宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

 

Jajaバックナンバー

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Takachiho / Prefecture north area
高千穂・県北エリア

高千穂八十八社の総社にある
夫婦和合のご神木「夫婦杉」

高千穂神社

高千穂神社

かつて高千穂一帯には500以上もの神社があり、その中でも格の高い88の神社が「高千穂八十八社」とされた。これら八十八社の総社として信仰を集めてきたのが高千穂神社だ。神武天皇の兄にあたり、祭神の一人であるミケヌノミコトが、高千穂を騒がせていた悪神「鬼八」を退治した逸話など、数々の伝説が残る。

境内にはまた「夫婦杉」と呼ばれる、根元がつながった二本の巨木がある。その姿から夫婦和合のご神木とされ、木の周りを手でつないで3周回ると、夫婦は睦まじく、家内安全・子孫繁栄の御利益があるという。

百済の古都から贈られた
絆をむすぶ一対の鐘

恋人の丘

恋人の丘

約1300年前、朝鮮半島の古代国家・百済の王族が戦いに敗れ、移り住んだ伝説が残る美郷町南郷区。「恋人の丘」は、その百済王族・禎嘉王(ていかおう)を祀る神門神社近くの高台にある。丘の先端に建つ六角形の東屋は百済の古都、扶餘(プヨ)の「百花亭(ひゃっかてい)」を再現したもの。ここには「絆の鐘」と呼ばれる一対の鐘があり、ハングル文字で「百済古都扶餘から百済の里・南郷村に送る音」とメッセージが記されている。恋人、親子、兄弟姉妹などで鐘を鳴らすと、絆が強くなり、ここで誓った愛は永遠に壊れないと伝えられる。

カップルの定番、手漕ぎボートで
渓谷の四季を楽しむ

高千穂峡

高千穂峡

切り立った柱状節理(ちゅうじょうせつり)が深い谷を作る高千穂峡は、春の新緑、秋の紅葉と四季おりおりの渓谷美を楽しめる、宮崎を代表する観光地。高千穂観光の定番ともいえる手漕ぎボートに乗ると、雄大な自然をより間近に感じられ、特に高さ17メートルから垂直に落ちてくる、真名井(まない)の滝(日本の滝百選)付近の爽快感は格別だ。

柱状節理が作る絶景、
願いが叶う伝説の岬

クルスの海

クルスの海

クルスとはポルトガル語で「十字」を意味する言葉。日向岬の一角にある「クルスの海」は岩が波の侵食によって削り取られた場所で、上から見ると海が十字に見えることからこの名前がついた。 すぐ横にある小さな岩場を合わせると、「叶」の字に見えることから、祈りをささげると「願いが叶う」との言い伝えがある。

岩場のそばには、訪れた人の心を清め、願いや希望を天に託すとの意味から、「願いが叶うクルスの鐘」が造られた。願いが成就する言い伝えもさることながら、自然の力がもたらした造形美には心を動かされる。

延岡随一の夜景スポットは
神々の出会いの地

愛宕山公園

愛宕山公園

延岡市街地を一望する愛宕山(あたごやま・251m)は、約300度のパノラマが広がる夜景スポット。昔は笠沙山と呼ばれ、古事記に登場する「吾田(あた)の笠沙の御崎」から転じたものだという。天孫ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメは、この笠沙の御崎で出会い、結婚したとの伝説がある。

また、延岡は古くは吾田と呼ばれ、コノハナサクヤヒメの別名は神吾田津媛(かむあたつびめ)であることから、この地とのゆかりの深さを思わせる。この出会いにちなんで、山頂にハート型のモニュメントが建てられており、そこにはカップルが愛を誓う鍵がびっしりとつけられている。

日向灘を一望する高台にある
世界が認めたワイナリー

都農ワイナリー

都農ワイナリー

緑豊かな丘の上に建つ都農ワイナリーは、その眺望の良さからドライブスポットとして立ち寄る人も多い。一番人気の銘柄は、イギリスのワイン百科「ワインリポート2004」で「世界のワイン百選」に選ばれたキャンベル・アーリーだ。

寒暖の差が少なく雨が多いというブドウ作りには不利な条件の中、ワイナリー開設からわずか8年で世界が認める一級品を生み出したことは、従来の常識を破る驚きだった。併設されたカフェからは芝生が広がる敷地が一望でき、その向こうには雄大な日向灘の風景。おだやかな海風に吹かれて、気持ちの良い午後を過ごせるワイナリーだ。

都農ワイナリー

宮崎恋歌