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所長紹介 -大熊幹章 初代所長-
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東大名誉教授・農学博士
大熊 幹章(おおくま もとあき)
木材利用技術センター初代所長 |
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昭和35年 |
東京大学農学部林産学科卒業 |
昭和62年 |
東京大学農学部教授 |
平成 9年 |
九州大学農学部教授 |
平成13年 |
宮崎県木材利用技術センター 初代所長 |
平成15年 |
財団法人日本住宅・木材技術センター特別研究員 |
平成17年 |
独立行政法人森林総合研究所理事長 |
平成19年 |
財団法人日本住宅・木材技術センター客員研究員 |
平成22年 |
日本農学会会長 |
<センター創設時の苦労> |
宮崎県では、当時の松形祐堯知事のお声掛かりで県内に木材、特に県産スギ材を対象にした試験研究機関の創設が考えられていました。平成8年度から委員会を作って本格的な検討が開始され、私が委員長を務めました。そして平成12年3月、私は九大を定年退官し、ついにどっぷりと宮崎県にはまり込むことになったのです。
平成12年5月1日、当時の宮崎県田所林務部長、原田木材振興課長、馬原対策監、そして私と私の補佐をしてくれる県職員上杉基君等関係者が県庁林務部内の一室に集まり、入り口に「木材加工研究センター(仮称)設立準備室」の看板を掲げ、準備室のオープンをささやかに祝いました。それから約1年間、私は上杉君と席を並べ、利用技術センター設立に向けて作業を進めたのでした。
研究所の名称は、「宮崎県木材利用技術センター」に決定されました。これは「加工」よりも広い意味を持つ「利用」にすること、学術研究のみでなく実際に役立つ技術開発の実行に取り組むのだ、という松形知事の強い意向を受けたものでした。私も「利用技術」という表現に賛成でしたが、「研究」という言葉を残したく思い、英語名の中にそっと隠してResearchを入れることにしたのでした。 |
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センター開所式(平成13年8月9日)
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<木材利用技術センターへの想い> |
私は、木材利用技術センターは従来の公設木材試験研究所とはひと味違う研究所にしなければならないと考えています。創設に当たり、秋田県立大学木材高度加工研究所のように研究所を大学付属研究所に位置づけることは不可能でしたし、私も反対でした。
大学が官、企業へ与える影響力には限界がありますし、実地に役に立つ、泥臭い応用研究こそ必要であり、それを実行するのは大学ではかなり難しいと思います。
しかし、大学の持つ自由と責任が織りなす世界を少しでもセンターに実現してもらいたいと思っています。木材利用技術センターは確かに県の出先機関の一つではありますが、県はセンターの主役はあくまで研究スタッフであるという「研究業務」の特殊性を理解してもらいたいと思います。 |
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