統を獲得し、食味の良い種なしヒュウガナツの育成を目指します。

4.ブドウ

本県に適した「シャインマスカット」等の高品質、省力的栽培技術の開発に取り組むとともに、黒系品種の着色向上技術の開発、育成を目指します。

5.ナシ

期成園化、栽培管理の省力化を目的としたジョイント栽培等における本県に適した栽培管理技術の開発に取り組みます。

お問い合わせ

宮崎県総合農業試験場  

〒880-0212 宮崎県宮崎市佐土原町下那珂5805

ファクス:0985-73-2127

メールアドレス:sogonogyoshikenjo@pref.miyazaki.lg.jp