掲載開始日:2021年10月22日更新日:2025年10月23日
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重症熱性血小板減少症候群(SevereFeverwithThrombocytopeniaSyndrome:SFTS)は、2025年の感染症発生動向調査において県内で6件の報告がありました(2025年10月19日現在)。
2013年3月の届出開始以降、累積報告数は123件となっています。
この感染症は、マダニに刺されないようにすることが最も重要な感染予防対策です。
マダニは、春から秋にかけて活動が活発になります。
野外活動の折には、しっかり予防対策を行い、マダニに刺されないようにしましょう。
他県では、SFTSを発症した動物からヒトに感染したと考えられる事例も報告されており、感染症予防のため、マダニ類だけでなく、体調不良の動物との接触の際には細心の注意が必要です。
SFTSは、2011年に中国において初めて報告された、SFTSウイルスによる感染症です。
主にウイルスを保有するマダニに刺されることにより感染します。
主な初期症状は、発熱・全身倦怠感・消化器症状などで、重症化し死亡することもあります。
世界では、2011年以降、日本、中国、韓国、台湾、ベトナムなどで患者発生が確認されています。
日本国内では、2013年1月に山口県において初めて患者が報告されて以降、複数の都道府県において、毎年60~100名程度の患者が報告されています。
| 
			 年別  | 
			
			 報告総数  | 
			
			 うち死亡者総数 (※注意)  | 
			死亡の内訳(※注意) | |
|---|---|---|---|---|
| 発生届出時点 | 
			 発生届出後から 公表まで  | 
		|||
| 
			 2013年(平成25年)  | 
			
			 7  | 
			
			 2  | 
			2 | 0 | 
| 
			 2014年(平成26年)  | 
			
			 11  | 
			
			 4  | 
			4 | 0 | 
| 
			 2015年(平成27年)  | 
			
			 9  | 
			
			 2  | 
			2 | 0 | 
| 
			 2016年(平成28年)  | 
			
			 9  | 
			
			 2  | 
			0 | 2 | 
| 
			 2017年(平成29年)  | 
			
			 13  | 
			
			 2  | 
			0 | 2 | 
| 
			 2018年(平成30年)  | 
			
			 12  | 
			
			 4  | 
			1 | 3 | 
| 
			 2019年(平成31年・令和元年)  | 
			
			 8  | 
			
			 3  | 
			0 | 3 | 
| 
			 2020年(令和2年)  | 
			
			 5  | 
			
			 2  | 
			1 | 1 | 
| 
			 2021年(令和3年)  | 
			
			 13  | 
			
			 2  | 
			0 | 2 | 
| 2022年(令和4年) | 10 | 3 | 3 | 0 | 
| 2023年(令和5年) | 12 | 3 | 1 | 2 | 
| 2024年(令和6年) | 8 | 1 | 0 | 1 | 
| 2025年(令和7年) | 6 | 1 | 0 | 1 | 
| 
			 計  | 
			
			 123  | 
			
			 31  | 
			14 | 17 | 
| 年代 | 20歳代 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | 70歳代 | 80歳代 | 90歳代 | 合計 | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 報告数 | 1 | 1 | 2 | 5 | 27 | 47 | 33 | 7 | 123 | 

| 
			 地域 (保健所別)  | 
			
			 宮崎市・ 中央  | 
			
			 日南  | 
			都城 | 小林 | 高鍋 | 日向 | 
			 延岡・ 高千穂  | 
			県外 | 合計 | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 発生数 | 
			 31  | 
			21 | 6 | 1 | 20 | 21 | 19 | 4 | 123 | 
感染推定地域は県北部から県南部まで幅広く分布していますので、県内全域において注意をお願いします。
また、推定感染時の活動内容は、農作業や山林作業が多いですが、庭仕事や家の周囲の散歩でも感染が疑われるケースもあり、身近な活動でも意識して感染対策を取り、引き続き注意をお願いします。
国立感染症研究所によると、2013年3月4日から2025年7月31日までの期間で、全国で1,185件の報告がされています。

図SFTS症例の届出地域(国立健康危機管理研究機構ホームページから抜粋)
多くの場合、ウイルスを保有しているマダニに刺されることにより感染します(インフルエンザのように容易にヒトからヒトに感染して広がるものではないとされています)。
最近の研究では、SFTSウイルスに感染し発症している動物にかまれたり、その血液などの体液に直接触れたりすることで、SFTSウイルスに感染する可能性も否定できないとされています。
【マダニとは】

ウイルスを保有しているマダニに刺された後、6日から2週間程度の潜伏期間を経て、主に発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現します。
時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障がい、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)を起こします。
マダニに刺されないようにすることが最も重要です。
草むらや藪など、マダニが生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用して肌の露出を少なくしましょう。
【服装のポイント】

ネコ、イヌなどがSFTSに感染した事例(ネコの場合、約6割が死亡)や、体調不良のネコに刺されたヒトがSFTSに感染した事例が確認されています。
重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る。)については、2013年3月4日に感染症法における四類感染症に指定されました。
つきましては、次の届出基準にある臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見から重症熱性血小板減少症候群が疑われる場合等は、最寄りの保健所に御連絡ください。
検査結果により診断が確定した場合は、直ちに保健所への届出が必要です。
SFTSウイルスに感染し発症したネコやイヌを取扱う際の感染予防措置など注意点として、発症したネコやイヌの血液、唾液、便、尿を含めた体液には感染性のあるウイルスが検出されています。そのため体液や排泄物を処理する際には次亜塩素酸ナトリウム含有消毒剤による処理やオートクレーブなどの加熱滅菌処理を行うことが必要です。患畜の取扱にはPPEを必ず適切に着用してください。また、診察台等は消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウム含有消毒剤などで必ず消毒するようにして下さい。
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福祉保健部薬務感染症対策課感染症対策担当
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