宮崎県季刊誌「Jaja」じゃじゃ
野山の幸

自然の懐から生まれた野の逸品

宮崎はピーマンやきゅうりをはじめ、全国的なブランドをいくつも持つ日本有数の農業県だが、こうして野の幸、山の幸を集めてみると、盛んな農業を支えている自然の懐の深さが見えてくる。たとえば、蜂を漬け込んだハチ焼酎や、今や幻といえる天然の自然薯が何気なく店頭に並んでいること自体が、豊かな風土の象徴といえそうだ。それは農村や山村に脈々と受け継がれてきた、ひとつの風景でもあり、文化でもあるのだろう。

一本掘るために二時間もかかることがあるという「道の駅・高岡」の自然薯を求めてみたのだが、それは「薬食い」という古い言葉を思い出すほど滋味にあふれたものだった。土地と季節の恵みに感謝しながら食べ物をいただいていた時代そのままの、何かありがたい気がするほどの逸品だ。


ハーブティー
敷地内にある宮崎県総合農業試験場薬草・地域作物センターで育てられたハーブのお茶。ペパーミント、カモミール、レモングラスなどがある。
ハーブティー
トロピカルフルーツ
トロピカルフルーツ
「道の駅・なんごう」で一番人気なのは、ドラゴンフルーツやスターフルーツ、マンゴーといったトロピカルフルーツ。隣接する宮崎県亜熱帯作物支場へ散策路が続いており、南国ムードにあふれる。

切り干し大根
大根の生産で有名な宮崎市田野町。切り干し大根は、大根を細切りにし、広げて天日干しにしたもの。鰐塚おろしにさらされた大根は、お日さまの香りを含み、煮物、酢の物に重宝する。
切り干し大根
蜂入り焼酎
蜂入り焼酎
蜂の焼酎漬け。秋に蜂の子をとる時に、親蜂は焼酎に漬けてしまう。一見、身を引きそうになるが香ばしい風味があり、滋養強壮に抜群とか。

猪肉
北郷町の山でとれた天然の猪肉。猪汁や炭火焼にして楽しむ。好きな人はこりことした脂身がたまらないという。

猪肉

玉こんにゃく
玉こんにゃく
地元どれのこんにゃく芋で作る玉こんにゃくは、素朴で深い風味。刺身で味わいたい。

わさび
美しい棚田の風景で名高い酒谷の山には、わさび田が作られている。新鮮なわさびの香りは山わさびならでは。
わさび
しいたけ
しいたけ
都城市山之口町で栽培されている椎茸。夏は菌床どれのものだが、冬場になると味、香りともに優れた原木椎茸が出回りはじめる。

アイガモ米
アイガモを田に放し、害虫や雑草を食べてもらうアイガモ農法で作る。
アイガモ米
黒米

黒米
古代から栽培されていた黒米は、ミネラルや最近注目のアントシアニンを含む。白米に少量混ぜて炊くと、ご飯がピンク色に染まり、お赤飯に。

紅大根
皮だけが赤く、身はほとんど白い。味は普通の大根と同じなので、彩りとして使うと料理が映える。
紅大根
自然薯
自然薯
人工林や竹林の増加で、自然薯はなかなか食べられなくなった。「道の駅・高岡」には、冬場、週に1度ほど入荷。大切に味わいたいふるさとの味。

木耳(きくらげ)
宮崎市田野町で人工栽培されている木耳。普段出回っているものは輸入の乾燥したものが多く、国内で栽培されている木耳は珍しい。コリコリとした歯ごたえがいい。
木耳(きくらげ)