宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

 

Jajaバックナンバー

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Nichinan-kaigan Coast area
日南海岸エリア

潮騒が響く海辺の洞窟に
鎮座する安産と縁結びの神様

鵜戸神宮

鵜戸神宮

縁結びと安産の神様として信仰を集めてきた鵜戸(うど)神宮は、古くは「西の高野」と呼ばれ、日本有数の霊場として栄えてきた。また、「陰流(かげりゅう)」という日本最初の剣法が発祥した地でもある。社伝によると、山幸彦の妻となった豊玉姫が、子のウガヤフキアエズノミコト(初代神武天皇の父)を産むために、産屋を建てたのが始まりとされている。

青島近くにあったという海神の宮で出会った二人は、出産のためにこの地にやってきた。
豊玉姫は「海の者は、海の者の姿で子を産むもの。決して見てはいけません」と言い残して、産屋にこもるのだが、山幸彦は産屋の中をのぞいてしまう。そこには、大きなワニ(鮫)の姿があったという。

鵜戸神宮

豊玉姫はそれを恥じて姿を消すのだが、洞窟の岩に、わが子のために乳房を残していった。それが本殿近くにあるお乳岩で、この岩に触れると母乳の出が良くなるといわれる。社殿正面の磯には、豊玉姫が乗ってきた亀の化身といわれる亀岩があり、そこに向かって素焼きの玉を投げる「運玉」に願いを込める参拝客でにぎわっている。

緑に映える朱塗りの楼門
神女の物語が伝わる縁結びの神様

榎原神社

榎原神社
壮麗な朱塗りの社殿と楼門が美しい榎原神社。シャンシャン馬道中の発祥の地とされる。

日南市南郷町榎原(よわら)。ひっそりとした町並みの一角に、壮麗な朱塗りの楼門と社殿をもつ榎原神社がある。万治元年(1658年)、飫肥藩主伊東祐久が、内田満寿姫(ますひめ)という女性の進言によって、鵜戸神宮から勧請して創建した。満寿姫は鵜戸神宮から神気を受けて数々の予言を行い、神女として崇められていたという。その力は藩主をも動かすほどのものだったのだろう。

祭神はアマテラスオオミカミで、創建当時から縁結びの霊験あらたかとされる。また、花嫁を馬に乗せて道中する「鵜戸さん参り」は、もともと同様の「榎原参り」が原型といわれている。旧飫肥(おび)街道を通り、現在の宮崎市方面から四、五日をかけて、のんびりと旅していた若い夫婦。飾り立てた馬の背に乗る花嫁と、手綱を引く花婿が、この美しい楼門をくぐっていったのだろう。

絵馬

ロマンティックな名をもつ
美しいサーフポイント

恋ヶ浦

恋ヶ浦

美しい水と安定した波でサーフポイントして知られる恋ヶ浦(こいがうら)は、都井岬に近い串間市大納(おおのう)地区にある。尾根を隔てた宮ノ浦の集落に、その昔、鳥羽天皇が船で上陸したという伝説があり、鳥羽天皇が丘の上から都を恋しがったことから「恋ヶ浦」という地名がついたといわれる。北には「夫婦浦(めおとうら)」という名の入江や、野生猿の生息地としても有名な「幸島(こうじま)」があり、 この3つを結ぶ道は”恋・幸・夫婦“で、ロマンス街道とも呼ばれる。

宮崎の最南端、
野生馬が遊ぶ緑の丘

都井岬

都井岬

延長90kmにおよぶ日南フェニックスロードの終点である都井岬(といみさき)は、全国でも珍しい野生馬の生息地だ。江戸時代初期に高鍋藩秋月氏が放牧して以来、野生に近い状態で繁殖した当地の馬は「御崎馬(みさきうま)」と呼ばれ、国の天然記念物に指定されている。岬南端にある御崎神社は、航海安全と縁結びの神様。約5000本といわれるソテツの群落に囲まれた断崖に鎮座する独特の景観から、宮崎観光遺産にも認定されている。

海沿いの丘にそびえるモアイ像
縁結びの御利益も

サンメッセ日南

サンメッセ日南

宮崎市青島から堀切峠を抜けて都井岬に続く、海沿いの道・国道220号は、日南フェニックスロードと呼ばれ、南国情緒にあふれるドライブコースだ。この道沿いの広陵地に建つサンメッセ日南は、大きなモアイ像が目を引く、太陽と南洋をテーマに作られた臨海公園。モアイ像は、触れると金運が上がるもの、恋愛運が上がるものなど、それぞれに性格づけられ、「最愛(もあい)」と呼ばれる像は、縁結びの御利益があるとして親しまれている。


モアイ像

宮崎恋歌