宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ

 

Jajaバックナンバー

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Prefecture western part / Kirishima area
県西部・霧島エリア

「真の幸がある」山の駅。
日本三大車窓の風景も。

真幸駅

真幸駅と矢岳駅の間から眺めるえびの盆地
真幸駅=矢岳駅の間から眺めるえびの盆地の雄大な風景。「日本三大車窓」の一つだ。

「真の幸に入る」として、入場券を求める人が絶えないJR肥薩線・真幸(まさき)駅。隣の大畑(おこば)駅とともに、スイッチバックのある駅として鉄道ファンにもおなじみだ。スイッチバックは、列車が急勾配を登るために坂をジグザグ運転するもので、真幸駅に入ってきた列車は一度通過して、バックでホームに入ってくる。真幸駅と矢岳駅の間から霧島連山、えびの盆地を望む景色は、日本三大車窓のひとつに数えられるほど見事なもの。人気の観光列車、いさぶろう・しんぺい号に乗って訪ねてみたい駅だ。

真幸(まさき)駅

 

龍馬・お龍夫妻が訪れた
日本最初の新婚旅行の地

天の逆鉾

天の逆鉾

幕末の英雄、坂本龍馬が、西郷隆盛のすすめで妻のお龍とともに霧島に遊んだのは慶応2年(1866年)3月のこと。寺田屋事件で負った傷を温泉で癒しながら、霧島一帯を訪ね歩いたこの旅が、日本で最初の新婚旅行といわれている。

最高峰の高千穂峰(1574m)に登った時の様子を、姉に宛てて伝えた絵手紙が残されており、これによると山頂にある天の逆鉾(あまのさかほこ)を引き抜いてしまったという。天の逆鉾は、奈良時代にはすでに山頂にあったといわれ(現在のものは複製)、地元には天孫ニニギノミコトが、国家安泰を祈って高千穂峰に突き立てたという伝承がある。

 

自然が生んだ天下の奇岩は、
和合と生産の象徴

陰陽石

小林市浜の瀬川のほとりにある陰陽石(いんようせき)。霧島の噴火に由来する溶岩が、川の流れで削られて自然にできたもので、古来、人はそこに神秘の力を見てきた。小さなお社が鎮座する陰陽石神社は、夫婦和合、縁結び、生産の神様。昭和40年代、観光地としてにぎわった一帯も、観光ブームの衰退とともに一時さびしくなっていたが、最近は遠方から訪れるカップルや女性客が目立つようになってきた。国内でも珍しい男女岩が揃う自然の造形が、新しい世代を引きつけているようだ。

陰陽石
古くから生産と和合の神として信仰されてきた。

宮崎恋歌