宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

Jajaバックナンバー

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日南海岸 にちなんかいがん

青い海と九州の小京都、二つの魅力をもつ観光都市

鵜戸神宮
鵜戸神宮/安産の神様として知られる鵜戸神宮。
雄大な日向灘に面した岩棚にある社殿の美しさが印象的だ。

青島から都井岬にいたる「日南フェニックスロード」は、宮崎観光のハイライトのひとつ。その中心に位置するのが日南市だ。宮崎市からあざやかな青さが印象的な日向灘を左手に見ながら、国道220号を南下していくと、富土海水浴場、サンメッセ日南、鵜戸神宮といった観光ポイントが連なり、カツオ・マグロ漁業基地の油津や目井津を過ぎて、ニホンザルの研究で知られる幸島、野生馬が遊ぶ都井岬へといたる。

幸島・チョロ船・坂元棚田・都井岬
左上)幸島の野生ザル/串間市石波海岸に浮かぶ幸島は、ニホンザルの楽園。
対岸から瀬渡し船で渡り、観察することができる。
右上)チョロ船/日本一の近海マグロ基地だった油津を象徴する小型帆船。
この小さな船で巨大なクロマグロなどを獲っていた。
左下)坂元棚田/酒谷地区にある坂元棚田は日本棚田百選に選定。
近くにある「道の駅・酒谷」では棚田米を使ったメニューが人気。
右下)都井岬/日本古来の馬の特徴を残した野生馬が棲み、「岬馬およびその繁殖地」として
国の天然記念物に指定されている。灯台周辺からの眺望も素晴らしい。

その途中にも、大小の島々が浮かぶ夫婦浦や美しいサーフポイントである恋ヶ浦など、宮崎の海を満喫できるドライブコースとなっている。日南市を山沿いへ行くと、風景は一転して九州の小京都といわれる飫肥の町並みが見えてくる。NHK連続テレビ小説「わかば」の舞台となったことで全国に知られるこの町は、飫肥藩五万一千石の城下町。飫肥城内には大手門や松尾の丸が復元され、周辺では藩校振徳堂、武家屋敷などが往時の姿を伝えている。

飫肥城
宮崎の小京都、飫肥/飫肥と飫肥城/飫肥5万1千石の面影をしのぶ飫肥城。
その象徴である大手門は緑陰に囲まれたしっとりした雰囲気。

藩校振徳堂・泰平踊り
左)藩校振徳堂/儒学者安井息軒らが教鞭をとり、明治の外交官小村寿太郎らを輩出した。
右)泰平踊り/江戸時代から伝わる郷土舞踊で、300年の歴史がある。

SURFPOINT

日南海岸一帯は日本有数のサーフスポット。太平洋から打ち寄せる安定した波と抜群の水質で、全国のサーファーたちの憧れを集めている。地元の小学校ではサーフィンを体育の授業に取り入れているところもある。

サーフポイント

飫肥名物、
「天ぷら」と「厚焼き卵」

近海で獲れたイワシやトビウオのすり身に、豆腐、味噌、黒砂糖を加えて油で揚げた「飫肥の天ぷら」は、ほんのりした甘さと柔らかな舌ざわりが持ち味。貴重品だった黒砂糖をふんだんに使うことから、相当なご馳走であることがしのばれる。

飫肥の天ぷら

「厚焼き卵」もまた、特製の鍋を炭火にかけて1時間かけて焼き上げる贅沢さ。ぷるんとした歯ごたえと、じんわりしみてくる甘みが、祝いの席をより華やかにしたことだろうと思わせる逸品だ。

厚焼き卵